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【特集】「教育ICT関連」に新潮流、最先端技術で学力底上げを担う本命&穴株 <株探トップ特集>

文科省はICT活用の在り方や諸外国の状況を分析し、25年度までの工程表を明らかにした。これを契機に同分野でビジネス展開する銘柄群に再評価の機が熟している。

―開示された25年度までのICT工程表、国策に乗る関連銘柄にビッグウェーブ到来―

 教育ICT(情報通信技術)サービスを手掛けるチエル <3933> [JQ]が頑強な値動きだ。この日は前日までの新値追いの展開から一服商状となったが、下値は限定的で関心の高さがうかがえた。足もとで人気化したきっかけは、文部科学省が6月25日に「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」の最終まとめを発表したこと。これはICTを基盤とした先端技術や、そこから得られる教育ビッグデータを活用し、世界最先端のICT環境を目指すもので、同社のほかビジネス機会の拡大が期待される銘柄が注目されている。

●教育用パソコンは1人1台の時代に

 文科省では、2018年11月に学校教育の中核を担う教師を支え、その質を高めるツールとして先端技術を積極的に取り入れるなどとした「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて~柴山・学びの革新プラン~」を公表。これを踏まえて19年3月には「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」の中間まとめを示した。

 今回発表された最終まとめでは、誰一人取り残すことなく子供の力を最大限に引き出すための課題を整理するとともに、目指すべき次世代の学校・教育現場を提示。ICT活用の在り方や諸外国の状況を分析し、今後の方向性として25年度までの工程表を明らかにした。

 具体的には、生徒1人につき1台の教育用パソコンが利用できるようにするほか、これまで高等教育機関や研究機関の利用に限られていた学術ネットワーク「SINET(サイネット)」を全国の初等中等教育機関にも開放する。また、デジタル教科書・教材の推進、子供の端末と教師の端末及び電子黒板との連携、インターネットを利用した遠隔教育、人工知能(AI)を活用したドリル、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を使って創造性を伸ばすことなども掲げられている。

 同省の資料によると、18年3月時点の教育用パソコン1台当たりの生徒数は全国平均で5.6人にとどまり、現状では約185万台が不足していると試算。普通教室の無線LANの整備率は34.5%と、ICT活用の前提となる環境整備は不十分といえる。ただ、今後こうした課題が工程表に沿って解消されれば、教育ICTを手掛ける企業の商機が広がることになり、関連銘柄から目が離せない。

●チエルは「クロームブック」対応に注力

 こうしたなか、チエルでは学校での低価格パソコンの需要増を見据え、導入コストの削減など効率的な整備が可能な米グーグルの「クロームブック」対応のクラウド型授業支援システムの販売を開始。また、8月には急速に普及しているBYOD(個人所有の端末を学校や職場に持ち込み使用すること)環境に対応した英語4技能学習システム「CaLabo MX」を発売する予定だ。同社は更に授業のICT化を支援する取り組みを推し進めることで、22年3月期には連結売上高40億円(19年3月期実績は20億3000万円)まで拡大するとしている。

●バーチャレクスは新サービスを開発中

 バーチャレクス・ホールディングス <6193> [東証M]は6月13日に、グループのタイムインターメディアが進化計算によるAI活用モデルの新ソリューション「進化計算ダーウィン」の提供を開始すると発表。これを手掛かりに18日には年初来高値を更新した。タイムインターメディアは文教・教育ソリューションなども手掛けており、6月19~21日にかけて東京ビッグサイトで開催された「第10回 教育ITソリューションEXPO」に出展、開発中の「顔認証×教務」や「RPA×教務」などが注目を集めた。

●テクノホライゾンは新製品を相次いで発表

 7月3日に年初来高値を更新したテクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]にも注目したい。人気化した直接の要因は子会社のタイテックが経済産業省からIT導入支援事業者として認定されたことだが、子会社のエルモ社が遠隔授業の相談窓口を開設したことや教育ICTの新製品を相次いで発表したことも背景にあるもよう。同社は「教育」を重点分野のひとつとしており、今後も折に触れて物色対象となりそうだ。

●内田洋行は教育ICT分野の売り上げ伸長

 学校の備品やシステムに強みを持つ内田洋行 <8057> の株価も堅調な動きをみせている。同社が5月30日に発表した19年7月期第3四半期(18年7月21日~19年4月20日)の連結決算は、売上高が1205億4800万円(前年同期比5.4%増)で着地。営業利益は35億3600万円(同11.7%増)となり、通期計画の30億5000万円を超過したことが買い手掛かりとなっているようだ。同期間では企業向けソフトウェア販売が好調だったほか、小中高校向け教育ICT分野の売り上げが伸長したことが好業績につながった。

●日本サード、ネオス、レアジョブなどにも注目

 これ以外の関連銘柄では、教育関係のアプリ開発に注力するグループ会社を持つフュートレック <2468> [東証2]、Web試験の配信プラットフォームを提供している日本サード・パーティ <2488> [JQ]、さまざまな教育プラットフォームを展開するネオス <3627> 、次世代教育向けにeラーニングやテストの運営・受託などを手掛けるEduLab <4427> [東証M]、スクール経営総合管理パッケージ「マイクラス」などを運営するメディアシーク <4824> [東証M]、オンライン英会話大手のレアジョブ <6096> [東証M]などが注目される。

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