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【特集】働き方改革で世界が変わる、建設&運輸業界のゲームチェンジャー銘柄を買え <株探トップ特集>

4月1日から施行された働き方改革関連法で、過重労働の解消が企業にとっても喫緊の課題となっている。独自のノウハウや技術を駆使してこのテーマに取り組む銘柄群にマーケットの関心が高まっている。

―構造的な人手不足、労働人口減少で求められる業務効率化・省力化で浮上する株とは―

 働き方改革関連法が1日に施行された。柱となるのは、時間外労働の上限規制(中小企業は2020年4月1日から)、年次有給休暇の確実な取得、正社員と非正規社員との間の不合理な待遇差の禁止(大企業は20年4月1日から、中小企業は21年4月1日から)だ。 人手不足感の強いトラックドライバーなどの自動車運転業務や建設業の時間外労働上限規制は5年間の猶予が設けられているが、少子高齢化で中長期的に労働人口の減少は避けられず、業務の省力化・効率化への投資は一段と加速することが見込まれる。

●注目の「アイ・コンストラクション」とは?

 厚生労働省が発表した2月の新規求人は前年同月と比べて2.1%増となり、産業別では建設業が同5.8%増と深刻な人手不足が続いている。そこで注目したいのが、国土交通省の情報通信技術(ICT)を活用した建設現場向け生産性向上策「i-Construction(アイ・コンストラクション)」だ。同省は3Dマシンコントロールなどを使った情報化施工や、構造物の3次元モデルを使って設計・施工を行う「CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)」、ドローンロボットを使った構造物の点検・補修などを推進することで、25年までに建設現場の生産性2割向上を目指している。

●シーティーエスは建設ICTの売り上げ拡大

 こうしたなか、アイ・コンストラクションを追い風に、建設ICT関連の売り上げを拡大させているのがシーティーエス <4345> だ。19年3月期第3四半期累計(18年4-12月)の同関連の売上高は約52億3200万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は約10億4700万円(同7.3%増)で、新規顧客開拓を積極的に進めたことなどが寄与。21年3月期を最終年度とする中期経営計画では、独自商品・サービスの強化及びシェア拡大を掲げている。

 福井コンピュータホールディングス <9790> は、アイ・コンストラクションによって急速に変化する3次元化への対応需要が追い風となっている。測量土木CAD事業の19年3月期第3四半期累計(18年4-12月)の売上高は約42億8300万円(前年同期比7.5%増)、営業利益は18億100万円(同7.2%増)となっており、新規及びシステムチェンジ、点群処理システムの需要が拡大した。

●エコモットの画像解析が技術シーズとして採択

 このほかでは、エッジAIカメラ「MRM-900」を用いたリアルタイム画像解析技術がアイ・コンストラクションに対応する技術シーズとして採択されたエコモット <3987> [東証M]、建物の3次元モデル技術「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)」を中心とした各種ソリューションの受注が好調な応用技術 <4356> [JQ]、構造設計支援AIシステムなどで竹中工務店(大阪市)と協力しているHEROZ <4382> [東証M]、測量機器や3次元計測といったスマートインフラ事業に強みを持つトプコン <7732> 、日本マイクロソフト(東京都港区)などとドローン AI技術を応用した建築物メンテナンスサービスの開発で協業している日本システムウエア <9739> などにも注目したい。

●「物流クライシス」を乗り越える秘策とは?

 人手不足が常態化している業種では、「物流クライシス」が叫ばれて久しい運輸業界の対策も急がれている。トラックドライバーや作業員が十分に確保できないため現場が疲弊し、事業所によっては現状のサービス水準を維持することが困難な状況だ。運輸業・郵便業の新規求人は2月こそ前年同月比0.9%増とやや落ち着きがみられたものの、1月は同7.0%増と高水準で、政府は課題解決に向けた各種取り組みを支援している。

●豊田通商は後続車無人システムを公道実証

 そのひとつが、国土交通省主導で進めているダブル連結トラックで、これは1台で大型トラック約2台分の輸送力を実現するもの。3月下旬から日本郵政 <6178> 傘下の日本郵便、日本通運 <9062> 、ヤマトホールディングス <9064> 傘下のヤマト運輸、セイノーホールディングス <9076> 傘下の西濃運輸による共同運行がスタートしており、運転時間の大幅な削減効果が見込まれている。

 また、豊田通商 <8015> は経済産業省から「高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」を16年度から18年度まで受託し、トラック隊列走行に関する研究開発などを推進。この一環として、今年1月下旬から2月末にかけて新東名高速道路で、国内初となる後続車無人システム(後続車有人状態)のトラック隊列走行の公道実証を行い、日本工営 <1954> や日野自動車 <7205> 、いすゞ自動車 <7202> などが参加した。

●自動配送ロボ関連のアイサンテクノにも注目

 これ以外では、物流センターなどの配送拠点から消費者に商品を受け渡すまでの区間を指す「ラストワンマイル」での省力化につながる自動配送ロボットへの関心も高まっている。ディー・エヌ・エー <2432> とヤマト運輸は18年に神奈川県で自動運転車両を使った配送実験を行ったほか、今年1月にはローソン <2651> がZMP(東京都文京区)や慶応義塾大学と組んでコンビニ商品の無人配送サービスの実証実験を実施した。

 2月には楽天 <4755> が中国インターネット通販大手の京東集団と日本国内の無人配送ソリューション構築に向けた連携で合意。3月には日本郵便が 自動運転車による郵便物などの輸送実験を行い、アイサンテクノロジー <4667> [JQ]が技術協力したことが明らかとなっている。

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