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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~想定以上の強さだが、陰線形成が目立つ点は気掛かり

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

18日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は大幅反発、想定以上の強さだが、陰線形成が目立つ点は気掛かり
・ドル・円は下値が堅い、材料難のなかユーロ・円の上昇に連動
・値上がり寄与トップは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>


■日経平均は大幅反発、想定以上の強さだが、陰線形成が目立つ点は気掛かり

日経平均は大幅反発。372.53円高の21273.16円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えた。米中政府は15日、北京で行っていた閣僚級貿易協議を終え、今週ワシントンで通商協議を再開する方針を明らかにした。米中通商協議の継続が決定したことを受けて、15日の米国市場はNYダウが443ドル高と大幅に上昇。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は21210円と21000円を再び突破してきており、これにサヤ寄せする格好から、主力大型株中心にギャップアップでのスタートとなった。21200円を回復して始まった日経平均は、その後やや上げ幅を縮める局面もみられたが、前引けにかけて強含む格好となり、一時21292.06円まで上げ幅を拡大させている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1900を超えており、全体の9割近くを占める全面高商状。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、ゴム製品、石油石炭が4%を超える上昇となったほか、証券、銀行、鉱業、非鉄金属、小売、保険の強さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、ユニファミマ<8028>、テルモ<4543>がけん引。一方で買い先行で始まったソフトバンクG<9984>は、下げに転じている。

ギャップアップでのスタート後は、こう着感が強まる相場展開が見込まれていたが、想定以上に強い動きといったところである。また、先週末の下落によって需給悪化が警戒されていた中小型株についても、マザーズ指数はしっかりである。マザーズ指数は寄り付き直後には上げ幅を縮めていたが、その後は寄り付き価格を上回って推移しており、安心感につながりやすいところである。

なお、米国市場が休場となることから海外勢のフローは限られようが、それ故に戻り待ちの売り圧力が低下しているとも捉えられる。一方で、インデックス主導の売買のため方向感は掴みづらいところであるほか、ソフトバンクGが堅調さを持続できなかった点が重石になりやすい面はある。戻り高値水準での強い動きではあるが、狭いレンジでのこう着から、次第に利益を確定させる動きに向かいやすいだろう。上昇とはいえ、高く寄り付いたことから結果的には陰線形成が目立つ状況でもあり、これも戻りを鈍くさせる一因になりそうだ。


■ドル・円は下値が堅い、材料難のなかユーロ・円の上昇に連動

18日午前の東京市場でドル・円は下値の堅い値動き。材料難のなか、ユーロ・円などクロス円が小じっかりとなり、ドル・円をけん引した。

ドル・円は、朝方の取引110円46銭を付けた後、日経平均株価の堅調地合いを手がかりにユーロ・円などクロス円は円売り方向に振れた。また、上海総合指数など中国株株のプラス圏推移も円売りを支援したようだ。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いで、目先の日本株高継続を期待した円売りに振れやすい。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の弱きな発言で利上げ休止への思惑から、ドルは積極的には買いづらいようだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円46銭から110円58銭、ユーロ・円は124円71銭から124円91銭、ユーロ・ドルは1.1289ドルから1.1297ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・ベルトラ<7048>やアイスタディ<2345>など、4銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・米S&P
「トルコの格付けは据え置き、見通しは安定的を維持」
「銀行システムの緊張のリスクが高まったと判断した場合は、格付け引き下げの可能性も」

【経済指標】

・日・12月機械受注(船舶・電力を除く民需):前月比-0.1%(予想:-1.1%、11月:0.0%)


<国内>
特になし

<海外>
・米国休場(プレジデンツデー)

《HH》

 提供:フィスコ

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