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【市況】19日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で続伸、内外株高が追い風

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

19日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比322.71ポイント(1.19%)高の27407.37ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が184.71ポイント(1.75%)高の10741.69ポイントとそろって続伸した。売買代金は963億7500万香港ドルとなっている(18日の売買代金は863億6600万香港ドル)。

米中貿易戦争の過度な警戒感が後退するなか、昨夜の米株が反発したことを好感。トランプ政権は「制裁関税第3弾(中国製品2000億米ドル相当を対象)を24日に発動する」と発表し、中国は600億米ドル相当の米国製品に関税をかける報復措置を公表したが、市場では「想定より厳しくない内容にとどまった」との声が聞かれた。本土株高も追い風。上海総合指数の上げ幅拡大をにらみながら、香港でも買いの勢いが徐々に増している。

ハンセン指数の構成銘柄では、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が6.9%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.7%高、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が5.5%高と上げが目立った。時価総額上位の金融株や、石油・石炭株なども値上がりしている。本土系不動産株については、中国の政策も追い風。2019年1月1日付で改正される「個人所得税法」では、住宅ローン金利などが控除される見通しだ。

業種別では、空運・海運が高い。中国南方航空(1055/HK)が4.2%、中国国際航空(753/HK)が3.8%、中国東方航空(670/HK)が3.0%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が2.3%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.7%、中遠海運発展(2866/HK)が2.0%ずつ買われた。ドル建て債務の比率が高い中国の空運各社にとって、元安懸念の後退はプラス。李克強・首相は19日、天津で開催中の夏季ダボス会議で講演し、「人民元の下落は弊害が大きい」と述べ、人民元安を望まない姿勢を明確にした。このほか、原材料を輸入に頼る紙製品各社も値上がりしている。

中国の保険セクターも軒並み上昇。中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.3%高、中国人民財産保険(2328/HK)が2.5%高、中国平安保険(2318/HK)と新華人寿保険(1336/HK)がそろって2.4%高で引けた。保険各社の月次統計では、収入保険料の伸びが堅調に推移。業績の成長が期待された。

他の個別株動向では、ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(2333/HK)が11.9%高と急伸。創業者の魏建軍・董事長は先週13日から17日までの3営業日で、同社株を合計1億香港ドル相当以上を市場内で買い入れている。このほか、大手トラックメーカーの中国重汽(サイノトラック:3808/HK)が16.5%高と急反発し、上場来高値を更新した。独VWのトラック・バス部門「TRATON(トレイトン)」と合弁会社を設立することで合意したという。

本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.14%高の2730.85ポイントで取引を終えた。不動産株が高い。消費関連株、空運株、紙・パルプ株、エネルギー株、医薬株、運輸株、インフラ関連株、金融株など幅広く物色されている。

【亜州IR】

《FA》

 提供:フィスコ

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