【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンクG、ビジョン、エスエムエス
SBG <日足> 「株探」多機能チャートより
ソフトバンクグループ<9984>は4日続伸、6月下旬の株式分割後の高値を連日更新している。売買代金は東証1部で2位以下を大きく引き離すトップとなっている。同社は傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じシェアオフィス大手のウィーワークを運営するウィーカンパニーに出資している。前日に米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、9月にもウィーカンパニーが米国株市場に株式公開する計画にあると報じたことが、ソフトバンクグループの株高を後押しする材料となった。
■ビジョン <9416> 5,090円 +50 円 (+1.0%) 本日終値
ビジョン<9416>が反発している。午前中に、海外用Wi-Fiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」のクラウド型端末を採用したOEM提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。レンタルサービス「DMMいろいろレンタル」を運営するDMM.com(東京都港区)が、「グローバルWiFi」のOEMを採用し、海外用Wi-Fiルーターレンタル「DMM海外WiFi」をラインアップに加え提供を開始したという。
■エス・エム・エス <2175> 2,543円 +20 円 (+0.8%) 本日終値
エス・エム・エス<2175>が反発。この日の午前中、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」で、介護業界向け「カイポケM&Aサービス」の提供を開始すると発表しており、新サービスによる業績への貢献が期待されている。新サービスは、同社が保有する介護業界の国内最大級ネットワークや、カイポケで培った知見やデータを活用し、業界最安水準の手数料100万円から提供するという。既に18年11月からは一部企業に試験的に提供しており、小規模事業所間の事業譲渡などの実績が出ているとしている。
■大幸薬品 <4574> 2,212円 +9 円 (+0.4%) 本日終値
大幸薬品<4574>が高い。正午ごろ、中国江蘇総芸グループの南通総芸と、中国における衛生管理製品の事業展開でパートナー契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。今回の南通総芸社とのパートナー契約の締結により、大幸薬品では中国江蘇総芸グループの幅広い流通チャネルを通じ、中国市場における衛生管理製品の本格的な市場展開を行うという。また、南通総芸社とは販売促進などを通じた協業を通じ、事業展開の拡大を行うとしている。
■三菱UFJ <8306> 529.2円 +2 円 (+0.4%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクの戻り足が目立ってきた。米長期金利低下などを背景に収益環境の厳しさが意識され、株価は底値圏に沈んでいたが、ここにきて高配当利回りなどに着目した押し目買いが厚みを増している。足もとは、海外ヘッジファンド筋の買い戻しなども観測され、株価の戻りを助長している。ただ、信用買い残は買い長で、三菱UFJの信用倍率は直近19日現在で2.88倍。上値では戻り売り圧力が顕在化し、上げ幅は小幅にとどまっている。
■クレスコ <4674> 3,755円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
クレスコ<4674>が反発。午後1時ごろ、機械学習を利用した疾患分類の精度を向上させる手法に関する特許が米国で成立したと発表しており、これを好感した買いが入った。なお同特許は、同社が研究用として提供しているがん疾患をスクリーニングする人工知能(AI)エンジン「Minervae SCOPE」にも利用されているという。
■総合メデHD <9277> 1,695円 -87 円 (-4.9%) 本日終値 東証1部 下落率7位
総合メディカルホールディングス<9277>は大幅反落。23日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高386億3900万円、営業利益6億8800万円、純利益2億4100万円となった。同社は18年10月1日に単独株主移転により設立したため前年同期との比較はないものの、同期間の総合メディカルの連結決算との比較では、売上高9.9%増、営業利益17.3%減、純利益43.9%減となり、2ケタ営業減益となったことが嫌気されている。医業支援部門でルフト・メディカルケアのグループ化に伴う売上増があったほか、薬局部門ではM&Aを含む新規出店効果があり、売上高は実質増収を確保したが、株式譲受に伴う取得関連費用が利益を圧迫した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高1653億1300万円(前期比14.3%増)、営業利益63億6700万円(同17.6%増)、純利益36億7200万円(同13.1%増)の従来見通しを据え置いている。
■東京製鐵 <5423> 799円 -40 円 (-4.8%) 本日終値 東証1部 下落率8位
東京製鉄<5423>が4日ぶり反落。同社は23日取引終了後、20年3月期単独決算予想の修正を発表、売上高は従来計画の2100億円から2000億円(前期比3.4%減)と減額する一方、営業利益は120億円から130億円(同18.9%減)に増額した。鋼材価格の値下げに伴い売上高は見通しを引き下げたが、一方で原材料の鉄スクラップの価格低下が利益面で押し上げ材料となる。ただ、株価的にはトップラインの下方修正を嫌気する動きが優勢となった。
■タツタ電線 <5809> 493円 -22 円 (-4.3%) 本日終値 東証1部 下落率9位
タツタ電線<5809>が大幅続落。23日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を615億円から575億円(前期比0.9%減)へ、営業利益を50億円から35億5000万円(同12.7%減)へ、純利益を36億円から25億円(同14.6%減)へ下方修正し、営業増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。米中の貿易摩擦の長期化や携帯端末市場低迷などに伴い、機能性フィルムや機器用電線の販売が減少する見通しであることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高134億500万円(前年同期比8.1%減)、営業利益4億2900万円(同64.6%減)、純利益3億2000万円(同67.1%減)だった。
■キヤノンMJ <8060> 2,218円 -88 円 (-3.8%) 本日終値
キヤノンマーケティングジャパン<8060>は反落。23日の取引終了後、19年12月期通期連結業績予想について、売上高は従来予想の6220億円(前期比0.1%増)を据え置きつつ、営業利益を295億円から300億円(同3.7%増)へ、純利益を209億円から210億円(同0.8%増)へ上方修正したが、物足りないとの見方から売られたようだ。同時に発表した第2四半期累計(1~6月)連結決算は、売上高3028億5600万円(前年同期比0.8%増)、営業利益134億1800万円(同38.8%増)、純利益94億3600万円(同26.9%増)と大幅増益となっており、上期の好調を踏まえて修正したという。なお、上期はデジタル一眼レフカメラや産業機器が減少したものの、ITソリューションはWindows7の延長サポート終了に伴うビジネスパソコンの入れ替えが進んだことに加え、Office365に対応したIT支援クラウドサービス「HOME」や、ウイルス対策ソフト「ESET」を合わせて提案したことで、引き続き順調に推移した。また、中堅・中小企業においてニーズが高まっている、業務効率化のための各種ソフトウェアの出荷も好調に推移し業績拡大に貢献した。
株探ニュース