【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):SBI、東和薬品、ファナック
SBI <日足> 「株探」多機能チャートより
SBIホールディングス<8473>は大幅高。ベンチャーキャピタル大手でネット証券や保険など金融関連サービスにも展開する。きょう前場取引終了後に発表した18年4~9月期の連結決算は、営業収益が1767億5300万円(前年同期比24.8%増)、最終利益が335億8800万円(同64.8%増)と大幅な伸びを示した。これを好感する買いが流入した。また、同社はきょう企業のマーケティング支援などを行うCCCマーケティング(東京都渋谷区)と資本・業務提携契約を締結したことも発表しており、業容拡大に対する期待も株価を後押しした。
■東和薬品 <4553> 8,390円 +330 円 (+4.1%) 本日終値
東和薬品 <4553>が4日ぶりに反発。29日大引け後、19年3月期の連結経常利益を従来予想の96億円→122億円に27.1%上方修正。従来の18.1%減益予想から一転して4.1%増益見通しとなったことが買い材料視された。主力のジェネリック医薬品で近年の追補品の販売が好調で、売上高が計画を上回ることが寄与。研究開発費が想定を下回ることも上振れの要因となる。
■ファナック <6954> 18,520円 +605 円 (+3.4%) 本日終値
ファナック<6954>が続伸。寄り付きは小安く始まったものの下値は堅く、底入れの兆しを見せている。同社が29日取引終了後に発表した19年3月期の連結業績予想の修正では、売上高を6374億円から6260億円(前期比13.8%減)へ、営業利益を1594億円から1509億円(同34.3%減)へ、最終利益を1452億円から1423億円(同21.8%減)へそれぞれ減額した。同社は中国向け売上高比率が高く、米中の貿易摩擦の影響が収益に及ぶことが予想される。ただ、事前に織り込みが進んでいたこともあり、足もとは空売りの買い戻しなどを足場に底堅さを発揮している。
■村田製作所 <6981> 15,975円 +475 円 (+3.1%) 本日終値
村田製作所<6981>、TDK<6762>、太陽誘電<6976>など電子部品株が広範囲に買い戻された。7~9月期の大手電子部品メーカーの受注は前年同期比で過去最高水準をキープしているものの、伸び率の鈍化が株価にはマイナスに働いている。しかし、10月に入ってからの調整局面で実態面から売られ過ぎとの見方も強まっている。日本の大手電子部品メーカーは、米アップルの有力サプライヤーとして商機を得ているが、iPhone向けの伸び鈍化も大方株価には織り込みが進んでいる状況で、「アップルがiPhone以外のパソコンやタブレッドの新機種販売でテコ入れを図る方針が伝わるなか、株価を刺激している」(国内中堅証券)。また、村田製のトップシェア商品である積層セラミックコンデンサー(MLCC)などは、スマートフォンだけでなく電装化が進展する自動車向けでも大きく需要を伸ばしており、値上げ効果も考慮すれば今期業績の大幅増益見通しに変化はないとみられる。村田製やTDKは明日に上期決算発表を控えているが、株価は既に大幅な調整を入れているだけに、その結果次第では空売りの買い戻しを絡め大きく切り返す可能性もある。
■三菱UFJ <8306> 663.8円 +14.6 円 (+2.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社はいずれも買いが先行。全体相場はリスクオフ一巡から戻り足をみせるなか、PBRや配当利回りから割安感が浮き彫りとなっている銀行株に物色の矛先が向いている。前日の米国株市場ではNYダウが乱高下の後に大幅続落で引けたが、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、シティグループなどの大手金融機関は揃って上昇する強さをみせた。好調な米景気を背景に米10年債利回りが再び上昇指向に転じており、運用環境改善への期待などを背景に押し目買いを誘っている。東京市場にもこの流れが波及している。
■レオパレス21 <8848> 428円 -94 円 (-18.0%) 一時ストップ安 本日終値 東証1部 下落率2位
レオパレス21<8848>が急落。29日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、売上高を5530億円から5100億円~5160億円(前期比3.9%減~2.8%減)へ、営業利益を245億円から75億円~105億円(同67.3%減~45.8%減)へ、最終損益を115億円の黒字から50億の赤字~70億円の赤字(前期148億1900万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。施工アパートの一部で判明した界壁施工の不備に伴い、調査と補修工事の完了まで対象物件の空室募集を停止していることから入居率が低下し、賃料収入などの減少が見込まれることが売上高・利益を押し下げる見通し。また、補修工事費用および外部調査費用などの付帯費用の発生に備えるため、第1四半期に補修工事関連損失引当金50億円を計上したが、調査進捗状況における不備の発生率の変動などで損失負担見込み額を累計70億円に変更したことなども最終損益を悪化させるとしている。また、業績予想の修正に伴い、従来中間10円・期末12円を予定していた配当予想について中間を無配とするとともに期末を未定とした。なお、前期実績は22円だった。
■トランコム <9058> 6,030円 -730 円 (-10.8%) 本日終値 東証1部 下落率4位
29日に決算を発表。「今期経常を8%下方修正」が嫌気された。トランコム <9058> が10月29日大引け後(16:00)に決算を発表。19年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比19.4%増の29.7億円に伸びた。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の69.8億円→64.5億円(前期は59億円)に7.6%下方修正し、増益率が18.1%増→9.2%増に縮小する見通しとなった。
⇒⇒トランコムの詳しい業績推移表を見る
●ストップ高銘柄
農業総合研究所 <3541> 3,705円 +700 円 (+23.3%) ストップ高 本日終値
日ダイナミク <4783> 1,044円 +150 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値
エムティジェネックス <9820> 10,700円 +1,500 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
日本テレホン <9425> 572円 +80 円 (+16.3%) ストップ高 本日終値
ALBERT <3906> 10,930円 +1,500 円 (+15.9%) ストップ高 本日終値
など、9銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース