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【市況】明後日の株式相場戦略=半導体の強さと量子コンピューターにも思惑

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 東京株式市場はしぶとく上値指向を続けている。値運びは重くなっているとはいえ踏み上げ相場の余熱が依然として払拭されていない。きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が56円高と続伸、売買代金は1兆5000億円と低調だったものの、模様眺めというには強い地合いだ。前週末の米株安に加え、あすが即位礼正殿の儀に伴う祝日で休場であるにもかかわらず、利益確定売りを急がない買い方の余裕すら感じられる地合いだった。

 株式市場を取り巻く思惑としては、引き続き世界景気の減速シナリオを警戒する動きと金融緩和や財政出動などの政策期待とが綱引きする形となっている。しかし、最近は景気減速への懸念もやや希薄化されている。それは、あらゆる産業の基盤である半導体の市場底入れが徐々に明確になりつつあるからだ。

 先に台湾のTSMCが発表した7~9月期の営業利益が5四半期ぶりに増益に転じるなど市場のセンチメントは大きく改善方向に傾いており、これが東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>といった大手の半導体製造装置半導体素材メーカーにとどまらず、もっと動きの軽い中小型株の物色人気へと火が燃え広がる形となっている。ついこの間まで投資マインドがリスク回避ムードに凝り固まっていたという現実があるだけに、持たざるリスクが台頭するには相応のタイムラグが必要なはずだが、個人投資家のめざとい資金は反応もすこぶる早い。

 当面の業績がどうかなどと考えてしまったら、最初の一歩が踏み出せない。米国の作家バーバラ・グリッツィ・ハリスンは「2塁へ盗塁するには1塁に足をかけたままではいられない」と喝破したが、株式投資にも当てはまる。相場で大切な要素である「流れに乗る」ということは、紛れもなく投資行動の一つであり、投資家の意思に委ねられている。勇躍2塁に向かうかどうかは投資家自身が決めること。日々の取引で今が買い板か売り板かを判断して機動的な売買を主導しているのは、いうまでもなく機関投資家ではなく個人投資家だ。一部個別株のAI取引の影響はもちろん無視できないが、それも考慮した個人の英知が相場で輝きを増している。

 半導体関連では、栄電子<7567>がストップ高。噴き上げては調整を繰り返すパターンではあるが、きょうは値幅制限上限まで買われた状態で買い物を残しており、陽線丸坊主を形成、投資テーマとしての半導体周辺株に対する見方が変わってきていることを暗示している。ドライエッチング装置を展開するワイエイシイホールディングス<6298>なども足もとの業績への恐怖感が吹っ切れたような戻り相場を形成している。きょうストップ高に買われたアドテック プラズマ テクノロジー<6668>も同じ流れに乗った。いずれも押し目があれば、物色対象としてマークしておきたい。

 また、微細表面加工の研磨剤を手掛けるMipox<5381>もきょうは一時ストップ高まで上値を伸ばす場面があったが、これも半導体関連の一角で、同関連としては新鮮味があり、まだ上値が期待できそうだ。

 半導体関連以外では、米グーグルの「量子超越」達成の観測を受け量子コンピューティング関連株が色めき立っている。穴株としては一目均衡表の雲を抜けてきたシグマ光機<7713>あたりをマークしたい。

 にわかに動きが出てきた銘柄で、CAD・CAMソフト展開するC&Gシステムズ<6633>にも妙味が感じられる。満を持して年初来高値を更新してきたが、ここはまだ初動。滞留出来高の厚いゾーンを上に抜けてきたことを重視したい。光通信<9435>が第2位株主に入っていることも思惑を呼ぶ。このほか、目先薄商いで動きは乏しいものの、電気自動車(EV)関連の穴株として、難燃剤で需要開拓が見込まれるマナック<4364>なども水準訂正余地が感じられる。1株純資産は前期実績で1130円程度あり、有配企業にしてPBR0.4倍台は割安感が際立つ。

 日程面では、あすは即位礼正殿の儀に伴う祝日で東京市場は休場となる。海外では9月の米中古住宅販売件数が発表される。また明後日は、国内で9月の全国百貨店売上高や食品スーパー売上高などの発表がある。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2019年10月21日 18時52分

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