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【特集】倉持宏朗氏【10連休に向け錯綜する思惑、日経平均は上か下か】(2) <相場観特集>

倉持宏朗氏(サクソバンク証券 チーフマーケットアナリスト)

―前週の反動で目先利益確定売りも下値では買いニーズ―

 週明け8日の東京市場は前週末の強い地合いを引き継ぎ、朝方は日経平均株価が高く始まったものの、その後は利益確定売りに値を消しマイナス圏に沈んだ。しかし、下値では押し目買いの動きが観測され、弱気ムードが台頭しているような印象も受けない。世界景気の減速懸念と株式市場はどう向き合っていくのか、また10連休に向けて市場心理はどのように変遷していくのか、現時点では読み切れない部分が多い。4月から5月にかけての相場展望と物色の方向性などについて先読みに定評のある市場関係者3人に意見を聞いた。

●「2万2000円を固める展開、緩やかな上昇基調へ突入も」


倉持宏朗氏(サクソバンク証券 チーフマーケットアナリスト)

 今後1ヵ月程度の日経平均株価は、2万2000円台を固める展開を予想する。足もとでは、地銀など金融法人による利益確定売りもあり、200日移動平均線(2万1910円前後)を意識する状況となっているが、先行き、この水準を上回る展開が見込めるとみている。日経平均株価のレンジは下値が2万1250円程度、上値は2万2300円程度で、緩やかな上昇基調が予想される。

 今月中旬からの米国企業や下旬からの日本企業の決算発表などが注目される。米国株に関しては、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が足もとで最高値を更新するなか、半導体関連株などを含め、米国企業決算は堅調な内容が期待できる。

 また、米中貿易協議では、米国が中国に対して歩み寄る姿勢も見え始めており、懸念は後退している。今後、NYダウが最高値を更新するようなら、全体相場も新たな展開が期待できる。

 ドル円は1ドル=111円50銭~112円50銭前後を中心とするドル高基調を想定する。英国の欧州連合(EU)離脱に向けた迷走が続くなど懸念材料は残るものの、ドル円がリスクオン相場に向かえば、株式市場にも資金が向かう展開が見込めるだろう。

 ただ、ゴールデンウィークの10連休中に、正月休み中の為替相場で円が急上昇したような、相場が急変動するようなことが起こらないかどうかは警戒ポイントだ。

 こうしたなか、株式市場では金利が上昇なら大手銀行など金融株、円安が進行するようなら輸出関連のハイテク株が買われる展開が予想される。

(聞き手・岡里英幸)

 <プロフィール>(くらもち・ひろあき)

 東海東京証券(エクイティ部長・株式業務統括)、ベアー・スターンズ証券(株式営業部長・マネージングディレクター)、クレディ・リヨネ証券(グローバルエクイティーズ営業本部長・マネージングディレクター)など欧米投資銀行などで、国内外機関投資家及び国内外ヘッジファンド向けセールス及びセールストレーダーとして携わる。マーケットアナリストとしても国内外の主要メディアで取り上げられる。

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