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【特集】アライドアーキ Research Memo(1):2019年12月期通期予想は下方修正も、国内事業・海外事業ともに伸長

アライドアキ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

1. 事業概要
アライドアーキテクツ<6081>は、国内事業としては、生活者やファンとともにビジネスの成長を目指す企業のマーケティングを包括的に支援する事業を展開している。また、中国を中心とする越境ECやインバウンド市場に向けた越境プロモーション支援のほか、海外子会社が運営する企業の広告クリエイティブに特化したプラットフォーム「CREADITS(R)」にも注力している。

日本国内では、企業のマーケティングが「マスベース」から「ファンベース」へと大きく変化するなかで、これまでの事業概念を「ファン・リレーションシップ・デザイン」という形で再定義し、オンライン及びオフラインでの接点を通じて、企業のビジネス成長に必要な「生活者」「ファン」との最適な関係構築を支援する方向性を打ち出している。そのような環境のもと、Facebookを始め、Instagram、Twitter、LINEなど主要な各SNSを利用したマーケティングに注力し、自社プロダクトである各種SaaS※とソリューションを組み合わせた独自の価値提供が同社の強みとなっている。

※Software as a Serviceの略称。同社においては原則として月額契約(サブスクリプションモデル)のプロダクトを示す。


また、中国を中心とする越境ECや急激に拡大するインバウンド市場に向けて、SNSを活用したプロモーションの支援を行う事業も手掛けており、売上規模はまだ小さいながらも、今後の成長が見込まれる分野である。
海外子会社においては、粗利率の低いSNS広告からの撤退やマーケティング強化への先行費用等により、足元業績は低調に推移しているものの、新モデルへ変更したクリエイティブプラットフォーム「CREADITS(R)」は営業体制の強化と市場ニーズの拡大を背景に順調に伸びており、成長加速に向けた新たな局面を迎えている。

2. 2019年12月期第3四半期(累計)の業績
2019年12月期第3四半期(累計)の連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減の3,045百万円、営業損失が106百万円(前年同期は14百万円の損失)となった。売上高は、国内のファン・リレーションシップ・デザイン事業がSaaSプロダクトの伸びや顧客の多様なニーズに対応したソリューションの提供により伸長。また、越境・インバウンドプロモーション事業についてもまだ小規模ながら、自社プロダクトとインフルエンサーマーケティングを組み合わせた大型案件の増加など、着実に伸びてきたようだ。ただ、売上高全体が減収となったのは、海外子会社による利益率の低い海外SNS広告からの撤退が理由である。もっとも、同子会社が展開する「CREADITS(R)」の売上高は順調に伸びている。一方、利益面では、売上総利益は同社単体(国内事業等)の伸びにより増益を確保したものの、特に海外子会社におけるマーケティングコストの増加や拠点閉鎖コストが発生したことが大きく影響し、営業損失に陥った。また国内事業においても受注獲得に向けたマーケティングコスト、またSaaS強化に向けた開発・運用コスト等の先行費用により販管費が拡大した。

3. 2019年12月期の業績予想
2019年12月期の連結業績予想について同社は、期初予想を下方修正し、売上高を前期比1.8%増の4,161百万円、営業損失を103百万円と見込んでいる。売上高は概ね期初の予想通りに進捗するも、コスト増加が響き営業損失に陥る想定となっている。ただし、第4四半期においては、これまで収益の足を引っ張ってきた「CREADITS(R)」の売上高伸長等により連結営業黒字を見込んでいる。

4. 成長戦略
同社の成長戦略の軸は、主力のファン・リレーションシップ・デザイン事業の安定的な成長、越境・インバウンドプロモーション市場の拡大に伴う事業の成長のほか、海外子会社による「CREADITS(R)」の事業拡大である。弊社では、国内マーケティング領域は、企業を取り巻く環境が大きく変化する中で今後も成長が見込める市場であり、生活者・ファンと企業のつながりを重視するサービスやプロダクトをいち早く展開する同社には大きな成長力があるものと見ている。越境・インバウンドプロモーション事業については、本格的な業績貢献には時間を要するものの、東京オリンピック・パラリンピックなど今後のインバウンド需要の増加を背景に成長拡大が見込まれることから、ポテンシャルや具現性を高く評価している。また、革新的な事業モデルで世界シェアNo.1を目指す「CREADITSR」についても、グローバルのデジタル広告市場の急激な拡大に伴い、既に5兆円を超すと見込まれる広告クリエイティブ市場において、その月額売上高が期末までには当期初に比して約3倍になる見込みのようであり、いよいよ成長に拍車がかかる可能性が高い。単月黒字が達成されれば、利益の面でも連結業績に大きく貢献できるものと見込まれる。

■Key Points
・2019年12月期第3四半期(累計)の業績は、マーケティングや開発などの先行費用により減収減益(営業損失)となるが、国内・海外事業ともに着実に伸長
・2019年12月期の通期業績については、期初予想を下方修正も第4四半期では連結営業黒字が視野に
・主たる事業である「ファン・リレーションシップ・デザイン事業」の拡大に加え、ポテンシャルの大きな「越境・インバウンドプロモーション事業」やクリエイティブプラットフォーム「CREADITS(R)」のサービス向上により成長加速を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

 提供:フィスコ

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