【市況】米国株式市場見通し:米中通商協議の動向を注視
米中通商協議の先行き不透明感が強まり、貿易摩擦解消への楽観的な見方が後退しつつある。投資家の多くはそう遠くない時期に何らかの合意に到ことを期待しているが、今週の株式相場も米中交渉に何らかの進展が見られない限り、不安定な値動きとなりそうだ。20日はFOMC議事録の発表が予定されるが、利下げの打ち切りを巡る連銀高官の意見の相違や、今後の利下げ再開の条件について何らかの示唆を得られるかが焦点となる。
経済指標では、11月NAHB住宅市場指数(18日)、10月建設許可・住宅着工件数(19日)、10月景気先行指数(21日)、10月中古住宅販売件数(21日)、10月マークイット製造業PMI(22日)などの発表が予定されている。9月の景気先行指数は2か月連続の落ち込みとなり、米経済の先行き不透明感と企業見通しの落ち込みを反映する内容となった。今月も軟調な内容となれば、米経済減速への懸念が強まりそうだ。
個別企業では、百貨店のコールズ(19日)、メーシーズやノードストローム(21日)、ディスカウントストアのTJX(19日)やターゲット(20日)、ホームセンターのホーム・デポ(19日)、アパレルのギャップ(21日)など多数の小売決算発表が予定されている。今月末の感謝祭前後から本格化する年末商戦の各社見通しが注目点となるだろう。また、ギャップはペックCEOの退任を発表しているが、比較的好調な「オールドネイビー」部門のスピンオフを進める計画は継続する予定だ。決算では同計画に何らかの変更があるかどうかが焦点となる。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ