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【市況】米国株式市場見通し:クリスマス休暇に突入も不安材料多く


米国株式市場は24日が午後1時までの短縮取引、25日がクリスマスの祝日で休場となることから、週を通じて閑散取引が予想される。市場参加者が少なく、アルゴリズム取引などの割合が相対的に高まる可能性があり、流動性の低下によって更に値動きの激しい展開となるリスクに注意が必要だ。FOMCでは利上げや経済の成長見通しをやや引き下げたものの、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続方針には変更がないとの見方が強く、景気後退を懸念した投資家心理の悪化が続くだろう。また、メキシコ国境の壁建設費用を含む暫定予算案が否決された場合、来年まで政府機関の閉鎖が続くと考えられる。平時であれば短期的な政府機関の閉鎖は然程大きな問題ではないが、政権運営への先行き不透明感が強まることで、投資家心理の一段の悪化要因となるだろう。他方、年明けは1日が元旦の休日となる以外は通常取引となる。2日からは多くの市場関係者も復帰し、出来高も回復してくるだろう。とはいえ、12月NY連銀製造業指数の鈍化を受け、3日に控える12月ISM製造業景況指数などの経済指標に対して、下振れを警戒する声も市場では聞かれている。4日に12月分雇用統計を控えていることもあり、一段のリスクオフムードにつながる可能性には注意が必要だ。

経済指標は今来週、12月シカゴ連銀全米活動指数(24日)、12月リッチモンド連銀製造業指数(26日)、11月新築住宅販売件数(27日)、12月消費者信頼感指数(27日)、12月ISM製造業景況指数(3日)、11月建設支出(3日)、12月分雇用統計(4日)などの発表が予想されている。11月の消費者信頼感指数は5か月ぶりの低下となり、今月も軟化するようだと米経済の成長ペース鈍化が意識されるだろう。12月雇用統計では、政府部門における雇用増が予想されるなか、失業率が11月実績と同様に低水準の状態が継続するかが注目される

2019年から11月の中間選挙の結果として、上院は共和党、下院は民主党のねじれ議会となり不確実性が強まりそうだ。ヘルスケア関連法案は両党の利害が対立する為、成立は困難と予想され、インフラ関連法案は当初の予定よりも小規模に留まるだろう。民主党は大統領選挙期間のロシアの関与などの調査を強化するほか、債務上限の引き上げと引き換えに、法人減税の一部撤廃を求めるだろう。トランプ政権としては2020年の大統領選に向けて貿易交渉で一定の成果をあげることに注視したいが、中国など関係諸国との関係悪化は避けられないだろう。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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