【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ラック、ニチレイ、エーザイ
ラック <日足> 「株探」多機能チャートより
ラック<3857>が急動意したほか、テリロジー<3356>が続伸で新値街道を走り、FFRI<3692>、トレンドマイクロ<4704>、インテリジェントウェイブ<4847>などサイバーセキュリティー関連株への投資資金流入が目立つ。民間企業や公的機関などに対するサイバー攻撃への対応が喫緊の課題となるなか、関連銘柄への物色人気が盛り上がっている。そのなかラックなどはサイバー攻撃の予兆を捉え、顧客企業に通知する「脅威インテリジェンス」といわれる新サービスで先駆しており、目先上値期待が膨らんでいる。
■ニチレイ <2871> 2,747円 +72 円 (+2.7%) 本日終値
ニチレイ<2871>が4日ぶりに反発。SMBC日興証券が7日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を3480円から3600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、成長市場におけるトップラインの継続的な伸長が期待できることや、今下期から増益基調に転じ、業績にモメンタム変化が起こると予想されること、バリュエーションに比較的割安感があることなどを評価している。
■ニッコンHD <9072> 2,742円 +71 円 (+2.7%) 本日終値
ニッコンホールディングス<9072>が8日ぶりに反発。前週末7日の取引終了後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の自社株買いでは、上限を70万株(発行済み株数の1.04%)、または20億円としており、取得期間は9月10日から12月28日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行を可能とするためとしている。
■エーザイ <4523> 10,150円 +262 円 (+2.7%) 本日終値
エーザイ<4523>が3日続伸。日経平均は前週高い日がなかったが、同社株はディフェンシブストックの側面から下値を拾う動きが旺盛で1万円大台近辺で頑強な動きを続けていた。きょうも全般相場の底入れムードのなか買いが先行している。大手製薬会社で神経系や消化器系で強みを持つ。アルツハイマー治療薬「アリセプト」や抗がん剤「レンビマ」が収益牽引役を担っており、18年3月期の営業3割増益に続き、19年3月期も2ケタ伸長を見込む。業績の伸びに加え同社の新薬開発力を評価する動きが強い。
■第一生命HD <8750> 2,087.5円 +48 円 (+2.4%) 本日終値
第一生命ホールディングス<8750>が続伸。2060~2080円の狭いレンジで収れんする5日・25日・75日移動平均線を絡め、前引け時点でトレンド転換を示唆する大陽線を示現している。米国では経済の強さが浮き彫りとなっており、注目された8月の雇用統計は雇用者数の順調な増加に加え、平均時給の上昇も2009年6月以来の伸び率を記録。これを受けてFRBの継続的な利上げが見込まれるとの思惑から米10年債利回りは一時2.95%と約1カ月ぶりの高水準に達した。さらに、30年債利回りなど超長期金利も上昇が顕著となっていることから、長期運用を図る同社にとって運用環境の改善を材料視する買いを引き寄せた。
■ノリタケ <5331> 6,680円 +140 円 (+2.1%) 本日終値
ノリタケカンパニーリミテド<5331>が続伸。東海東京調査センターが7日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を6580円から8300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは19年3月期第1四半期(4~6月)業績で、エンジニアリング事業において、リチウムイオン電池や電子部品向け焼成炉・乾燥炉で顧客の設備投資が活発に行われ、販売が増加したことや、セラミック・マテリアル事業の利益率が改善したことを評価。第1四半期営業利益が前年同期比8割増と大幅増益となったことを受けて、19年3月期通期営業利益を前年比31%増の67億円と会社計画53億円を上回ると予想している。また、続く20年3月期は同8%営業増益を見込む。
■キッコーマン <2801> 5,890円 +110 円 (+1.9%) 本日終値
キッコーマン <2801> が3日続伸し、連日で上場来高値を更新した。SMBC日興証券が7日付で同社の投資判断を「2(中立)→1(強気)」に引き上げ、目標株価を5000円→6500円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、同社は国内外でトップラインを上げる力があり、売上成長が低下する食品業界で比較優位がより鮮明になると報告している。日本の食がまだまだ世界に広がる中、同社の海外成長力を改めて評価するとともに、国内でも豆乳の成長に持続性があると指摘。今後5期の年平均成長は売上高+4.5%、営業利益+7.2%を予想している。
■パイオニア <6773> 125円 +2 円 (+1.6%) 本日終値
パイオニア<6773>が反発。7日取引終了後、同社子会社の東北パイオニアEGの全株式をデンソー<6902>に売却することを発表しており、これに伴い、売却益約33億円を特別利益に計上する見通しとなった。この売却で得た資金は自動運転などの成長分野投資に充てる方針で、足もとの業績は低迷しているものの、今後の業容拡大に対する期待が買いに反映された。
■りらいあ <4708> 1,400円 +20 円 (+1.5%) 本日終値
りらいあコミュニケーションズ<4708>が4日ぶりに反発。SMBC日興証券が7日付で、投資評価「2」を継続し、もう評価部下を1550円から1600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、不採算案件の収益改善の進展や、売上重視から収益性重視への方針転換で、国内での利益率改善傾向が鮮明になっていると評価。第1四半期でもその傾向が確認でき、国内での利益率改善傾向は続くと予想。19年3月期営業利益は会社予想61億円に対して62億円を見込むほか、20年3月期予想を同70億円から71億円へ、21年3月期を同74億円から78億円へ引き上げている。
■武田薬品工業 <4502> 4,433円 +59 円 (+1.4%) 本日終値
武田薬品工業<4502>が6日ぶり反発。前週は全体相場が軟化するなか、下値模索の動きを続けていたが、目先値ごろ感からの押し目買いが流入した。市場では「シャイアー社の大型買収に伴う減損リスクはくすぶるものの、国内トップの製薬メーカーであり、配当利回りも4%を超えている。大手製薬会社のなかで最も高い配当利回りになっている現状は、相対的な割安感から買いを誘う局面にある」(国内中堅証券)という見方が出ている。当面は4550円近辺を横に走る75日移動平均線を意識したリバウンドが意識されるタイミングにある。
株探ニュース