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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):アンリツ、三井不、富士フイルム

アンリツ <日足> 「株探」多機能チャートより
■アンリツ <6754>  2,247円  +45 円 (+2.0%)  本日終値
 アンリツ<6754>が3日ぶり反発に転じたほか、アイレックス<6944>も高値圏で売り物を吸収して買い優勢となるなど5G関連の一角が強い。25日にスペインで開幕した「MWC19バルセロナ」ではスマホメーカー各社や通信各社が、相次いで次世代通信規格5G環境に合わせた製品やサービスを発表している。高速かつ大容量で、多端末同時接続で強みを持つ5Gは、世界が競ってインフラを前倒しで進める状況にあり、東京株式市場でもワールドワイドな投資テーマとして人気化している。そのなか、通信計測器トップのアンリツは、早くから5G時代を見据えた経営戦略を進めており、関連株の筆頭として注目度が高かったが、1月30日に5G関連の売り上げが会社側想定を上回っていることを理由に19年3月期の業績予想を上方修正しており、一気に株価水準を切り上げる展開となった。また、システム開発を手掛けるアイレックスは、通信コア技術に強くNECグループ向けで高い実績を持つことで5Gに絡む収益機会の拡大が期待されている。

■三井不動産 <8801>  2,696円  +45.5 円 (+1.7%)  本日終値
 三井不動産<8801>は3日続伸、1月中旬に25日移動平均線を上回って以降、同移動平均線をサポートラインに強調展開を続け、足もとは上値指向が強い。不動産業界では三菱地所<8802>と双璧で、都市再開発案件の増加で恩恵を受けている。マンション販売は利益率が想定を上回っており、19年3月期業績は営業利益段階で会社側計画の2500億円から上振れる可能性が指摘されている。20年3月期についても大型タワーマンションの竣工などが寄与するほか、今期は踊り場にあった賃貸部門も大幅な伸びが見込まれ、2ケタの利益成長が視野に入る。

■カナデン <8081>  1,300円  +19 円 (+1.5%)  本日終値
 26日、カナデン <8081> が発行済み株式数(自社株を除く)の4.00%にあたる118万6000株(金額で16億6000万円)を上限に、2月27日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■富士フイルム <4901>  5,050円  +67 円 (+1.3%)  本日終値
 富士フイルムホールディングス<4901>は反発。東海東京調査センターは26日、同社株の目標株価を6000円に引き上げた。レーティングは「アウトパフォーム」を継続した。半導体やディスプレー業界の減速によるマテリアルズ事業の収益性低下が懸念されるが、富士ゼロックスの構造改革効果を考慮した。同証券では19年3月期の連結営業利益を前の期比58%増の1950億円(会社計画2000億円)、20年3月期は2000億円、21年3月期は2050億円と予想している。

■スクエニHD <9684>  3,335円  +40 円 (+1.2%)  本日終値
 スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>とアカツキ<3932>はしっかり。両社が共同開発し昨年12月に配信をスタートした「ロマンシング サガ リ・ユニバース」がiOS(アップル機対応ソフト)のダウンロードおよびセールスランキング上位に浮上している。22日に初の全国TVCMを放映したことにより、23日にダウンロードランキングが8位に浮上(前日24位)。また、同時に行われた「TVCM放映記念10大キャンペーン」によりセールスランキングも23日に7位に浮上(前日71位)、 その後もトップ20をキープしている。「ロマンシング サガ リ・ユニバース」は、「ロマンシング サガ 3」から300年後の世界を舞台とするロールプレイングゲームであり注目度も高い。

■カプコン <9697>  2,205円  +16 円 (+0.7%)  本日終値
 カプコン<9697>は反発。この日、今年1月25日に発売した「バイオハザード」シリーズの最新作である「バイオハザードRE:2」が全世界で400万本を出荷したと発表しており、これが好材料視された。「バイオハザードRE:2」は、シリーズ歴代4位の累計販売本数496万本を記録した「バイオハザード2」を、最新の開発環境を駆使し現世代機向けに一から再構築したプレイステーション4、Xbox Oneおよびパソコン向けゲーム。同社の最新ゲームエンジン「RE ENGINE」による高精細でフォトリアルなグラフィックをはじめとする視覚効果に加え、7.1.4chに対応したドルビーアトモスやバイノーラル技術を駆使したリアルタイムの音像変化など聴覚からのアプローチにより、プレイヤーに新たな恐怖体験を提供するのが特徴となっている。

■日本郵船 <9101>  1,783円  +4 円 (+0.2%)  本日終値
 日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手海運株が揃って高い。米中貿易協議への進展期待から足もとは中国景気減速に対する警戒感もやや後退している。また、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は2月11日に600を下回るなど下落基調が続いていたが、ここにきて底入れの動きをみせている。26日時点で4日続伸し水準を649まで戻していることから、同指数と株価連動性の高い海運株にも追い風となっている。

■アンジェス <4563>  1,130円  -60 円 (-5.0%)  本日終値
 アンジェス<4563>が大幅安。重症虚血肢を対象としたHGF遺伝子治療薬「コラテジェン」が今月20日に厚生労働省の承認を受け、今年5月にも国内で初めて上市される見通しとなったことを材料に、株価は連日ストップ高を演じる急騰をみせた。3日連続で値幅制限いっぱいに買われた後、前日も売買代金も全上場企業でトップとなる人気となり、取引時間中にストップ高目前まで上値を伸ばす場面があった。前日引け後には昨年10月に発行した新株予約権の大量行使も発表した。ただ、足もとは短期急騰による反動安も意識され、きょうは、目先筋の利益確定の売りが顕在化している。

■トヨタ自動車 <7203>  6,780円  -15 円 (-0.2%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が3日ぶりに弱含む展開、6700円手前で収れんする25日・75日移動平均線にサヤ寄せする形で株価は軟化傾向にある。パウエルFRB議長の米上院銀行委員会での議会証言が注目されていたが、想定通り当面は利上げを見送る姿勢を示した。これを受けて米10年債利回りは26日終値ベースで2.63%台に反落しており、外国為替市場ではドル売りを誘発。足もとドル・円相場は1ドル=110円台半ばまで円高方向に傾いており、為替感応度の高い同社株は輸出採算改善期待が後退したことを背景に、見送り要因となっている。

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