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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「需給が最大の要因」

株式評論家 富田隆弥

◆10月、心配していた「世界同時株安」が起きてしまった。日米とも経済や企業業績は堅調だが、株式市場では短期抵抗線を割り込んだことで決算を控えたヘッジファンド勢が利益確定売りを急ぎ、ミニSQ(10月12日)を控えた日本株は損失回避の売りが先物に出るなど、需給が下げを加速させたと言える。

日経平均株価は、10月2日高値の2万4448円から1989円幅(10月11現在▼8.1%)、 ナスダックは10月1日高値の8107ポイントから687ポイント(10月10日現在▼8.4%)の下落となり、ここまでくればいつ反発してもおかしくない。

◆だが、 NYダウ、ナスダックなどの米国株はリーマンショックから10年間、未曾有の過剰流動性を背景に大きく三段上げで過去最高値を更新してきた。大手IT関連株の「FANGプラス」には世界の運用マネーが集中し、テクニカル指標は長らく過熱を帯びていた。そうした状況で基調が崩れたのであれば、安易な楽観は慎むべきだ。

◆日経平均、NYダウ、ナスダックと日足は順に短期抵抗線を割り込み、買い方に焦りの色が出始めていた。米長期金利の上昇、米中貿易摩擦への懸念、新興国不安、イタリア財政不安などがジワリと重石になっていた。そして、株価の下げとともにリスクオフとなり、為替は「円高」を強めることになった。

◆つまり、相場の最大の要因は「需給」ということ。証券会社から「年末高」のかけ声が出始め、個人の信用買い残も10月になり増加に転じていたが、今回の急落で買い方は軒並みハシゴを外されたことになる。流れ(トレンド)が上向きのうちは買い方有利で進むが、ひとたび崩れると需給は逆転し売り方有利となる。ダウ理論の如く、下げ基調が続くうちは売り方の有利が続く。また、「材料はあとからついてくる」と言われるように、下げが続くと隠れていた悪材料(懸念)が次々と表に出てきて下げに拍車をかけることも珍しくない。いま現在、経済や業績などファンダメンタルズは良好でも、今後は悪化となって出てくることも否定できず、それだけにチャート好転を確認するまでは「慎重姿勢」が必要となる。

◆需給が底打ちの兆しを出すには、チャートの底打ち(好転)信号が必要だ。目先は上昇も想定されるが、ボラティリティを高めた地合いだけにしばらく乱高下するだろうし、上昇はアヤ戻しで終える可能性もあり、安易な楽観は慎みたい。10年という長期サイクルを踏まえると「山高ければ谷深し」という格言も踏まえておく必要があるだろう。

(10月11日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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