【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、大成建、SBG
トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
トヨタ自動車<7203>が前週末終値近辺で頑強な値動きをみせた。中国の低調な経済指標などを受け世界景気減速への警戒感が再燃しているほか、足もと1ドル=108円台前半に円高方向に振れたことが、為替感応度の高い自動車セクターの買い手控え要因となった。ただ、トヨタの今期想定為替レートは1ドル=106円と厳しめにみており、実勢はそれよりも2円以上円安水準にある。
■大成建設 <1801> 4,195円 +10 円 (+0.2%) 本日終値
建設株が高い。大成建設<1801>や鹿島<1812>など大手ゼネコンが買われたほか、若築建設<1888>や東洋建設<1890>は年初来高値を更新。業種別上昇率では「建設」は33業種中、3位となった。台風19号の被害を受け、「国土強靭(きょうじん)化」の見直しや補正予算の策定の動きが強まっており、災害対応策の強化は大手ゼネコンなどの業績にはプラスに働くとの観測が出ている。また、新たに台風20号、21号が日本列島に接近していることも建設株の思惑買いにつながった様子だ。
■ゴールドウイン <8111> 7,980円 -460 円 (-5.5%) 本日終値 東証1部 下落率4位
ゴールドウイン<8111>が大幅続落。20日に行われたラグビーワールドカップ(ラグビーW杯)日本大会の準々決勝で、日本代表が南アフリカ代表に3対26で敗れ、準決勝進出はならなかったことから、日本代表にジャージを提供するカンタベリーオブニュージーランドジャパンを子会社に持ち、レプリカジャージを販売する同社には、株価押し上げ効果が一巡したとの見方が強まった。また、英国風パブを展開するハブ<3030>も来店客数増の効果が剥落するとの見方から、大幅続落した。
■KOA <6999> 1,356円 -51 円 (-3.6%) 本日終値
KOA<6999>が反落。18日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高251億7600万円(前年同期比10.3%減)、営業利益10億600万円(同61.4%減)、純利益6億6700万円(同25.3%減)と大幅減益だったことが嫌気された。主に中国の電源や自動車向けが減少した。また、為替差損の増加なども最終利益を押し下げたとしている。なお、第3四半期累計(4~12月)業績予想は、売上高373億円(同12.0%減)、営業利益12億5000万円(同71.6%減)、純利益9億4000万円(同3.5倍)と見込んでいる。
■第一三共 <4568> 6,632円 -182 円 (-2.7%) 本日終値
第一三共<4568>が4日続落。この日、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)から、キザルチニブ(FLT3阻害剤)のFLT3-ITD変異を有する再発または難治性の急性骨髄性白血病(AML)に対する適応について、承認を推奨しないという否定的見解が示されたと発表しており、これを嫌気した売りが出た。同社では今後、CHMPの見解を精査し、欧州における次のステップを決定する予定という。また、同剤のFLT3-ITD変異を有する新規のAML患者を対象としたグローバル第3相臨床試験における患者登録は既に完了しており、AML患者へ新たな治療の選択肢を提供できるよう、試験終了後の評価結果に期待しているとしている。
■エンプラス <6961> 3,835円 -95 円 (-2.4%) 本日終値
エンプラス<6961>は反落。前週末18日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が152億円から160億円(前年同期比1.3%減)へ、営業利益が8億円から13億円(同3.3%減)へ、純利益が5億6000万円から14億円(同36.1%増)へ上振れて着地したようだと発表したが、目先の材料出尽くし感から売られた。業績上振れは、半導体機器事業で米国、中華圏で各種ICソケットやバーンインソケットの販売が好調に推移したことに加えて、子会社で訴訟損失引当金戻入を特別利益として計上したことなどが要因としている。なお、20年3月期通期業績予想については、世界経済を取り巻く不安定要素が業績へ与える影響が不透明であるとして、最終利益のみ14億円から18億円(前期比5.4倍)へ上方修正し、売上高320億円(同2.3%増)、営業利益20億円(同15.3%増)は従来見通しを据え置いている。
■ソフトバンクグループ <9984> 4,298円 -1 円 (0.0%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が軟調。強弱感が交錯するなかも売り物に押される展開を余儀なくされたが、売買代金は全上場企業を通じて断トツにこなしており、マーケットの関心度の高さを象徴している。ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)などが出資する米シェアオフィス大手ウィーカンパニーの経営難が株価にネガティブ材料となっている。直近ではウィーカンパニーの企業価値の急減が伝わるなど一段と向かい風が強い。そうしたなか、米ブルームバーグが21日、SVFのパートナーであるデービット・デブノン氏が辞任したことを報じており、買い手控えムードを助長する形となっている。
■ジューテック <3157> 1,305円 +300 円 (+29.9%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
ジューテックホールディングス<3157>が後場急動意。ストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社はきょう午後2時30分頃に、20年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績予想を修正。経常利益見通しを従来の6億円から9億8000万円(前年同期比27.4%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高の見通しは従来の800億円(同4.6%増)で据え置いたが、配送コストの上昇が予想より抑えられたことや経費削減に取り組んだ効果などが利益を押し上げるとしている。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■プロパスト <3236> 242円 +50 円 (+26.0%) ストップ高 本日終値
プロパスト<3236>が出来高増勢のなかストップ高。18日取引終了後、シノケングループ<8909>の子会社、シノケンアセットマネジメントが国土交通大臣から、不動産投資信託(REIT)運営に必要な取引一任代理の認可を取得したと発表したことを受け、同社株が動意づいた。シノケンGの持ち分法関連会社である同社が開発する物件についても投資対象とする予定となっていることから、思惑含みの買いが入った。
株探ニュース