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【特集】極東貿易 Research Memo(1):新中期経営計画をテコに、NEXTステージへ進歩的飛躍を目指す

極東貿易 <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

極東貿易<8093>は、グループ企業の力を結集して、技術提案、導入・据付、運用・保守まで一貫した技術サポートができるエンジニアリング商社である。取扱商材は基幹産業関連(製鉄所向け製造装置、石油掘削装置など)、電子・制御システム関連(計装制御システム、地震計、航空機用機材など)、産業素材関連(樹脂・塗料、炭素繊維・関連素材、食肉加工機など)、そして、機械部品関連(特注品ねじ・特注品ばね)と多岐にわたり、また、事業活動している地域は、欧米、中国・台湾・インド、東南アジア、さらに最近ではロシア、ブラジル、メキシコなど新興国に拠点を設け、日系企業などのグローバルなモノづくりを支援している。

1. 新中期経営計画「KBK※ブレイクスルー2023」推進でKBKグループの新たな企業成長基盤づくり
同社は11年前の経営危機を乗り越え、成長戦略を“オーガニックグロース”から“M&Aグロース”へギアチェンジし、受注拡大にひたすらまい進してきた。前中期経営計画(前々回「KBK2013」と前回「KBK2016」の通算6年間))でも大きな成果を上げてきた。同社は今年4月より新経営体制(岡田義也(おかだよしや)新社長就任)となり、「全体最適」、「長期的」、「社会貢献」の視点から企業をリ・デザインしようしている。2024年3月期までの5年間を“成長の壁”を「打開(ブレイクスルー)」するための期間と位置付け、NEXTステージへ進歩的飛躍を目指す。「ブレイクスルー」の一丁目一番地は、技術と市場・顧客のシナジーを重視した「あるべき事業ポートフォリオ」の構築だ。同社では川上(素材)、川中(電子部品や機器)、川下(サービス)と多様な事業展開しているが、例えば、次世代自動車分野の価値連鎖的事業展開をすることで、新規事業の探索・事業化や新しいM&A案件の獲得が効率的・効果的に推進できる。

※KBKとは同社の略称である。


2. 新しい経営体制で新しい風を吹かせる
2019年4月より岡田義也新社長のもと、新しい企業経営がスタートしている。6年間社長を務めた三戸純一(みとじゅんいち)氏は取締役会長に就任し、新しいコーポレートガバナンス体制のもと、業務執行は岡田社長、コーポレートガバナンスと社外業務対応は三戸会長の役割となる。

岡田新社長の経歴は、重電設備や環境機器の設計者で、その後ドイツ現地法人(KBK Europe GmbH)総支配人を務め、産業・資源グループ長など事業部門を統轄、さらに、経営ボードメンバー(常務執行役員)となり、今回の新中期経営計画(KBKブレイクスルー2023)のまとめ役となった。

性格・気質は明朗快活、好奇心旺盛。エンジニア出身でもあり理論肌で、リスクを伴う案件もリスク調査・分析(発生確率と影響度合い)で納得した上で意思決定する経営者のようだ。また、座右の名は「巧遅拙速※」であり、社員に対しては“60点でもいいから、まずトライして検証する”よう指示している。同社の社風はどちらかと言うと、“じっくりと時間をかけて,色々突き詰めてから行動に起こす”ことが多く、これまでビジネス競争で遅れを取るケースもあったようで、今後、岡田新社長のリーダーシップで、同社に新風を巻き起こすことが期待されている。

※孫子兵法の1つで、「巧遅は拙速に如かず」からきており、“上手で遅いより、下手でも早いほうが良い”の意味。


3. 更なる飛躍と成長のためには、多様性重視のグローバル&グループ経営と経営幹部人材の育成及びリスクマネジメントがキーとなる
「組織は戦略に従う」という有名な言葉がある。同社では短期間でのM&Aグロースで成長型事業ポートフォリオへ組み替えてきたが、今まさしく「新しい組織とマネジメント」と「人材強化」、そして、「リスクマネジメント」が求められている。現在、子会社21社、関連会社14社まで拡がっているが、重要子会社には同社から優秀な人材を社長や経営幹部として派遣して、KBKグループ経営を共有化し事業活動をグリップしている。さらにグループ企業間での人材ローテーションも推進中である。

今後の課題としては、M&Aで形成された異質な企業グループをいかにマネジメントするか、今注目を浴びている「ダイバーシティ・マネジメント」の導入や不足感のある経営幹部人材の獲得と育成が挙げられる。

そして、今回のチャイナリスク2019や新規事業の受注先送りリスクは想定外と認識していたようであるが、計画段階でリスクを予測して、リスク回避や迂回対策を事業計画段階で組み入れることがリスク被害を最小限にとどめ、企業価値維持・増大に寄与する。特に、新規事業分野や新地域でのビジネスではリスクマネジメントの導入・定着化を課題として付け加えておく。

■Key Points
・新中期経営計画「KBKブレイクスルー2023」推進でKBKグループの新しい企業成長基盤づくり
・経営体制刷新で新しい風を吹かせる
・多様性重視の「グローバル&グループ経営」と「経営幹部人材の育成」及び「リスクマネジメント」がキー

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)

《MH》

 提供:フィスコ

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