【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、コマツ、王子HD
東エレク <日足> 「株探」多機能チャートより
29日に決算を発表。「7-9月期(2Q)経常は黒字浮上」が好感された。タカラレーベン <8897> が10月29日大引け後(17:00)に決算を発表。19年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比23.7%減の19.2億円に減り、通期計画の96億円に対する進捗率は20.1%にとどまったものの、5年平均の14.7%を上回った。
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■東京エレクトロン <8035> 15,145円 +930 円 (+6.5%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が3日続伸、上げ幅も徐々に拡大しており買いに厚みが増してきた。半導体関連セクターは先行き需要減速ムードが漂うなか、下値リスクが意識されていたが、それを見越しての空売りも高水準だったことで、目先リバウンド狙いの買いに加えショートカバーの動きも株価を押し上げている。同社株以外にもSCREENホールディングス<7735>、アドバンテスト<6857>、SUMCO<3436>など一連の半導体関連株は足並みを揃えて高い。前日にシリコンウエハーのトップメーカーである信越化学工業<4063>が先行き好調な見通しを背景に業績予想を上方修正したことが、流れを変えている。東エレクなどはPERが9倍前後まで下落、株価指標面の割安感も際立つ。
■コマツ <6301> 2,793円 +162.5 円 (+6.2%) 本日終値
小松製作所 <6301> が9日ぶりに反発。29日大引け後、19年3月期の連結税引き前利益を従来予想の3200億円→3620億円に13.1%上方修正。増益率が9.7%増→24.1%増に拡大し、11期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。北米やインドネシアを中心に一般建機と鉱山機械の販売が想定より伸びることが寄与。円安による採算改善なども上振れに貢献する。下期の前提為替レートを1ドル=100円→105円に見直した。業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の96円→102円(前期は84円)に増額修正したことも支援材料となった。また、前日終値ベースの予想PERが11.0倍→10.3倍に低下し、割安感が強まったことも買い気を誘った。
■エムスリー <2413> 1,798円 +102 円 (+6.0%) 本日終値
エムスリー<2413>が4日ぶりに反発。東海東京調査センターは29日、同社株のレーティングの「アウトパフォーム」を継続した。目標株価は3060円と従来の3035円からわずかだが引き上げた。第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益は前年同期比14%増の138億7500万円となった。治験を主体とするエビデンスソリューション部門や医師や薬剤師などの転職ビジネスなどを手掛けるキャリアソリューション部門などが好調だった。19年3月期の同利益は前期比14%増の317億2000万円が予想されているが、同証券では325億円への増額を見込む。海外部門は米国、英国の事業拡大に加えて、中国市場も200万人を超える医師会員数を背景にいよいよ本格的に利益貢献してくると見込んでいる。
■SCSK <9719> 4,700円 +255 円 (+5.7%) 本日終値
SCSK <9719> が急反発。29日大引け後に発表した19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比14.7%増の163億円と従来予想の150億円を上回って着地したことが買い材料視された。企業の旺盛なIT投資需要を背景に、製造業や流通業向けを中心にシステム開発案件が増加したうえ、保守運用・サービスも伸び、増収を確保したことが寄与。業務品質向上や効率化施策を進め、生産性が改善したことなども大幅増益に貢献した。
■大和工業 <5444> 2,970円 +149 円 (+5.3%) 本日終値
大和工業<5444>が急伸。同社はきょう午後2時に、19年3月期通期の連結業績予想修正を発表。経常利益見通しを従来の250億円から270億円(前期比51.4%増)に上方修正した。売上高予想も1900億円から1950億円(同10.7%増)に増額修正。国内で倉庫やホテル建設向けの鋼材需要が好調なほか、持ち分法適用関連会社の業績が見込まれることが主な要因だとしている。なお、営業利益見通しは従来通り80億円で据え置いている。
■アルフレッサ <2784> 2,983円 +144 円 (+5.1%) 本日終値
アルフレッサ ホールディングス <2784> が続急伸。29日大引け後、19年3月期の連結経常利益を従来予想の457億円→519億円に13.6%上方修正。従来の11.9%減益予想から一転して0.1%増益見通しとなったことが買い材料視された。C型肝炎治療薬や抗悪性腫瘍薬などの販売が好調に推移するなか、流通改革の推進やローコスト経営の継続などが寄与し、採算が上向く。
■王子ホールディングス <3861> 804円 +37 円 (+4.8%) 本日終値
王子ホールディングス<3861>や日本製紙<3863>、大王製紙<3880>など大手製紙などが買われ、東証1部の業種別株価指数騰落率でパルプ・紙が値上がり率トップとなった。複数のメディアで、コカ・コーラやペプシコ、欧州日用品大手ユニリーバなどの世界的な企業を含む約250の企業・団体が、海洋汚染の原因となっているプラスチックごみの削減を目指す共同宣言に署名したと報じられており、これが好材料視されたようだ。共同宣言は、インドネシア・バリ島で開催された海洋環境保全の国際会議で採択された。これによると、不要なプラ包装をやめて再利用可能な包装に移行するほか、2025年までにプラ包装を100%再利用・リサイクル可能にすることを目指すという。署名した企業のプラ生産量は、世界全体の20%を占めるとされるだけに、業界にとってインパクトは大きそうだ。
■サカイ引越センター <9039> 6,120円 +270 円 (+4.6%) 本日終値
サカイ引越センター<9039>が高い。同社はきょう午後2時20分ごろに、19年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は63億3900万円(前年同期比3.2%減)にとどまったが、通期計画108億6100万円に対する進捗率は58.4%に達した。売上高は466億4400万円(同6.1%増)で着地。同期間の引っ越し事業は作業件数が37万5055件(同0.5%増)、単価が同2.8%上昇するなど好調だった半面、利益面では人件費の増加が重荷となった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
株探ニュース