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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「下値抵抗線を注視の10月相場」

株式評論家 富田隆弥

◆強い上昇相場が続いている。配当権利落ちの26日も、日経平均株価は93円高の2万4033円引けと8日続伸した。8ヵ月ぶりに2万4000円台を回復し、1月23日につけた年初来高値(2万4129円)まであと100円程になった。サイコロジカルラインが10勝2敗(83.3%)、騰落レシオ(25日)が133.30%になるなど日足テクニカルが過熱を強め、 NYダウが3日続落となったことで、さすがに27日は237円安の2万3796円と急調整を入れた。しかし、その日の米国市場でNYダウ、 NASDAQが反発し、為替(ドル円)が113円台半ばに円安を進めている(米国27日ザラバ段階)ことから、日経平均もすぐに切り返して年初来高値の更新に突き進むことが想定される。

◆このように9月は強い相場になった。16連騰やサイコロジカルライン12勝0敗(日足)を記録した昨年10月を連想させるような強さで、8ヵ月にわたる長期保ち合いを上放れたのだから、チャート的には「2万5000円~2万7000円」を目指してもおかしくはない。

◆ただ、このような強さが10月も続くとは限らない。日米とも直近の上昇ぶりは少々「出来過ぎ」で、売り方の買い戻しや損失回避のための買いなど、現物と先物の両方で買いが集中した結果と見ている。先物取引に係る現物の買い(裁定買い)も9月第二週と第三週の2週間で6854億円増加し、裁定買いも相場を押し上げた一因だろう。だが、裁定買い残は9月21日現在2兆1286億円で、9月末時点では5月ピーク時の2兆6000億円台にかなり迫っていると思われる。そして、テクニカル指標は過熱を極めており、何かをキッカケに調整に転じるリスクも高まっていると言えるだろう。

◆3月安値から6ヵ月(安値期日)が経過し、総裁選や9月中間期末を終えた。米国は26日にFOMC(今年3度目の利上げ)が終わり、10月2日に安値期日を迎え、そして当面の重要イベントは11月6日の米中間選挙となる。そこまで需給相場が続く可能性があることは否定しないが、その前に「出尽くし感」からピークアウトする可能性がないとは言えない。

◆相場の基本は「流れに従え」であるから、いまのような強い相場では日足チャートに下値抵抗線を引いておき、それを割り込むまでは「買い姿勢」で泳がせばよい。だが、抵抗線を割り込むなら「要警戒」に姿勢を転ずることだ。現在の日経平均の下値抵抗線は2万3770円処、NASDAQなら7920ポイント近辺だ。10月はその下値を注視しながらの対応となろう。

◆10月といえば、過去にブラックマンデーのあった月だ。ヘッジファンドの決算(10~11月)も近づく。変動率(ボラティリティ)が高まっているので乱高下しやすいことを認識しておきたい。

◆最後に私個人のことだが、10月からまた東京に戻る。熱海で夢のような3年間を過ごしたが、こんどは「こち亀」で有名な葛飾・亀有だ。人情あふれる下町で、夜空には星ではなくネオンが輝く。今度はどんな夢を見るのだろう。

(9月27日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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