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【経済】NYの視点:米8月JOLT求人件数、再び過去最高記録を更新


米労働省が発表した8月JOLT求人件数は713.6万件と、減少予想に反して7月からさらに増加し、再び過去最高記録を更新した。雇用者数は580万人と過去最高に達した。離職は570万人。また、仕事を探している労働希望者の623万人を上回った。特に、建設業の労働者不足が深刻で、29.8万人の求人件数で、昨年に比べ39%増。その他、金融、保険、ヘルスケアの求人が目立った。労働市場のひっ迫を受けて、企業は賃金インフレの圧力に一段と直面することになる。最新9月の平均賃金は前年比+2.8%だった。

JOLT指数の項目の中で特に雇用者の労働市場への自信を示すとして注目される退職者数は360万人と前月7月からほぼかわらずで、統計開始した2000年12月以降で最高を維持。2017年8月から12.7%増。また、退職率(Quit rate)も7月に続き2.4%と、2001年4月以降17年ぶり高水準を維持した。卸売り貿易で2.4万人増加した一方、プロフェッショナル、ビジネスサービスで8.2万人減少した。

米9月雇用統計では失業率が3.7%と、49年ぶり低水準を記録。非農業部門雇用者数は予想外に、昨年9月来の低水準となったものの、ハリケーンフローレンスやマイケルの影響と見られている。

米8月JOLT求人件数は米労働市場のひっ迫を示す新たな証拠となり、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ軌道をさらに正当化する結果となった。

■雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
8月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%         1.4%
9月失業率(Unemploynent rate):3.7%(8月3.9%)           5%
8月求人率(Job openings rate):4.6%(7月4.5% )         3%
8月退職率(Quits rate):2.4%(7月2.4%)        2.1%
9月広義の失業率(U-6):7.5%(8月7.4%)     8.8%
8月採用率(Hiring rate):3.9%(7月3.8%)           3.8%

◎状態が危機前より依然悪い
9月雇用者数(Nonfirm payrolls):+13.4万人(7月+27万人) +16.18万人
9月長期失業率:37.2%(8月36.5%、2017年39.7%    19.1%
9月労働参加率:62.7%(7月62.7%)   66.1%

《CS》

 提供:フィスコ

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