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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ ここからは水準より日柄が大事

株式評論家 植木靖男

「ここからは水準より日柄が大事」

●関門突破で2万4000円に一気に肉薄

 東京市場は、順風満帆を絵に書いたような展開をみせている。9月13~14日に明確に買い転換したあと急騰し、週末には日経平均株価は2万4000円大台を指呼の間に望んでいる。

 とはいえ、8月末の2万3000円挑戦に失敗したあと、なぜ急落したのか。また、その後なぜ一気に2万3000円をあっけなく突破したのか。買い手側にとっていまは嬉しい局面にあるものの、売り手側にとっては愕然として手も出せない、といった状況だろう。

 では、この9月前半でなにがあったのか。どう考えても理解不能だ。

 多くの市場関係者は米中貿易摩擦の懸念があるという。だが、これはあくまでも、まだ“懸念”の段階である。この懸念が後退したり、増幅する度に株価が上下する。まことに嘆かわしい限りだ。

 米中貿易摩擦での両国の果たし合いは、お互い刀を抜いて、「えいや~っ」とかけ声だけをかけて、まだ斬り結んでもいない。ましてや両者は倒れてもいないし、深傷を負ってもいない。

 これが現状である。もちろん、部分的には個別産業、企業にすでに影響が出ているとの指摘もあるが、大きな流れには到っていない。まして、日本はこれから日米通商協議が本格化する。協議が導き出す結果の影響はどうなのか。それが株価を決定的に左右することになる。だが、その時期はまだ先であろう。

●“効率の良さ”で指数連動型ETFが狙い目

 さて、当面の株価はどう展開するのか。米国ダウ平均が1月の最高値を更新した。この分では、2万7000ドルが次の目標となる。となれば、日本株も1月高値2万4124円(終値ベース)突破がメドとなる。その前か後に、一度ブレることが予想されるが、それはヤレヤレの売りか利食いであり、方向性を変えるほどの腰の入った売りとは思えない。むしろ、いまは市場心理の好転に従うのが妥当だろう。

 とはいえ、皮膚感覚では、ここから買える時間はそれほど残っていない。むしろ、10月に入ってからは、どこかで高値を見極めるタイミングを探る段階か。

 もっとも、高値を見極めるのはプロでも難しい。ここは高値と思っても、裏切られることがしばしばである。明確に天井と判断されるまでは、早合点しないことが肝要であろう。

 ところで、当面の物色対象であるが、常の如く、高値に近づくほど効率の良い銘柄は、指数連動型のETFであることは自明の理だ。個別銘柄で指数を上回ることは、はなはだ難しいからだ。したがって、最良の銘柄は指数連動型のETFだ。

 このほか、米国でも出遅れ株の台頭が著しい。もちろん、超成長株も一段と人気化することは言うまでもない。

 そこで今回は、監視という最先端技術を売るイー・ガーディアン <6050> に注目したい。また、低位で、かつ業績がよく、しかも仕手性のあるタムラ製作所 <6768> 。それに、出遅れ修正に動くりそなホールディングス <8308> も見逃せない。時価総額と利益剰余金が同じほどというのは、理解できないのでは。

2018年9月21日 記

株探ニュース

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