【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):住友鉱、コマツ、トヨタ
住友鉱 <日足> 「株探」多機能チャートより
住友金属鉱山<5713>や三菱マテリアル<5711>、三井金属<5706>など非鉄株が安い。米国や中国など世界経済の景気減速懸念が高まるなか、銅などの非鉄市況は下落基調を強めている。ロンドン金属取引所(LME)で銅の3カ月先物価格は3日、前日比106ドル安の1トン5736ドルと1年半ぶりの安値圏に下落した。ニッケルやアルミ価格も下落基調となっている。非鉄株は市況下落による業績悪化懸念から、下値を探る展開にある。
■コマツ <6301> 2,288円 -77.5 円 (-3.3%) 本日終値
コマツ<6301>や日立建機<6305>、ファナック<6954>、資生堂<4911>など中国関連株が軒並み安。12月31日に中国国家統計局が発表した12月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月に比べ0.6ポイント低い49.4となった。好不況の節目となる50を2年5カ月ぶりに下回った。財新・マークイットが2日に発表した中国12月製造業PMIも49.7と50を下回っており、中国の景気後退懸念が強まった。これを受け、建機、機械、化粧品などの中国関連株に売りが膨らんだ。
■ハローズ <2742> 2,213円 -73 円 (-3.2%) 本日終値
ハローズ<2742>は続落。12月28日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3~11月)単独決算は、売上高950億9300万円(前年同期比5.6%増)、営業利益36億8300万円(同10.2%増)、純利益24億9700万円(同12.4%増)と2ケタ増益となったが、目先の材料出尽くし感が強まったようだ。兵庫県明石市に7月、西二見店及び魚住店をいずれも売り場面積600坪型24時間営業の店舗として新規出店したことに加えて、4月に広島県福山市の大門店、5月に同県府中市の府中店、7月に同県福山市の沼南店を新しいタイプの標準店舗へ大改装したことが寄与した。また、継続して重点販売商品の育成やPB商品の開発を行ったことも貢献した。なお、19年2月期通期業績予想は、売上高1272億円(前期比4.8%増)、営業利益50億5000万円(同2.8%増)、純利益33億円(同3.0%減)の従来見通しを据え置いている。
■クレハ <4023> 5,950円 -140 円 (-2.3%) 本日終値
クレハ<4023>が反落。全般相場の下落に加えて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が12月28日付で投資判断「オーバーウエート」を継続しつつ、目標株価を1万1020円から9950円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、PGA(ポリグリコール酸)樹脂の販売数量増により、収益拡大が継続すると考え、20年3月期の営業利益予想を162億円から171億円へ、21年3月期を同174億円から185億円へ上方修正した。ただ、算出根拠である化学セクター51社平均のPER低下により、目標株価は引き下げたとしている。
■トヨタ自動車 <7203> 6,346円 -60 円 (-0.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、SUBARU<7270>など自動車株が売り優勢。前日の米国株急落に伴い足もとリスク回避ムードが強まるなか、外国為替市場ではドル売り円買いの動きが加速、一時1ドル=104円台まで円高に振れた。足もとドルが買い戻されたとはいえ1ドル=107円台後半の推移となっており、輸出採算悪化への懸念が見切り売りを誘発している。なお、トヨタの19年3月期通期想定為替レートは1ドル=110円で実勢はこれより大きく円高に振れている。
■日本郵船 <9101> 1,688円 -3 円 (-0.2%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、NSユナイテッド海運<9110>など海運株が安い。米中貿易摩擦問題を背景にした中国景気の減速懸念に加え、直近は米国でも3日に発表したISM製造業景況感指数が市場コンセンサスを大きく下回る形で悪化した。世界景気への懸念が物流ニーズの減退思惑につながっており、海運セクターは向かい風に晒されている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も年明け2日は小幅反発したものの、昨年12月下旬から下落基調が強まっている。
■アイレックス <6944> 2,129円 +400 円 (+23.1%) ストップ高 本日終値
アイレックス<6944>がストップ高。NECグループを主要販売先に抱えるシステム開発会社で通信系コア技術に優位性があり、次世代通信規格「5G」関連で収益チャンスをつかむことが期待される。安全保障の問題から中国通信機器最大手ファーウェイなど中国製品排除の動きが顕在化するなか、官需に強く防衛関連の側面も持つNECグループの存在感が高まっており、つれて同社株へのマークも強まる流れにある。19年3月期経常利益は前期比2倍強の1億6000万円を予想、20年3月期も5~6割の大幅な利益の伸びが予想される。
■北興化学工業 <4992> 516円 +80 円 (+18.4%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
北興化学工業 <4992> がストップ高。12月28日、18年11月期の連結経常利益を従来予想の31億円→40.5億円に30.6%上方修正。従来の12.5%減益予想から一転して14.4%増益を見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。農薬の国内販売が減少したものの、ファインケミカル製品で好採算品へのシフトが進んだうえ、製造原価の低減や販管費の抑制も寄与し、採算が大きく改善した。海外企業からの受取配当金を計上したことも利益を押し上げた。
株探ニュース