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【市況】ホンダの値動きでセンチメントを測る/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 11日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが6ドル高と小幅に上昇。トランプ米大統領は中国に対する関税を完全に撤回することに、米国は同意していないと述べた。米中貿易合意をまとめるために米国が関税で譲歩するとの期待は、この発言で薄れる格好となった。米政権内部で中国への追加関税撤廃に反対する見方もあり、利益確定の流れが優勢となっていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円高の23470円。円相場は1ドル109円20銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から底堅い展開が見込まれるが、決算発表がピークを迎えていることもあり、上値追いの流れにはなりづらいだろう。その為、決算を手掛かりとした物色が中心になりやすく、高安まちまちの展開の中で、インデックス売買に振らされやすい相場展開になりそうだ。

 センチメントを測るうえで、ホンダ<7267>の動向が注目されそうである。2020年3月期業績予想の修正を発表。営業利益は従来の7700億円から前期比5%減の6900億円に修正。純利益見通しは前期比6%減の5750億円と従来予想より700億円引き下げ、減益予想となった。一方、発行済み株式総数(自己株を除く)の1.9%に相当する3300万株、1000億円を上限とする自社株買いを発表しており、これを材料視してくるかが注目されよう。

 また、概ね主力処の決算は通過してきており、今週は中小型株の決算が本格化する。決算がアク抜け的な動きにつながるようだと、相対的に出遅れている中小型株への見直しの流れも意識されてくることになりそうだ。先週はメルカリ<4385>の決算を受けた下落影響があるものの、マザーズ指数の弱い値動きが続いている。個人のセンチメントは依然として不安定といったところであり、センチメント改善を見極めたいところであろう。

 また、決算発表がピークを迎える中で決算内容を受けた値動きが目立っているが、ここのところは東証1部の値上がり数と値下がり数が拮抗している状況が多くみられており、バリュー株への見直しといった資金シフトが出てきているようである。金価格が連日で下落するなど安全資産に向かっていた資金の逆流もみられてきており、世界的なバリュー株として位置づけられている日本株への資金流入は継続しそうである。
《AK》

 提供:フィスコ

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