【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):塩野義、NEC、ソフトバンクG
NEC <日足> 「株探」多機能チャートより
デクセリアルズ<4980>が大幅続伸。午前11時ごろ、5G通信などの高速伝送向けFPC(フレキシブルプリント基板)の製造を容易にする低誘電ボンディングシート「D5300P」シリーズを開発したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同製品は、液晶ポリマーと誘電率を下げた変性ポリイミドのいずれの基材にも使用可能な点が特徴という。なお、同製品は6月12日から中国・深センで開催される2019年世界FPC及応用材料産業大会会議内のセミナーで紹介する予定としている。
■ファンコミ <2461> 541円 +19 円 (+3.6%) 本日終値
ファンコミュニケーションズ<2461>が続伸。4日の取引終了後、4日から7日に開催される2019年度人工知能学会全国大会(JSAI)で、Web広告のクリック率(CTR)予測モデルの評価に関する研究成果を報告すると発表しており、これが好材料視された。同社では、広告主と媒体主が適切な取引をするために、機械学習に基づいて広告枠の価格づけをしていているが、発表ではこのタスクが要求することと従来的な機械学習の方法論の違いを指摘し、どうあるべきかについて論じるとしている。
■塩野義製薬 <4507> 6,160円 +204 円 (+3.4%) 本日終値
塩野義製薬<4507>が続伸。4日の取引終了後、抗インフルエンザウイルス感染症薬ゾフルーザについて、第3相臨床試験(国内予防投与試験)で主要目的を達成したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同試験の主要評価項目は、「インフルエンザウイルス感染症患者のいる家族、または共同生活者に被験薬を投与したときの投与後10日の間にインフルエンザウイルスに感染し、発熱かつ呼吸器症状を発現した被験者の割合」で、この主要評価項目がプラセボに対して有意に低い結果を示し、ゾフルーザの1回経口投与によるインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果が認められたという。これにより、ゾフルーザが1回の経口投与でインフルエンザウイルス感染症の治療だけでなく、予防でも効果を発揮することが示されたとしており、同社では今後、予防適応追加に向けて準備を進めるとしている。
■NEC <6701> 3,975円 +120 円 (+3.1%) 本日終値
NEC<6701>が大幅高で7日ぶりに反発。この日午後、楽天<4755>傘下の楽天モバイルと5Gの基地局整備で連携すると正式発表しており、これが好感された。楽天モバイルがNECを基地局装置の無線機ベンダーとして選定するとともに、世界初となる完全仮想化クラウドネイティブネットワークに対応した5GオープンvRAN(仮想化RAN)の構築を進めるという。3.7ギガヘルツ帯周波数の超多素子アンテナ(マッシブMIMOアンテナ)を搭載した小型・軽量・低消費電力な5G無線機を共同で開発。3.7ギガヘルツ帯周波数を利用した各種5Gサービスを提供するとともに、28ギガヘルツ帯周波数との組み合わせにより、利用者の需要に合わせた5Gサービスを展開するとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,579円 +281 円 (+3.0%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が6日ぶりに反発。前日のニューヨーク株式市場で、アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)など主力IT関連株が反発したことが好感された。同社は4日引け後に、傘下のWest Raptor Holdingsが持つ中国・アリババの米国預託株式7300万株を3日付で売却したと発表。これなどによって、2020年3月期第1四半期(4~6月)には約1.2兆円の税引き前利益が計上される見込みだ。なお、売却後に同社が持つアリババ株式は6億7400万株(発行済株式数に対する割合26%)となる。
■ファナック <6954> 18,800円 +545 円 (+3.0%) 本日終値
ファナック<6954>、キーエンス<6861>など設備投資関連株が急速に買い戻されている。NC装置トップメーカーのファナックやFA用センサーで断トツのシェアを持つキーエンスは中国向け売上比率が高いことで、ここ最近は米中摩擦問題が長期化の様相を呈したことで見切り売りが続いていた。しかし、両銘柄とも4月下旬につけた年初来高値から2割前後の大幅な調整を入れており、目先は前日の米株急伸を受けてリバウンド狙いの買いを呼び込んでいる。
■FFRI <3692> 4,480円 +125 円 (+2.9%) 本日終値
FFRI<3692>が異彩高、連日の年初来高値更新。IoT社会の到来や次世代通信規格5Gのインフラ整備が進む段階に入り、サイバーセキュリティーの重要性が一段と増している。特に標的型メール攻撃の件数が近年際立った伸びを示しており、ヒューリスティックエンジンによる未知のウイルスを検知する技術に長じ、標的型攻撃の防御ソフトで優位性を持つ同社の存在が注目されている。株式需給面では信用取組が売り長で日証金では逆日歩がついた状態にあり、ミニ踏み上げ相場的な様相を呈している。
■トヨタ自動車 <7203> 6,530円 +162 円 (+2.5%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が続伸。米中摩擦問題と外国為替市場でのドル安・円高を嫌気して前週後半から今週初にかけて大幅な調整を余儀なくされたが、株価が年初来安値圏に接近したことで、売り方も目先手仕舞いの動きが出て前日に下げ止まる動きをみせていた。きょうは米株市場の大幅高を受け買い戻す動きが加速した。ドル・円相場は1ドル=108円台前半の推移とひと頃の円高基調は一服している。ただ、同社の今期想定為替レートは1ドル=110円で、実勢はそれよりもかなり円高方向に振れていることで、収益デメリットに対する思惑もくすぶる。米中摩擦問題も現状は行き過ぎた不安心理の修正に過ぎず、それを見越してか一気に戻り足を強める展開には至っていない。
■夢真ホールディングス <2362> 719円 +17 円 (+2.4%) 本日終値
夢真ホールディングス<2362>が後場上げ幅を拡大。午後0時20分ごろに発表した5月度の月次稼働人数速報で、建設技術者派遣事業とエンジニア派遣事業を合わせたグループ稼働人数が8120人となり、前年同月に比べて27.9%増となったことが好感された。建設技術者派遣事業では着工を迎える現場が多い時期であることや、エンジニア派遣事業では、採用活動を加速させていることから稼働人数が堅調に推移した。なお、グループ稼働人数の6000人から7000人の純増には10カ月かかったが、今回は18年9月から8カ月で稼働人数が1000人純増し8000人突破となっている。
株探ニュース