【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):SUMCO、アドテスト、ニトリHD
SUMCO <日足> 「株探」多機能チャートより
日精エー・エス・ビー機械<6284>がマドを開けて急騰、一気に底値離脱の動きを強めてきた。全体相場が足もとリスクオンに傾くなか、株価が大底圏にあり、売り物が枯れている同社株に短期資金が目をつけた。市場では「インド関連の切り口に加えて、プラスチックごみ問題がテーマ視されるなか、リサイクル素材を使ったペットボトルの強度を高める新技術などが改めて注目されているようだ」(準大手証券アナリスト)としている。
■ライク <2462> 1,777円 +98 円 (+5.8%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
ライク<2462>が4連騰。岩井コスモ証券が23日付で投資判断「A」を継続し、目標株価を1200円から1850円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、人材・保育・介護の国策3本柱で中期的な成長が期待できることに加えて、障害者の就労支援や外国人材の活用など社会的ニーズの高い事業も展開している点を評価。20年5月期は、経常利益40億円(前期比6.6%増)を見込むが、子育て支援サービスで開設時の設備補助金や運営補助金の加算部分を保守的に見積もっていることなどから、業績上振れの期待も大きいとしている。
■SUMCO <3436> 1,478円 +64 円 (+4.5%) 本日終値
SUMCO<3436>が大幅高。ここ、半導体メモリー市況の回復が早まるとの見方が強まり、半導体製造装置メーカーなどをはじめ関連銘柄に追い風となっている。そのなか、同社はシリコンウエハーの世界シェアで信越化学工業<4063>と双璧にあり、半導体生産が回復することで商機が高まるとの思惑が買いを後押ししている。300ミリウエハーは生産能力の増強を行い、既に下期の需要回復局面をにらんだ準備を完了させている。
■アドバンテスト <6857> 3,460円 +130 円 (+3.9%) 本日終値
アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連株が前日に続き買い優勢の展開。米国株市場では半導体関連株に投資資金が集まっており、前日はザイリンクスやエヌビディアなどが買われ全体相場を牽引した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸、4月につけた最高値1589を再び視界に捉えてきた。これを受けて東京市場でも半導体関連セクターを注目する動きが強まっている。なお、アドバンテはきょう決算発表を迎える。
■ヨコオ <6800> 2,297円 +76 円 (+3.4%) 本日終値
ヨコオ<6800>が4日続伸。この日、車両利用者に直接鍵を受け渡したりせず、クラウドからより安全に車の鍵の開閉を制御するシステムを開発し、サービス提供を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。同システムは、MaaSへの取り組みの一環として開発したもので、従来の鍵開閉システムと異なり、車載ネットワークの標準規格であるCANにアクセスすることなく鍵を開閉するようにしたのが特徴。鍵の遠隔開閉制御は、制御サーバーから車載器にアクセスして行うが、制御サーバーと車載器が相互に認証を行うことで高い安全性を担保しているほか、同社の車載アンテナ技術を活用することで、電波の届きにくい弱電界地区でも確実な通信を可能にしている。また、CANへのアクセスを不要としているため、車両への施工容易性が向上しているという。車載器は、連携して開発を行ってきたニッポンレンタカーサービス(東京都千代田区)の「セルフレンタカー」に搭載され、7月17日からトライアル運用が始まっているとしている。
■シグマクシス <6088> 1,432円 +47 円 (+3.4%) 本日終値
シグマクシス<6088>の上値追いに弾みがついてきた。昨年5月末以来1年2カ月ぶりの1500円台も早晩視界に入りそうだ。戦略立案から開発・実行に至るまでワンストップでの対応を強みとする経営コンサルティング会社。人工知能(AI)分野にも踏み込んでおり、ドキュメント自動入力プラットフォームの「ディープシグマDPA」は大量の文書を扱う金融機関向けなどで需要開拓が期待されている。19年3月期最終利益は前の期比46%増と大幅な伸びを示したが、20年3月期も16%増の10億5000万円と2ケタ成長を続ける見通しにある。
■森六ホールディングス <4249> 2,563円 +77 円 (+3.1%) 本日終値
森六ホールディングス<4249>が大幅高。午後1時30分ごろ、傘下の森六ケミカルズが、ダイセル<4202>及び韓国ESMOマテリアルズ社と共同で、新たな熱硬化性LEDリフレクター用白色モールディング樹脂(W-EMC)を開発し、顧客へのサンプル提供を開始したと発表。今後、森六ケミカルズの国際的なマーケティングチャネルを活用して、世界的なW-EMC市場への展開を目指すとしており、これを好材料視した買いが入った。
■ニトリホールディングス <9843> 14,615円 +265 円 (+1.9%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>が3日ぶり反発。23日の取引終了後に発表した7月度(6月21日~7月20日)の国内売上高で、既存店売上高は前年同月比5.6%減と5カ月ぶりに前年実績を下回ったが、7月の成績が冴えないのは織り込み済みとの見方が強い。7月度は、自社開発マットレス「Nスリープ」をはじめとするベットルーム家具やテレビCMを放映したダイニング家具、更にキッチン用品が引続き堅調に推移したが、記録的な梅雨寒で気温の上昇が進まなかったことにより寝具・寝装品などの季節品が伸び悩んだ。なお、全店売上高は同3.0%減だった。
■日本郵船 <9101> 1,870円 +28 円 (+1.5%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>が上値追いを継続。ばら積み船市況の回復が急で海運セクターにとって追い風となっている。また、郵船など大手3社はコンテナ船事業を統合し、ONE社を設立しているが、貨物構成の最適化など合理化努力が採算性改善に寄与し、今期は損益黒字化が見込まれており、これを評価する買いも流入しているもよう。
■トヨタ自動車 <7203> 7,197円 +97 円 (+1.4%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、日産自動車<7201>など自動車株が堅調。外国為替市場で1ドル=108円台前半の推移とドル高・円安方向に振れており、これにより輸出採算悪化に対する懸念がやや後退している。両社を含め大手自動車メーカー各社は今期の想定為替レートを1ドル=110円に設定しており、実勢はまだ円高デメリットが見込まれる局面にあるが、株価的には織り込みが進んでいる。なお、日産自は読売新聞が、グループ全体で1万人規模の人員削減を計画していると伝えたが、株価的には足もと消化難という状況。
株探ニュース