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【経済】NYの視点:今週の注目:パウエルFRB議長、米11月CPI、PPIなど


投資家や投機家の持ち高を示す週次統計で、円やユーロの売り持ち高は先々週から一段と増加した。

12月15日の追加関税実施を控え、引き続き米中通商協議の行方に注目が集まるほか、12月に総選挙を控え、英国の政局動向に注目が集まる。世論調査で、ジョンソン首相は2ケタのリードを保っているが、議席過半数が保証されたわけではない。

米中通商協議では特に関税の行方に焦点が集まる。関税の撤廃に関しては米中で見解が分かれているようだ。中国は関税の撤廃を望んでいるが、トランプ大統領は関税に関しては何も合意していないと記者団に語っている。中国側は米中通商協議の進展にともない同じ割合で関税を段階的に撤廃していくことで合意したと発表した。


米国政府は12月15日に対中消費関連商品に対して新たな関税発動を計画しており、計画通り実行されると世界の貿易を一段と停滞させ、世界各国の製造業、企業投資の動きをさらに弱めると警戒されている。欧州や中国だけでなく、米国の製造業も活動が縮小し始めた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は10月の連邦公開市場委員会(FOMC)で本年3回目の利下げを実施。同時に、前回の9月会合時に比べて、英国の合意ない欧州連合(EU)離脱のリスクが後退したほか、米中通商協議が前進したため、貿易関連のリスクもいくらか低下し見通しが改善したことを理由に年内の政策金利据え置きの可能性を示唆した。米金利先物市場での12月FOMCでの利下げ確率は一時60%近く上昇していたが、7%まで低下。世界の最新PMI指標の結果も、減速基調に変わりはないが、悪化が一段落していることもFOMCの方針を裏付ける。

今週は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が両院経済合同委員会、下院予算委員会の公聴会で景気見通しに関して証言を予定している。リスクは依然、存続しており、金利のバランスは下向きだ。そのほか、FRBの中でもパウエル議長と同じく影響力のあるクラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長やウィリアムズ米NY連銀総裁も講演を予定しており、発言に注目が集まる。また、米国経済の7割を消費が占めるため注目される小売売上高の10月分も9月のマイナスからプラスに改善が予想されている。また、利下げを実施する一因ともなった重要なインフレ指標も発表予定。結果で消費の順調な伸びが今後の成長を支えることが確認されるとドルを支援する。

■今週の主な注目イベント

●米国
11日:ベテランズデーで米国債市場は休場、
ローゼングレン・ボストン連銀総裁がノルウェー、オスロで講演

12日:トランプ米大統領がNYエコノミッククラブの昼食会で演説、
ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が講演、
クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が世界経済のリスク、不透明性や変動率で金融政策や物価安定、国債利回りを協議

13日:パウエルFRB議長が両院経済合同委員会で講演、
10月消費者価指数(CPI):コア指数:予想前年比+2.4%(9月+2.4%)

14日:パウエルFRB議長が下院予算委員会の公聴会で景気見通しに関して証言

クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長、エバンス・シカゴ連銀総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁が講演、
デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、ウィリアムズ米NY連銀総裁がサンフランシスコ連銀主催の2019年アジア経済政策会議で講演

カプラン米ダラス連銀総裁が講演

10月生産者物価指数(PPI):コア指数予想前年比+1.5%(9月+2.0%)

15日:10月小売売上高:予想前月比+0.2%(9月?0.3%)

●日本
14日:7-9月期GDP:予想前期比年率+0.9%(4-6月期+1.3%)

●ユーロ圏
10日:スペイン総選挙
14日:ドイツ7-9月期GDP:予想前期比?0.1%(4-6月期?0.2%)、
ユーロ圏7-9月期GDP:予想前期比+0.2%(4-6月期+0.2%)


●中国

14日:10月鉱工業生産:予想前年比+5.4%(9月+5.8%)、
10月小売売上高:予想前年比+7.8%(9月+7.8%)

●地政学的リスク
ベネズエラ
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
香港

《CS》

 提供:フィスコ

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