【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東芝、日立建機、ユーグレナ
東芝 <日足> 「株探」多機能チャートより
ユーグレナ<2931>が出来高を膨らませ続伸。ミドリムシを活用した健康食品や化粧品を販売、バイオジェット燃料開発にも積極的に取り組んでいる。同社は27日、伊藤忠商事<8001>とともにコロンビアでミドリムシの培養実証事業を開始したことを発表、インドネシアに続く2カ国目でバイオ燃料商用化に向け前進したとの見方が買いを後押しした。
■グリー <3632> 518円 +22 円 (+4.4%) 本日終値
グリー<3632>は大幅高。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「2021年6月期をめどに、情報サイト運営を手がけるメディア事業の営業損益を黒字転換する方針だ」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、同事業の前期実績は非開示だが、8億円程度の赤字だったもようで、今期は損益トントンまで改善させ、来期黒字化する見通しだという。閲覧者が増えている生活情報サイトなどで広告収益を伸ばす方針という。
■あすか製薬 <4514> 1,350円 +55 円 (+4.3%) 本日終値
あすか製薬<4514>が大幅高。同社はホルモン剤を主力とする製薬会社で婦人科系に強みを持っている。26日取引終了後、開発中の経口子宮筋腫治療剤「ウリプリスタル酢酸エステル」の第3相比較試験で主要評価項目を達成したことを発表、これを手掛かり材料に投機資金が集中する格好となった。
■東芝 <6502> 3,630円 +140 円 (+4.0%) 本日終値
東芝<6502>が大幅に3日続伸。27日付の日本経済新聞は「東京証券取引所は2020年にも2部市場から1部市場への移行基準を緩和する」と報道。現在は適正意見がついた5年分の有価証券報告書(有報)が必要だが、これを2年分で移行可能とするという。現在の基準では、東芝が東証1部に復帰するには22年3月期の有報提出まで待つ必要がある。しかし、基準が緩和されれば18年3月期と19年3月期の2期分ですみ、基準緩和後すぐに移行申請が出せることになる。これを受け、東芝には東証1部復帰を期待する買いが流入した。
■日立建機 <6305> 2,935円 +107 円 (+3.8%) 本日終値
日立建機<6305>が大幅に4日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は26日、同社株の「オーバーウエート」を再強調した。目標株価は3200円から3800円に引き上げた。バリューチェーンや鉱山機械の拡大で安定的な高収益体質への転換が進んでいることを評価している。販売低迷が続く中国やインドは経費削減で収益性は維持しているほか、先進国の収益性は改善傾向にある。特に、今上期の中国向け売上高構成比は、9%に過ぎない。同証券では「もう中国関連株ではない」として脱中国と高収益化が進んでいることを指摘している。
■三機工業 <1961> 1,470円 +37 円 (+2.6%) 本日終値
26日、三機工業 <1961> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.68%にあたる100万株(金額で14億3300万円)を上限に、11月27日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。
■DyDo <2590> 4,670円 +95 円 (+2.1%) 本日終値
ダイドーグループホールディングス<2590>は反発。26日の取引終了後に発表した第3四半期累計(1月21日~10月20日)連結決算は、売上高1309億2500万円(前年同期比1.7%減)、営業利益39億6900万円(同33.8%減)、最終利益28億7900万円(同16.1%減)と大幅減益となったものの、織り込み済みとの見方が強い。トルコ飲料事業や食品事業で平均販売単価の上昇効果などにより売上総利益率が改善したものの、主力の国内飲料事業が天候要因などで販売数量が減少し、利益面にも大きく響いた。また、医薬品関連事業における新工場やパウチライン新設に伴う準備費用の増加も利益を圧迫した。なお、20年1月期通期業績予想は、売上高1700億円(前期比0.9%減)、営業利益34億円(同44.0%減)、純利益24億円(同37.8%減)の従来見通しを据え置いている。
■日鉄ソリューションズ <2327> 3,830円 +75 円 (+2.0%) 本日終値
日鉄ソリューションズ<2327>は続伸し年初来高値を更新した。同社は26日、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する情報収集・活用基盤となる自営無線網(ローカル5G/プライベートLTE)サービスの提供を来年1月から開始すると発表。新たに始める自営無線網サービスは、顧客の生産現場で発生するさまざまなデータを効率よく収集、また収集・分析されたデータを生産現場で柔軟に活用するための無線通信環境を提供するもの。5G(ローカル5G)または4G(プライベートLTE)を用いることで、Wi-Fi無線網と比較して広いサービスエリアと安定した通信環境を、また商用サービスと比較して月々のデータ通信量に依存しない、より顧客のニーズに適合した通信環境を提供するとしている。
■アンリツ <6754> 2,116円 +40 円 (+1.9%) 本日終値
アンリツ<6754>が続伸、2100円台を回復し25日移動平均線とのマイナスカイ離を急速に埋めてきた。9月のラグビーワールドカップ開催と合わせ5Gのプレサービスが開始され、東京五輪開催年となる20年3月の商用化をにらみ、関連企業が改めて注目される流れにある。そうしたなか、アンリツと同業態の通信計測器を手掛ける米キーサイト・テクノロジーズが前日に8~10月期決算を発表、5G向けの需要好調を背景に市場コンセンサスを上回る内容であったことから、連想買いを誘っている。
■住友金属鉱山 <5713> 3,429円 +65 円 (+1.9%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>、三菱マテリアル<5711>など非鉄株が買われた。足もとで世界景気減速懸念がやや後退するなか、銅市況が上昇基調に転じており、非鉄株に見直し買いのムードが出ている。米中貿易協議は依然予断を許さない状況ながら、中国側が譲歩姿勢をみせていることで目先は進展期待が高まっている。制裁関税引き上げに歯止めがかかれば中国景気も改善の方向に向かうとの見方から非鉄セクターには追い風となる。
株探ニュース