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【市況】英国のブレグジット問題が手控え要因に/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 21日の日本株市場は、利食い優勢の相場展開になりそうだ。18日の米国市場では、NYダウが255ドル安となった。医薬品のジョンソン&ジョンソンと航空機メーカーのボーイングがNYダウを押し下げた格好であり、これについての影響は限られよう。しかし、欧州連合(EU)が英国のEU離脱案に合意したものの、10月19日の英議会で同案が先送りされたため、10月末に英国が合意なくEUを離脱する公算が高まり、不安定な相場展開になろう。

 英国は離脱期限を10月末から2020年1月末まで延長するようEUに要請する書簡を送ったが、英首相は「10月末離脱」の公約の実現をあきらめていない。ブレグジット問題を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすい。また、祝日を挟むこともあり、新たなポジションは取りづらい面もあり、商いは膨らみづらいだろう。

 シカゴ日経225先物清算値は大阪比30円高の22490円だが、英国の離脱案の採決先送りは織り込まれていないため、これにサヤ寄せする反応は期待しづらい。ただし、円相場は1ドル108円40銭台で推移しており、若干円高に振れて推移しているものの、108円台での底堅さが意識されており、売り込みづらくさせるだろう。また、米企業決算が本格化しているほか、祝日明け以降は国内でも決算発表が本格化してくるため、米国同様、決算を手掛かりとした業績相場への流れが意識されやすいだろう。

 米国ではマイクロソフトの決算が予定されており、引き続きクラウドの成長が確認されるようだと、国内におけるクラウドやサブスクリプションなどの関連銘柄への波及が意識されやすいだろう。また、アマゾンの決算も予定されており、良好な決算ともなれば、FANGなどの物色が再燃する可能性が出てくることも考えられ、国内の主要なハイテクセクター等への支援材料になる展開も意識されやすい。

 日経平均は22500円を挟んでのこう着が見込まれる中、まずは5日線を上回っての推移が意識されやすいだろう。売り優勢も底堅さが意識される局面においては、決算を手掛かりとした関連銘柄への広がりに期待したいところである。
《AK》

 提供:フィスコ

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