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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~本日の処は個人主体による中小型株物色に

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、本日の処は個人主体による中小型株物色に
・ドル・円は小じっかり、中国経済減速の懸念後退で
・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はテルモ<4543>

■日経平均は反落、本日の処は個人主体による中小型株物色に

日経平均は反落。50.38円安の20653.99円(出来高概算4億株)で前場の取引を終えた。トランプ米政権は、中国製品を対象に制裁関税「第4弾」を発動。中国政府も米国と同時刻に報復関税を発動した。先週末は米中協議再開を巡る報道から期待先行の動きをみせていた反動もあり、利食い優勢の展開となった。ただし、米中の政府関係者は協議再開に向けて調整中としているほか、米国市場はレイバーデーの祝日となるため参加者は限られており、売り一巡後は底堅い値動きをみせている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1400を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは水産農林、鉱業、陸運、倉庫運輸、ゴム製品、小売、電力ガス、サービスが冴えない。半面、非鉄金属、海運、保険、その他製品が小じっかり。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>が重石となる一方で、東エレク<8035>、アステラス薬<4503>が下支えとなった。

シカゴ先物は朝方に20400円まで下落幅を広げる局面もみられたが、現物市場への影響は限られており、短期筋の仕掛け的な動きだったようである。速い段階でショートカバーが入りやすい需給状況でもあり、日経平均は20600円台での底堅さが意識されている。ただし、日中値幅は50円程度にとどまっており、市場参加者は限られている状況である。

そんな状況の中では、個人主体の材料株物色に向かいやすく、マザーズ、JASDAQは上昇している。サンバイオ<4592>は16%を超える上昇となり、マザーズ指数をけん引する格好であり、値動きの強い銘柄へは限られた参加者による資金が集中しやすい需給状況のようである。

短期筋の資金が中心と考えられ、大引けにかけては弱含みとなる可能性はありそうだが、日経平均の底堅さが意識される局面では、警戒感もそれ程強まらないだろう。また、週明けの米国市場が休場となるため、外部環境に対する警戒感も強まらないため、本日の処は個人主体による中小型株物色に向かいやすいところである。


■ドル・円は小じっかり、中国経済減速の懸念後退で

2日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。中国の堅調な経済指標を受け同国の景気減速への懸念が後退し、ややリスク選好的な円売りに振れた。

ドル・円は、早朝の取引で105円90銭台に弱含んだが、10時45分に発表された中国の財新製造業PMIが経済活動の拡大と縮小の境目である50を3カ月ぶりに回復。上海総合指数の堅調な値動きでやや円売り方向に振れたようだ。

ランチタイムの日経平均先物は下げ渋っており、日本株はマイナス圏ながら底堅い値動きを見込んだ円売りも観測される。また、本日は米国市場がレーバーデーで休場のため、リスク要因の後退からも円買いは抑制されそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は105円93銭から106円24銭、ユーロ・円は116円42銭から116円76銭、ユーロ・ドルは1.0984ドルから1.0997ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・パルマ<3461>、セルシード<7776>がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位はテルモ<4543>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・ホルツマン・オーストリア国立銀行総裁
「通貨供給量の一段の拡大や預金金利の引き下げには懐疑的」
「金融緩和にメリットはあるが、限界もある。長期間続けばなおさらだ」

【経済指標】

・日・4-6月期法人企業統計調査・全産業設備投資:前年比+1.9%(予想:+1.8%、1-3月期:+6.1%)

・中・8月財新製造業PMI:50.4(予想:49.8、7月:49.9)


<国内>
・特になし

<海外>
・休場:米国、カナダ(レーバーデー)

《HH》

 提供:フィスコ

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