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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米雇用統計、OPEC総会、ソフトバンクBB開始

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限23000-下限22000円

来週の日経平均は、上値の重さを意識しつつも、一段の上昇を窺う可能性がある。一般的には、日経平均は先週の6連騰を受けての反動と22565.36円に位置する75日移動平均線に迫り、調整色も強まりやすいタイミングである。しかし、主要国首脳会議(G20)における米中首脳会談(12月1日)の影響が注目されるなか、イベント通過自体がアク抜けを誘うとの期待がある。また、28日にパウエルFRB議長が政策金利について「景気を加速も減速もさせない中立をやや下回っている」と発言し、金利引き上げの終了が近いとの思惑からNYダウの大幅高につながった。10月の急落は米金利の上昇が引き金であった背景もあるだけに、過度な下値不安は後退しよう。5日に予定されるパウエル議長の議会証言がこれを補完する形となれば、年末年始高に向けたリスクオンのムードが生じてこよう。こうしたなかで、名実ともに12月相場入りとなることから、相場心理はネガティブよりもポジティブに傾きやすくなる。

一方、テクニカル面からみた日経平均は、過去の累積出来高が多い22500円水準を控えて、戻り売り圧力の強まりが予想されるが、上値トライの期待も膨みつつある。日足ベースで5日移動平均が上昇を維持するなか、約3週間ぶりに200日移動平均線を上抜けてくる動きを見せてきた。週足ベースでは13週移動平均線と26週移動平均線が収斂するなかでデッドクロスの可能性がある一方で、下値も切り上がってきている。まずは200日移動平均線を下値として抑え込んでくれば、焦点は11月8日の戻り高値22583.43円で、これを更新すると21日安値21243.38円の2番底形成が確認でき、年末高モードに向けた上値視界が一気に開けてくる。外部環境での不透明要因があるとすれば、英国のEU離脱問題などが挙げられよう。英議会はEU離脱案について12月3日から審議を開始し、11日に採択を予定している。否決などのムードが生じれば、欧州株安が新たなリスクとなって影響してくる。このほか、12月19日上場予定のソフトバンク<9434>のブックビルディングが3日から7日のスケジュールで始まる。この期間に1日でもブックビル期間が重なるIPO企業はソフトバンクを含めて17銘柄に達する。日経平均と同じく6連騰のマザーズ指数は、11月29日に終値ベースで10月10日以来の1000ptを回復し、中小型銘柄に関心が向きやすい地合いとなっている。


■為替市場見通し

来週のドル・円は下げ渋りか。米利上げ継続への期待は低下し、リスク選好的なドル買いは抑制されるとの見方が増えている。ただ、ユーロや英ポンドなどの欧州通貨に対するドル買いは縮小していないことや、米中首脳会談を経て二国間の緊張状態は多少緩和されるとの見方が広がっていることは、ドル・円の取引にも影響を与えそうだ。

来週発表される11月ISM製造業景況指数や11月雇用統計などが市場予想とおおむね一致した場合、12月18-19日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ポイントの追加利上げが決定される可能性は一段と高まりそうだ。米長期金利は伸び悩んでいるものの、米国の主要経済指標が改善した場合、日米の長期金利格差は再び拡大し、リスク選好的なドル買い・円売りを促す要因となり得る。


■来週の注目スケジュール

12月3日(月):トルコ消費者物価指数、ユーロ圏製造業PMI改定値、英製造業PMIなど
12月4日(火):豪経常収支、ユーロ圏生産者物価指数、欧財務相理事会など
12月5日(水):ユーロ圏サービス業PMI改定値、ユーロ圏小売売上高、ISM非製造業景況指数、パウエルFRB議長が上下両院合同経済委員会で証言など
12月6日(木):独製造業受注、米製造業受注、OPEC総会など
12月7日(金):独鉱工業生産、米非農業部門雇用者数など

《SK》

 提供:フィスコ

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