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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:中国7-9月期GDP、米国企業決算、米長期金利動向

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限23500-下限22200円

来週の日経平均は上にも下にもボラタイルな展開が予想される。テクニカル的には25日移動平均線はおろか75日移動平均線、さらに200日移動平均線割れまで売り込まれて、ここまでの上昇相場に亀裂が入った。しかし、週末は200日線上で引けて、週足ベースでは今年4月以降の下値トレンドラインである52週移動平均線近辺で踏みとどまったことは一筋の光明だ。日経平均、NYダウともに前週末は反発した。まずは今回のショック安の落ち着きどころを探る展開となる。来週は、7-9月期GDPを始めとする中国の経済指標の発表が19日に集中していることが波乱要因として意識されそうだ。一方で、米中協議の再開などの動きが出た場合は、反騰材料ともなってこよう。ちなみに、中国税関当局が12日に発表した9月の対米貿易黒字は341億3000万ドルと、8月から拡大して過去最高となっている。11月中間選挙を控えたトランプ政権も、米国長期金利上昇と貿易摩擦に端を発した世界同時株安に対する姿勢が試されるところだ。日経平均は、貿易摩擦、中国経済指標、為替動向、米国株と中国株の動向に、敏感に反応する展開となろう。また、12日の相場展開で日経平均が前日比プラスに転じるのに先行して、年初来の安値水準にあるジャスダック平均とマザーズ指数は反発した。波乱収束の兆しとなるかどうか、動向が注目されよう。このほか、25日から3日間の安倍首相の中国訪問が固まり相場への支援材料に働くことが期待される。

あと一つの相場材料が企業決算だ。米国では7-9月期決算が本格化して15日にバンク・オブ・アメリカ、16日にモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、ネットフリックス、17日にアルコア、18日にノバルティス、19日にP&Gなどが決算発表に進む。日本の3月期決算企業第2四半期業績の発表本格化は22日以降となる。10日に安川電機<6506>が今2月期の業績予想を下方修正した後に売られ、11日に好決算と増配を発表したファーストリテイリング<9983>が12日に材料出尽くし感から下落するなど、企業決算への期待感が後退し地合いの悪化を促していることは気がかりだ。

主な国内経済関連スケジュールは、16日に9月首都圏新規マンション発売、9月訪日外客数、18日に9月貿易統計、黒田日銀総裁が日銀支店長会議で挨拶、地域経済報告(さくらレポート)、19日に9月消費者物価の発表がそれぞれ予定されている。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、15日は米9月小売売上高、米10月NY連銀製造業景気指数、米8月企業在庫、16日に中国9月生産者物価・消費者物価、米9月鉱工業生産・設備稼働率、米10月NAHB住宅市場指数、17日に米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数、9月25・26日開催のFOMC議事録、18日に米10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米9月CB景気先行総合指数、19日に中国7-9月期GDP、中国9月小売売上高、中国9月鉱工業生産、中国9月都市部固定資産投資、米9月中古住宅販売件数の発表が見込まれている。このほか、国内外で予定されているイベントとしては、15日にEU加盟国(イタリア含む)が2019年予算案を欧州委員会に提出、16日に家電・ITの国際見本市「シーテック・ジャパン2018」(19日まで)、17日に「ワールドロボットサミット2018」(21日まで)、APEC財務相会合(パプアニューギニア・ポートモレスビー)が予定されている。


■為替市場見通し

来週のドル・円は下げ渋りか。米長期金利や株価は不安定な動きを続けており、足元ではリスク選好的なドル買いはやや抑制されている。米10年債利回りの上昇は一服したものの、再上昇の可能性は残されている。主要国の株安は一服したものの、引き続き米長期金利と日米の株価にらみの展開となる見通し。


米財務省は半期毎の為替報告書を公表する見通し。中国を為替操作国に認定するか注目されているが、一部報道によると、米財務省スタッフはムニューシン財務長官に対して「中国は為替操作をしていない」と報告したもようだ。国際貿易環境の悪化を懸念した円買いは縮小していないものの、米国(財務省)が中国を為替操作国と認定しなかった場合、リスク選好的なドル買い・円売りが活発となりそうだ。

ただ、トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針に批判的な発言を繰り返しており、大統領の発言が市場に与える影響を注視する必要がある。17日に公表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で利上げ継続を正当化する見解が多く含まれていた場合、中央銀行への政府介入を警戒して、リスク選好的なドル買いはやや抑制される可能性がある。


■来週の注目スケジュール

10月15日(月):トルコ失業率、米小売売上高、中マネーサプライなど
10月16日(火):中消費者・生産者物価指数、英失業率、米設備稼働率など
10月17日(水):米住宅着工件数、米FOMC議事要旨など
10月18日(木):貿易収支、ベルギー欧首脳会議、米景気先行指数など
10月19日(金):中7-9月GDP、米中古住宅販売件数など

《SK》

 提供:フィスコ

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