【特集】新春相場にバトンを繋ぐ好実態株、最高益更新の超割安株に仕込み好機!<株探トップ特集>
実質新年度入りとなった東京株式市場だが、12月の暴落相場も目先落ち着きを取り戻しつつある。全般にツレ安した内容のいい株を仕込むなら今がグッドタイミングとなる。
―全体相場は売り一巡から出直り歩調、来年相場での活躍を視野に、好業績割安株に訪れたチャンスを捉えよ―
26日の東京株式市場は、日経平均株価が一時1万9000円台を割り込むなど乱高下の展開となったものの、終値は前日比171円32銭高の1万9327円06銭と6日ぶりに反発した。目先的には急落の後遺症的な波乱相場が想定されるものの、来年初にはやや落ち着きを取り戻し、徐々に自律反発の環境も整いそうだ。そこで今回は、新年相場での活躍が期待される、今期過去最高益更新予想のPER超割安銘柄に注目した。
●東海カ、鉛電極やカーボンブラック事業などでの収益拡大
東海カーボン <5301> は11月14日、18年12月期通期の連結業績予想を上方修正し、経常利益を745億円から755億円(前期比5.9倍)へ増額している。最終利益は740億円(同6.0倍)で据え置いた。黒鉛電極やカーボンブラック事業などでの収益拡大が寄与する。ただ、全体相場の反落地合いもあり、株価は10月から下げ基調となり、4月13日につけた年初来安値1295円を8ヵ月ぶりに下回ってきた。また、今期予想連結PERは3倍台と極めて低い水準となっている。
●品川リフラ、耐火物および関連製品の売上高・利益が大幅伸長
品川リフラクトリーズ <5351> は11月8日、19年3月期の連結業績予想を上方修正した。売上高を1160億円から1175億円(前期比14.4%増)へ、経常利益を86億円から102億円(同61.3%増)へ、最終利益を55億円から60億円(同75.5%増)へそれぞれ増額修正した。上期での堅調な粗鋼生産と拡販による耐火物販売数量の増加、耐火物原料価格の上昇に対応した販売価格への転嫁などを受けて、耐火物および関連製品の売上高・利益が大幅に伸長したことが寄与している。これに加えて、今後も耐火物需要堅調が見込まれることを上方修正の要因としている。
●オプトラン、光学薄膜装置の好調推移が採算向上に寄与
光学薄膜装置の製造・販売を手掛けるオプトラン <6235> は11月8日、18年12月期の連結経常利益を従来予想の82億円から112億円(前期比57.9%増)に上方修正した。旺盛な設備投資需要を背景に光学薄膜装置の販売が好調に推移するなか、生産効率の改善や原材料費の抑制が奏功し、採算が想定より上向く。
●カワタ、自動車関連のプラスチック製品製造機器が好調
プラスチック製品製造機器大手のカワタ <6292> は10月26日、19年3月期の連結業績予想について、売上高を214億円から230億円(前期比13.1%増)へ、経常利益を13億9000万円から20億円(同94.4%増)へ、最終利益を9億8000万円から14億5000万円(同59.5%増)へ上方修正した。上期に日本、東アジア、東南アジアの各セグメントで、自動車関連や電子部品関連の需要が好調であったことに加えて、売上総利益率の改善などが寄与する見通し。また、業績予想の修正に伴い、従来中間・期末各10円の年20円を予定していた配当予想を中間・期末各14円の年28円に引き上げるとあわせて発表した。
●三精テクノロ、遊戯機械部門で国内外の大型案件が順調に進捗
三精テクノロジーズ <6357> [東証2]が11月9日に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算は、売上高239億5600万円(前年同期比99.2%増)、経常利益13億8200万円(同2.1倍)、純利益8億3900万円(同2.2倍)と大幅増益だった。今年3月に完全子会社化したオランダのベコマ社の業績が寄与したほか、遊戯機械部門で国内外の大型案件が順調に進捗したことが寄与している。また、大型公共ホールの新設や大規模コンサートが堅調だった舞台設備部門も業績向上に貢献した。
●稲畑産、情報電子事業で液晶関連部品が好調
稲畑産業 <8098> は11月6日、19年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表した。売上高は3224億7400万円(前年同期比5.8%増)、経常利益は71億5400万円(同2.1倍)、最終利益は62億4700万円(同2.3倍)と大幅増益を達成した。情報電子事業では、主要な商材の販売が概ね好調で売り上げが増加した。なかでも液晶関連で、偏光板原料の販売は減少したものの、偏光板が中国で伸長した。インクジェットプリンター関連では、コンシューマー分野で新規部品の取り引きが始まり、産業用分野向けも堅調に推移し、全体として販売が伸びた。複写機関連では、国内主要顧客向けの材料が好調に推移し、太陽電池関連は、国内向け太陽電池システムの販売が伸長している。
●日本エスコン、収益不動産の販売好調で採算が上向く
日本エスコン <8892> は10日、18年12月期通期の連結業績予想の修正を発表した。売上高は550億円から539億円(前期比20.5%増)へ下方修正したものの、経常利益を102億円から104億5000万円(同74.5%増)へ、最終利益を70億円から72億円(同32.0%増)へそれぞれ上方修正した。マンションの引き渡し戸数は計画を若干下回るものの、収益不動産の販売で採算が上向くことが利益上振れの背景となった。
◆主な今期過去最高益更新予想の低PER銘柄◆
経常
銘柄 <コード> 増益率 PER 株価
NJS <2325> 2.1倍 7.9 1494
RSテクノ <3445> 80.3 11.4 2774
ネクソン <3659> 74.1 10.7 1313
王子HD <3861> 51.6 10.9 551
昭和電工 <4004> 2.6倍 4.0 3130
東海カ <5301> 5.9倍 3.5 1226
日カーボン <5302> 4.3倍 5.1 3955
トーヨーアサノ <5271> 77.0 3.7 2312
品川リフラ <5351> 61.3 5.6 3585
オプトラン <6235> 57.9 8.8 1535
カワタ <6292> 94.4 6.1 1259
キクカワ <6346> 4.3倍 5.3 5790
三精テクノロ <6357> 81.9 11.2 1646
キトー <6409> 50.4 7.2 1418
ツバキ・ナカシマ <6464> 76.6 8.6 1537
アドバンテスト <6857> 2.2倍 8.8 2091
稲畑産 <8098> 2.2倍 7.7 1318
日本エスコン <8892> 74.5 5.9 621
※株価は26日終値、単位:%、倍、円
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