【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):アンジェス、参天薬、楽天
アンジェス <日足> 「株探」多機能チャートより
アンジェス<4563>がストップ高。同社は大阪大学発のバイオベンチャーで遺伝子治療薬の開発を進めている。そのなか、市場で注目されていた同社開発の重症虚血肢治療薬「コラテジェン」が20日、厚生労働省の専門家会議で承認され、今年5月にも国内で初めて登場する見通しとなった。これを材料視する買いが集中した。
■ユーグレナ <2931> 755円 +100 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
ユーグレナ<2931>がストップ高。同社はミドリムシ栽培を手掛け、機能性食品や化粧品を販売、バイオジェット燃料の開発も行っている。20日取引終了後、同社とデンソー<6902>が微細藻類を活用した事業開発で包括的提携を発表、これを手掛かり材料に投資資金が集中する形となった。株価は前日に中長期トレンドの分水嶺である75日移動平均線を陽線で上に抜けたが、きょうは一気に上げ足を加速させた。
■参天製薬 <4536> 1,648円 +79 円 (+5.0%) 本日終値
20日、参天製薬 <4536> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.0%にあたる814万4000株(金額で140億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月21日から3月22日まで。また、今回取得した自社株は消却を予定している。
■楽天 <4755> 838円 +38 円 (+4.8%) 本日終値
楽天<4755>が大幅高。市場では「同社が出資する米ライドシェア大手のリフトがナスダック上場を計画していると米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことで、その含み益拡大を期待する買いが入った。日本はそれほどでもないが、米国ではライドシェアは活発で、(リフトの株価も)人気化する可能性が高い」(準大手証券ストラテジスト)という。また、楽天はKDDI<9433>と連携して次世代通信規格の5G分野にも積極的に踏み込む構えで、これも株価の上値思惑につながっている」(同)としている。
■ソラスト <6197> 1,164円 +52 円 (+4.7%) 本日終値
ソラスト<6197>が3日ぶりに反発。20日の取引終了後に発表した1月度の介護サービス利用状況で、訪問介護サービス利用者数が7121人(前年同月比3.9%増)、デイサービス利用者数が7784人(同0.5%増)となり、増加基調の継続を好材料視した買いが入った。また、施設系サービスの入居者数は2588人(同69.3%増)となり、入居率は95.6%と引き続き高水準で推移している。
■アカツキ <3932> 5,950円 +260 円 (+4.6%) 本日終値
アカツキ<3932>は4日続伸。同社はスマホ向けゲームの開発・運営を行なっており、主力タイトルは「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」。また、2018年12月に「ロマンシング サガ リ・ユ ニバース、(以下ロマサガ)」の配信を開始している。特にロマサガは、10~12月期において、1カ月に満たない販売期間にも関わらず大きな収益貢献を果たした。18年10~12月期売上高は前年同期比12%増の64億2200万円と2ケタ増収、営業利益も同5%増の30億100万円と増益を確保している。18年10~12月期決算ではスマホゲーム大手各社総じてゲーム事業が振るわなかったなか、改めて同社の好業績を評価する動きがあるようだ。水戸証券では20日付で、同社の株価レーティングを「B+」、目標株価6600円でカバレッジを開始した。19年3月期営業利益について前期比14%増の120億円と予想している(19年3月期業績について会社側は開示していない)。
■オハラ <5218> 1,812円 +70 円 (+4.0%) 本日終値
オハラ<5218>が3日ぶりに反発。20日の取引終了後、同社の極低膨張ガラスセラミックス「クリアセラム-Z」が、国内最大となる京都大学3.8メートル望遠鏡(愛称「せいめい」)に採用されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「せいめい」は、岡山天文台(岡山県浅口市)に設置され、国内最大となる口径3.8メートルの主鏡を有する光学赤外線望遠鏡。これまで東アジア地区には口径2.5メートル以上の光学赤外線望遠鏡が存在せず、この地域で突発的に発生した天体現象の詳細観測データは取得できていなかったが、「せいめい」にはこれらの観測を通じて、特にブラックホール発生の際に起きると予想されている、ガンマ線バーストと呼ばれる爆発現象の解明が期待されているという。なお、「クリアセラム-Z」は主鏡のほか、2次鏡及び3次鏡の全てに採用されている。
■三菱ロジスネクスト <7105> 1,426円 +54 円 (+3.9%) 本日終値
三菱ロジスネクスト<7105>が反発。20日の取引終了後、同社が70%を出資する安徽合叉叉車の出資持ち分の全てを合弁相手である安徽徳福投資に譲渡すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。会社側によると、安徽合叉叉車は、中国においてバリューセグメント市場向けにフォークリフトの製造販売事業を行っていたが、中国においてはプレミアムセグメント市場に経営資源を集中し、経営効率を高めることが総合的な企業価値の向上に資すると判断したため、今回の持ち分譲渡に至ったという。なお、譲渡価額は非開示で、業績への影響は現在策定中としている。
■コマツ <6301> 2,836.5円 +103.5 円 (+3.8%) 本日終値
コマツ<6301>、日立建機<6305>がいずれも上昇。米中貿易交渉への進展期待から世界株市場はリスクオンの流れにある。中国では政府による経済政策の効果が今後発現してくることが予想され、これを見込んで中国株市場では2月に入り上海総合指数が急速に水準を切り上げている。中国関連に位置付けられる両銘柄も目先海外ヘッジファンドとみられる短期筋のショートカバーを絡め、リターン・リバーサル狙いの買いが流入している。
■そーせいグループ <4565> 1,193円 +39 円 (+3.4%) 本日終値
そーせいグループ<4565>が大幅続伸。20日の取引終了後、クッシング病を含む内分泌疾患治療を対象とする新規低分子HTL0030310の自社開発において、第1相臨床試験を開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。クッシング病は、コルチゾールホルモンの過剰分泌によって引き起こされる衰弱性の内分泌障害。症状には体重増加や中心性肥満、むくんだ赤ら顔、重度の疲労感および脱力感、脈理(紫色のストレッチマーク)、高血圧、うつ病、不安などがあり、年間1000万~1500万人が発症するといわれている。今回行われる第1相臨床試験は英国で実施され、最大64例の被験者を対象に安全性、忍容性、薬物動態および薬力学を検討するという。なお、HTL0030310は、臨床試験入りした同社グループの医薬品候補薬として6番目になる。
株探ニュース