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【通貨】ユーロ週間見通し:弱含みか、政策金利見通し修正の可能性も

ユーロ円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■やや強含み、米利上げ打ち止め観測広がる

先週のユーロ・ドルはやや強含み。英国議会で欧州連合(EU)からの離脱協定案についての審議が始まったが、メイ首相の離脱案の承認は難しいとの見方は変わらず、リスク回避のユーロ売りが観測された。しかしながら、2019年前半にも米利上げ打ち止めとの見方が広がったことから、ユーロ買いが優勢となった。米中関係の悪化もユーロ買い・米ドル売りを促した。取引レンジ:1.1311ドル-1.1423ドル。

■上げ渋りか、ECB理事会の結果判明を待つ状況

今週のユーロ・ドルは上げ渋りか。13日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で、政策金利の据え置きと資産買取りプログラム終了は織り込み済み。域内の景気回復は遅れており、来年夏以降の利上げ開始シナリオを維持できなければユーロ売りが再び優勢となる可能性は残されている。

予想レンジ:1.1250ドル-1.1400ドル

■もみ合い、欧州政治不安でユーロ買い抑制

先週のユーロ・円はもみ合い。イタリア財政問題や英国の政治不安を意識したユーロ売り・円買いが強まり、ユーロ・円は一時127円62銭まで下落。ただ、日本の長期金利低下を意識した円売りも観測されており、対円でユーロは下げ渋った。中国通信機器大手ファーウェイCFOの逮捕を受けてユーロ・円は127円台後半まで反落したが、11月米雇用統計は市場予想を下回る内容だったことから、ユーロ買い・米ドル売りが再び活発となり、この影響でユーロ・円は128円台に戻した。取引レンジ:127円62銭-129円38銭。

■弱含みか、政策金利見通し修正の可能性も

今週のユーロ・円は弱含みか。イタリアの財政規律問題への懸念は弱まったものの、13日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で経済について慎重な見通しが示された場合、政策金利見通しの修正につながる可能性があり、ユーロ売りが多少強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・12日:10月鉱工業生産(前月比予想:+0.5%)
・13日:欧州中央銀行理事会(政策金利は据え置きの公算)
・14日:12月マークイット総合PMI(11月:52.7)

予想レンジ:126円50銭-129円50銭

《FA》

 提供:フィスコ

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