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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─ なぜ、ボラティリティがこんなに高いのか?

株式評論家 杉村富生

「なぜ、ボラティリティがこんなに高いのか?」

●全般相場はもみ合いに終始する!

 相変わらず、トランプ米大統領の言動(ツイッター)に振り回されている。それに、日米両市場ともにボラティリティ(株価変動率)が非常に高い。この背景には機関投資家の投資スタイルがある、と思う。

 すなわち、彼らは「原油売りの長期債買い」などのオルタナティブ投資を多用しているし、株式市場ではショート(売り)とロング(買い)を交互に行っている。さらに、リスク・パリティを採用、これはリスク指標に応じ、リスク資産のウエイトを調整する。

 この結果、値動きは一方通行になる。加えて、国内の機関投資家の多くが「投資対象が乏しい」と、ヘッジファンドを購入している。ヘッジファンドの売買は単純ではない。あらゆる商品、地域が複雑に絡み合っている。このため、アービトラージ(裁定取引)の影響もあって下値は限定される。

 もちろん、上値は期待できない。日経平均株価は2万~2万1500円ゾーンでのもみ合いだろう。1ドル=108円がらみの円高も痛い。マーケットでは「消費税率引き上げ延期、衆参同日選」の可能性がささやかれている。トランプ旋風は強烈だが、こちらの解散風だって気迷い感の背景にあろう。

●材料株を個別に狙う戦術が有効!

 さて、こうした状況下、6~7月相場の投資戦術は引き続き、テーマ性を有する材料株の個別物色作戦が有効だろう。なにしろ、積極的な買い手は日銀のETF、自社株買い、個人だけだ。もっとも、前述2者の買いは年間12兆円になるが……。

 いずれにせよ、全般相場(インデックス)が上値を追うのは難しい。だからこそ「森を見ず、木を見よ、木を見ず、葉っぱの裏にすがりつけ」と主張している。すなわち、シルクワーム(カイコ)作戦である。

 日本通信 <9424> が連日の大商いだ。ファンダメンタルズ的には赤字が継続、累積損66億円を抱え、とても買えないが、この銘柄には夢がある。その夢とは「金融庁FinTech実証実験ハブ」に参加、FPoS(Fintech Platform over SIM)の技術を持っていることだ。恐らく、将来的には携帯電話のサブSIMが預金通帳代わりに使われるだろう。

 電通 <4324> は1月21日に5350円の高値をつけた後、5月31日には3525円の安値まで売り込まれた。これは2014年以来の株価水準となる。低調だった第1四半期決算を嫌気したものだ。しかし、2020年12月期以降は従来の成長軌道に戻る。たしかに、足もとの業績は大口顧客の失注に加え、勤労環境の改善費用があって下ブレしている。ただ、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック大阪万博などのビッグイベントが控えている。株価は底打ち、反騰態勢が鮮明だ。ここは買い仕掛けのチャンスである。

 同様に、ロゼッタ <6182> [東証M]が出直りの動きを見せている。やはり、大きく下げた。しかし、こちらの業績は好調に推移している。

2019年6月6日 記

株探ニュース

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