【市況】今週の【早わかり株式市況】 2週続伸、底堅く“閑散に売りなし”続く
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週続伸、薄商いのなかボラティリティも低下傾向だが底堅さ
2.週初は米国のメキシコへの追加関税見送りを好感し2万1000円台回復
3.その後は米株市場や中国、香港市場の動向を横目に主体性のない地合いに
4.週末は地政学リスク意識も徐々に買い優勢となりSQ値を上回っての着地
5.売買代金は2兆円割れが常態化、週末メジャーSQ絡みでも商い膨らまず
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比232円(1.11%)高の2万1116円と2週続伸となった。
今週は全体売買代金が一段と低調となるなか、前週に引き続き“閑散に売りなし”を地で行く展開となった。市場参加者不足が際立つなかも、相対的に海外投資家の売買シェアが高く、今の東京市場は国内投資家の動きがほとんど止まった状態にあることを物語っている。
10日(月)は米国のメキシコに対する追加関税見送りを受け、日経平均が約250円上昇し、5月29日以来の2万1000円台を回復。しかし、売買代金は2兆円を下回っており、高揚感の伴わない大台乗せとなった。11日(火)は続伸したが売買代金は1兆6000億円台まで落ち込んだ。12日(水)は前日の米株安や中国・上海株と香港株の下げなどを横目に戻り売りに押される展開。13日(木)も同様に主体性なく売りが優勢となり、日経平均は取引時間中に2万1000円台を下回る場面もあった。そして週末の14日(金)は、前日に米株市場でNYダウなど主要株指数が揃って反発に転じたことで市場心理は改善したものの、日本株がこれに素直に追随するかどうか、寄り前は懐疑的なムードが漂っていた。ホルムズ海峡付近でタンカー2隻が攻撃を受けたことが、地政学リスクを想起させ、案の定寄り付き直後の日経平均は前日終値を挟み売り買いが交錯。その後は徐々に買い板が厚くなり、結局84円高で大引けを迎えた。この日はメジャーSQ算出日にあたり、終値でSQ値を上回って着地したことは、来週に期待を持たせるものとなった。しかし、それよりもメジャーSQ算出で大きく売買代金が上乗せされたにも関わらず、売買代金が2兆円をかろうじて上回る水準にとどまったことは、閑散相場が極まったとの印象を与えている。
■来週のポイント
手掛かり材料に乏しいだけに、来週も底堅いながらも上値が重い展開が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では19日-20日に開催される日銀金融政策決定会合のほか、19日朝に発表される5月貿易統計や21日朝に発表される5月消費者物価指数が注目される。海外では18日-19日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や20日発表の米国1-3月経常収支に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月10日~6月14日)
【↑】 6月10日(月)―― 続伸、米株高を引き継ぎ2万1000円大台を回復
日経平均 21134.42( +249.71) 売買高11億6307万株 売買代金 1兆9516億円
【↑】 6月11日(火)―― 3日続伸、米中株高や円安でリスクオン継続
日経平均 21204.28( +69.86) 売買高10億0237万株 売買代金 1兆6720億円
【↓】 6月12日(水)―― 4日ぶり反落、アジア株安・円高で売り優勢
日経平均 21129.72( -74.56) 売買高10億5678万株 売買代金 1兆9169億円
【↓】 6月13日(木)―― 続落・一時2万1000円割れ、香港株安を嫌気
日経平均 21032.00( -97.72) 売買高11億7485万株 売買代金 1兆9028億円
【↑】 6月14日(金)―― 3日ぶり反発、米株高と円高一服で買い戻し優勢
日経平均 21116.89( +84.89) 売買高10億6848万株 売買代金 2兆0018億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、24業種が上昇
(2)国際石開帝石 <1605> など鉱業が業種別上昇率トップ
(3)王子HD <3861> などパルプ・紙、三井金 <5706> など非鉄、三菱ケミHD <4188> など化学といった素材株が続伸
(4)ソニー <6758> など電機、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株は買い戻し続く
(5)内需株は楽天 <4755> などサービス、味の素 <2802> など食品が堅調も
大和ハウス <1925> など建設、三井倉HD <9302> など倉庫・運輸は軟調
(6)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険といった金融株は総じて低調
(7)郵船 <9101> 、川崎汽 <9107> など海運業は売られた
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(13) サイバーセキュリティ ─ 動兆!サイバー防衛関連、亜空間を翔ける「究極の上値期待株」
3(3) 人工知能(AI)
4(4) JPX日経400
5(6) 脱プラスチック
※カッコは前週の順位
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