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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ 肝要なのは現状を正しく認識すること!

株式評論家 杉村富生

「肝要なのは現状を正しく認識すること!」

●ペンス副大統領の演説は昨年とは違う!

 全般相場は高値波乱(落葉しぐれ)の商状に陥っている。マーケットは、相変わらずトランプ米大統領の言動(ツイッター攻撃)に振り回される展開だ。しかし、懸念は無用と思う。それに、個別株の物色機運はきわめて旺盛である。

 改めて述べるまでもないが、肝要なのは現状を正しく認識することだ。再三指摘しているように、トランプ政権の対中政策は9月以降、微妙な変化をみせている。その象徴的な事例がペンス米副大統領の演説だろう。

 今年の演説は、10月24日にワシントンのコンラッドホテルにおいて、ウィルソンセンターの行事の一環として開催された。昨年10月2日のハドソン研究所(ボストン)とは“180度”異なる。何が違うのか。

 まず、ハドソン研究所は対中強硬派の拠点だ。そこでの演説は「中国に向けての実質的な宣戦布告」と形容され、“新冷戦構造突入→世界景気の底割れ”を危惧し、株価暴落を引き起こした。一方、ウィルソンセンターは第28代ウィルソン大統領(民主党)の功績を称える国際外交政策研究所である。

 ウィルソン大統領の功績とは、第1次世界大戦に参戦を決断、国際連盟の創設に関わったこと。さらに、アメリカの輸入関税を引き下げ、世界貿易の拡大に努めた。いわば、トランプ大統領とは“真逆”の人物だ。これは中国に対する明確なメッセージといえる。

親子上場の“子”には思惑のタネがある!

 そもそも今年の10月24日の演説は、6月4日に行われる予定だった。この日は? 天安門事件30周年である。当然、発言は過激なものになったはずだ。しかし、これはトランプ大統領が止めた。「やめておけ」と。ここに、トランプ政権の配慮が感じられる。

 さて、年内は餅つき相場というか、値動きの激しい展開が予想される。だからこそ、2020年を見据え、じっくり狙える銘柄にマトを絞るべきだと考えている。業績面に加え、テーマ性のチェックが重要だ。いわゆる、ロングランに注目できる銘柄である。

 具体的には半導体の微細化、3D積層による性能向上のメリットを受けるホロン <7748> [JQ]、新光電気工業 <6967> 、電子材料、医薬品原末としてのファインケミカルが伸びている広栄化学工業 <4367> [東証2]、防災機器のトップ企業の能美防災 <6744> などに妙味があろう。

 さらに、大阪万博の開催、カジノ構想などで盛り上がる関西が地盤のダイビル <8806> が面白い。これらの銘柄に共通しているのは、すべて親子上場の“子”である。そして、“親”が発行済み株式数の50%超を保有している。これが思惑のタネ(隠し味)となる。

2019年12月6日 記

株探ニュース

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