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【材料】【実況!決算説明会】マイネット<3928>---2019年12月期第1四半期決算(3/5)

マイネット <日足> 「株探」多機能チャートより

このコンテンツは、マイネット<3928>の2019年12月期第1四半期(2019年1-3月期)の決算説明会の音声を文字に起こしたものです。なお、実際の説明会で使用された資料は、同社のウェブサイトをご覧下さい。5本に分けたコンテンツの3本目です。


営業利益の増減分析です。今回3本のエンディングがありました。そのため既存タイトルの売上がグーッと下がっています。コストはなぜ下がらないのと問われそうですが、タイトルのエンディングがあると、エンディング日から2ヶ月間ぐらい、返金対応など残りのコストがまだかかる期間があります。そのため、売上がなくなった後に2ヶ月ほどコストがかかる時差があります。また仕入タイトルについても、ドールズオーダーがかなり意欲的なアクションを取りましたので、売上の増分よりもコスト増分の方が大きくなっております。その他、先ほど既述の投資の部分というのがあり、全体としてはマイナス1.6億円となっています。

全体として見ますと、ちょうど1年前が不正アクセスインシデントの影響を受けた決算でしたので、かなり圧縮された値になっていました。その圧縮状態と比べると売上高で2割増になっていますが、こことの対比はそこまで本質的ではないととらえていただいたほうがいいと思います。我々がしっかりと計画した値に着地にしたということをご覧いただければと思います。

コストの部分です。今回はさほど大幅な動きはありません。人件費・採用費のところ、少し先ほどの投資の部分に充てる人材の採用や、一部賞与などがあって膨らんでいますが、おおよそ通常どおりの比率となっています。

BS、こちらも安全な状況です。現金は35億円。自己資本比率は46.2%という状態です。基本的にはEBITDAで現金を積み増していく動き方にしていますので、この構造についてはさほど急に変わらないのが現在の状態です。

投資回収に関して、それぞれの進捗があります。14年・15年・16年分についてはすでに回収をした上で、投資回収後のキャッシュを生んでいる状況です。そしてもう一つ、18年分については、狙ったとおり、ないしはその目安以上の値をつくれているという現状です。ただ、17年についてかなり痛みを伴っています。もうすでに17年の2Qで減損したタイトルが加わっています。

不正アクセスインシデントを受けたクルーズタイトル、こちらもまだまだ残っていますので、最終的にはしっかり投資回収まで持っていこうとしておりますが、17年の1年間、特に16年11月に加わったクルーズの280名のメンバーたち、こちらを一つの会社としてPMIしていく時期でした。このPMIの組織のばたつきの時期の1年間に仕入れたタイトル群が、少し傷を負ったことが客観的に見て取れるかと思います。しかし、18年以降については、再び投資回収出来ている状態をつくれているということが申せます。

従業員数です。運営タイトル数に合わせて安定的に推移しています。正規非正規の比率なども適切にコントロールしながら、これまでどおり人員数が膨れ上がりすぎないようにしています。ただし2Qは、新卒入社している16名や、Northスタジオという、この5年間提携関係で事業を営んでいたINDETAIL社のゲームサービス事業の42名を加えているなどもありまして、大幅増員を見通しています。もちろん人数が増える分の1人当たり活動分の利益というのは、見通してやっているものですのでご安心いただければと思います。

事業戦略と進捗です。
ここからは、マイネットのゲームサービス業の構造についての話とその進捗になります。まずゲームサービスの事業構造を7ステップ構造と呼んでおります。サービス運営に特化した事業構造です。多くのゲームメーカーさんは開発をしてその後、運営します。大きく言うと2フェーズです。
当社の場合、7つの区分でマネジメントをして、この業態を作っています。仕入、移管などの期間も今回明記しています。その上で当社が掲げる10年空間にするための再設計をしています。多くのゲームメーカーさんの開発タイトルは、およそ2年間ぐらいで終わってしまうことを想定して作られることが多いです。我々は1本1本のゲームタイトルがユーザーさんにとって大切な居場所として、長く愛されるものになるために、10年空間たる状態になるための再設計を実施します。その後当社の強みであるPARADE商品やAI・RPAの導入、さらにAI・RPAによって機械に仕事を任した後にできた人の時間をより未来のグロースに対して充てていく、グロースチーム方式。これらのアクションによってバリューアップします。そして安定化した後に、地方拠点を中心にして長期運営のフェーズに入ります。このフェーズにおいてしっかり10年空間を実現するということを目指してやっていきます。このように7つのステップを刻んでやっています。

もう一つ構造図がございます。こちら成長ループと当社では呼んでいます。当社はタイトルの仕入をどんどんとやっていきます。月2本ペースを目指していくということを前回申し上げておりましたが、今着々とその体制が進んでいます。
まず、この運営タイトル数の増加があります。タイトル数が増えれば増えるほど、現在ある37タイトル分のユーザー行動のデータフロー、世にいうビックデータをずっと取得できます。この取得できるデータたちを活用して新たなフレームワークを導き出したり新たなノウハウを築き上げたりしていきます。そしてタイトル数が増えれば増えるほどデータネットワークを蓄積して武器を生成します。当社ではPARADE商品と呼んでいるものです。その武器であるPARADE商品をタイトルに適用します。適用するとタイトルの収益力は向上します。タイトルの収益力が向上すると、当然、自社の体質が良くなるので、タイトルを買い取ったときに、メーカーさんがやり続けるよりも、マイネットが運営した方が、収益性が高い状態をつくれます。そうなるとタイトルを高値で買い取るということができるようになるわけです。もちろん、当社の中で基準値がありますがその基準の中における高値です。タイトルの買値をアップすると当然交渉力が高まり仕入交渉を行いやすくなってタイトル数が増加します。このタイトル数の増加、武器の強化、収益力向上、買値アップ、このループをグルグルグルグルとまわし続けることによって、業態としてしっかりとこの産業の中でなくてはならない、メーカーさんがゲームを作り終えたらマイネットという構造にしていくということを目指して進んでいる状況です。

これを進めていくことで、我々が目指している数値目標としては100タイトルです。100タイトルを10年空間にすること、100タイトル100チーム10年空間。ゲームタイトルをコンスタントに仕入れて100タイトルを運営する、そして現在も相互送客のネットワークなどを形成していますが、これを一つの経済圏として成立させるということをビジョンとして目指しています。まず皆様に見えるものとしては100タイトル分が積み上がるというところでとらえてください。
そして100チーム。マイネットはアメーバ経営というものを推進しています。1タイトルのチームがある種のスモールカンパニーとして成立する存在になるというものです。この100のスモールカンパニーが自立経営を行っていく形で100チームのそれぞれの自立的な努力、自立的なデータに基づく意思決定で100タイトルを長期利益化していきます。そして、目指すものは1タイトルごとが長期的に利益を生み出せるような、10年空間、10年間続いていくコミュニティ空間としていくということを目指していく。それによって利益が長期に生まれる事業が着実に積み上がり続けるという構図になります。そして、積み上がりきったその100タイトルの間でユーザーさんが回遊し、資産が移転し、ユーザーさんが外に逃げない、一つの経済圏を作っていくということを目指して努力をしています。

PARADE商品たちが現在も20数点あって、日夜新たな社内商品を開発しながら、タイトルのバリューアップを進めていますが、この商品を注入したことによる貢献利益というのを今回可視化いたしました。売上をアップするための商品たちとコストを圧縮するための商品たちがあります。グロスアップの例としては「デッキ分析」という機械学習を活用して、狙った値どおりの売上をつくれるような商材があります。また、送集客、ASOなど当社の中で多数タイトルがあるからこそ培われたノウハウがあります。くわえてIPコラボレーション、こちらも37タイトル分集約することによってローコスト且つ成果の高いIPコラボを実現しています。また、コストダウンに関してはイラストアセットです。現在12万点を超えるイラストのアセットが当社にはありますが、この12万点のキャラクターが37タイトルすべてに動いて回れるわけですね。普通だったら一体当たり約15万円の制作コストがかかるものを当社の12万キャラクターたちが縦横無尽に37タイトルに登場してくれて、しかもノーコストです。この部分は集約効果として強く利益を生み出しています。また10年空間を作っていくためのKPIをコントロールするためのダッシュボードがあります。これらのグロスアップとコストダウン、両方の成果で、四半期で1.4億円分の貢献利益を生み出せています。これからさらにここの部分を高めていくということを目指します。そうなることによって、他社のタイトルをこのPARADEの商品群、言い換えますと他社のゲームをPARADEのプラットフォームの上に乗っけると利益が出るという構造をよりさらに強化していくということを目指してまいります。この辺りはぜひ今後も着目いただければと思います。

(4/5)に続く

《FA》

 提供:フィスコ

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