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【特集】ハウスドゥ Research Memo(3):事業ポートフォリオを安定・持続的成長型に転換

ハウスドゥ <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業概要

1. 事業ポートフォリオ
住宅の購入からリフォーム、賃貸、担保としての利用、売却/再購入、売切りなど不動産に関する顧客アクションに対して、ハウスドゥ<3457>は業界初のサービスや事業を立ち上げて対応してきた。

2018年6月期の売上高の事業別構成比は、フランチャイズ事業が10.9%、ハウス・リースバック事業が25.1%、不動産金融事業が2.3%(以上、ストック型収益事業計:38.3%)、不動産売買事業が39.0%、不動産流通事業が9.1%、リフォーム事業が13.5%であった。調整額控除前のセグメント利益率は、フランチャイズ事業が37.1%、ハウス・リースバック事業9.3%、不動産金融事業が3.6%、不動産売買事業が20.8%、不動産流通事業が12.0%、リフォーム事業が7.3%であった。ストック型収益事業の利益構成比は60.0%と大きい。

2. フランチャイズ事業
(1) フランチャイズ事業の売上構成
2018年6月期のフランチャイズ事業の売上高構成は、加盟金が15.9%、月会費が27.3%、システム料が12.7%、広告分担金が25.4%、備品売上が6.8%、その他が11.8%となった。フランチャイズ事業の売上高の約4分の1を占める広告分担金は、集合的な広告宣伝に使用されるため、費用を徴収しているに過ぎない。同社は、2013年より元プロ野球選手・監督、現解説者の古田敦也(ふるたあつや)氏をイメージキャラクターに起用したブランド戦略を展開している。東証マザーズ上場により、同社に対するイメージが京都の企業から全国区へとアップした。さらに2016年12月に東証1部へ市場変更したことから、社会的信用が一層高まり、フランチャイズ加盟店募集に対する問い合わせが増えている。

(2) 加盟店の推移
2018年6月期末の累計加盟店舗数は543件となり、過去5期間で2.1倍になった。新規加盟店舗数が142件、新規開店店舗数は126店舗と着実に積み上げている。2019年6月期末の累計加盟店舗数は627店舗を計画している。2025年6月期までに1,000店舗を最終的な目標としている。

(3) 地域別展開
2018年6月期末における「家・不動産買取専門店」「RENT Do!(レントドゥ!)」を除く店舗数は402店舗であった。地域別では、東海地域が125店舗(構成比31.1%)と最も多く、創業した近畿地域の58店舗(同14.4%)を大きく上回っている。市場規模が近畿地区の2.5倍あるとみられる関東地区は78店舗(同19.4%)にとどまる。同社は地域密着型営業エリアフランチャイズ制を採っており、最終目標を2025年までに全国1,000店舗としている。東海地域は、出店数が目標の125店舗に達し、充足率が100%になった。同地域では、実績店舗数が目標の半分を超えたところで認知度が高まり、ブランド力が向上し、出店が加速した。他の主要エリアの目標店舗数に対する進捗度は、近畿地域が31.1%、関東地域では18.1%にとどまる。店舗数が、それぞれ100店舗を超えたところで、東海地域で見られたような質的変化が起きることを期待している。

(4) 不動産セクターのSPA(製造型小売業)
同社の強みは、SPAのように業界初のサービス・事業を次々と開発し、商品化する能力にある。他社に先駆けて開発したサービスや制度には、2013年10月の買取に特化したフランチャイズ事業の「家・不動産買取専門店」と住みながら家の売却を可能にした「ハウス・リースバック」、2016年7月の不動産融資のサービスとなる「不動産担保ローン」、2017年10月の金融機関との提携による「リバースモーゲージ保証事業」、2017年12月の欧米流不動産エージェント制度などがある。2018年2月には空室・空き家の問題を解決するタイムシェアリング事業「タイムルームRクラウド」(Time Room Cloud)をスタートさせた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《NB》

 提供:フィスコ

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