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【市況】日経平均は3日続落、東証1部の中小型株から新興市場への資金シフト継続か/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は3日続落。86.91円安の20506.81円(出来高概算約5億7221万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、29日に予定されている大統領による一般教書演説の中止(延期)を民主党が求めるなど、連邦政府機関の閉鎖で対立が続いていることが嫌気される場面があったものの、相次ぐ主要企業の好決算が好感されて引けにかけて緩やかに上昇。一方で、シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円安の20545円となり、本日の東京市場では朝方から売りが先行した。米中通商協議における新たな進展などといった材料もないなかで、上海総合指数をはじめとしたアジア株式市場の出足も鈍く、日経平均は前引けにかけて20500円前後での推移が続いた。

 東証1部の値下がり銘柄数は765銘柄となっており、全体の36%に留まった一方で、指数インパクトの大きいところではファーストリテイリング<9983>やリクルートホールディングス<6098>が、2銘柄で日経平均約61円分の押し下げ要因となった。昨日までの日銀金融政策決定会合では、前日日中に金融政策の現状維持が決定された。焦点となっていたETFの買い入れウエイト変更がなかったことから、需給面での警戒感が後退する状況となったファーストリテだが、昨日の後場にかけて見られた買い戻しの動きは本日は継続しなかったようだ。一方で、米国市場終了後に発表された決算にて、市場予想を上回る1株利益となったテキサス・インスツルメンツやザイリンクスが時間外取引で上昇するなか、東京市場でも東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>などといった半導体関連の一角に関心が向かう格好になった。

 前日の米国株式市場が上昇したのにも関わらず、本日の日経平均は一時プラスに転じる場面もあったがマイナス圏での推移が中心となっており、これは米国市場でNYダウのけん引役となった米IBMの上昇分が前日の東京市場で既に織り込まれていたものとみられる。来週から始まる国内企業の決算ラッシュを前に主力大型株に対しては利益確定の動きが出やすくなるなか、TOPIX型ETFの買い入れ比率変更に対する期待がいったん剥がれ落ちたことで、目先は東証1部の中小型株に向かっていた資金がマザーズやジャスダックなどの新興市場へとシフトしやすい地合いが続こう。
《AK》

 提供:フィスコ

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