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【市況】米国株式市場見通し:米中首脳会談を注視


主要20カ国・地域(G20)首脳会議と1日に開催される米中首脳会談が最大の注目点となる。トランプ大統領は貿易交渉で進展がなければ、中国からの輸入品に対する追加関税の導入を示唆した。米中間で全面的な合意に至ることが困難であっても、追加関税の導入延期など、少なくとも前向きな進展が期待される。交渉が決裂した場合には、先行き不透明感から株式相場には大きなマイナスとなるだろう。

一方で、金融政策は先週、パウエルFRB議長が足元の金利水準が中立を僅かに下回るとの考えを示し、投資家の多くは追加利上げ見通しが大きく後退したと判断したようだ。しかし、複数アナリストが市場の過剰反応を指摘しており、FOMC議事録でも12月の利上げはほぼ確実で、来年以降の追加利上げに関してもペースの鈍化はありうるものの、当局者の間で利上げ停止の議論までは至っていない。5日には、パウエル議長が議会証言を行う。今後の利上げペースについて何らかの示唆を得られるかが焦点となる。

企業決算では、光通信機器メーカーのフィニサー(3日)、自動車用品小売のオートゾーン(4日)、ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(4日)、住宅建設のトール・ブラザーズ(4日)、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(4日)、アパレルのアメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(5日)、食品小売のクローガー(6日)、半導体のブロードコム(6日)などの企業決算が予定されている。オートゾーンの決算は、競合のアドバンス・オート・パーツが通期見通しを引き上げたこともあり、好決算が予想される。フィニサーは、ツー・シックス社による32億ドルの買収に先日合意したが、iPhone向けに顔認証技術に用いられる部品を供給しており、同社の決算や業績見通しからiPhoneの需要動向にも注目が集まりそうだ。

経済指標では、10月建設支出(3日)、11月ISM製造業景況指数(3日)、11月ADP雇用統計(5日)、11月ISM非製造業景況指数(5日)、10月貿易収支(6日)、10月製造業受注(6日)、11月雇用統計(7日)などが予定されている。12月18-19日のFOMCを見据えて経済指標の発表に注目が集まるだろう。雇用統計は失業率が3.7%増と前月比横ばいとなる一方で、非農業部門雇用者数の伸びは20万人増と前月からの低下が見込まれている。しかし、ハリケーン後の復興需要による後押しで予想を上振れる可能性が高い。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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