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【市況】新興市場見通し:投資家心理と需給改善でマザーズ戻り歩調、IPOでは2社上場

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、米株高など良好な外部環境を追い風に日経平均が節目の23000円台を一時回復するなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均も上昇した。その後、日経平均は短期的な達成感から一進一退の展開となったが、個人投資家のマインドや需給が改善したことで、出遅れ感のある新興市場銘柄への資金流入が続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.2%であったのに対して、マザーズ指数は+5.5%、日経ジャスダック平均は+2.1%だった。マザーズ指数は週初に25日線を上抜けしている。

個別では、メルカリ<4385>が週間で4.5%高、MTG<7806>が同3.9%高、ミクシィ<2121>が同3.7%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調だった。バイオ株はそーせいグループ<4565>が同10.6%高となるなど強い値動きが続き、業績修正を発表したサンバイオ<4592>は同19.8%高と大きく上昇した。売買代金上位ではALBERT<3906>、エクストリーム<6033>などが引き続き活況で、戻り歩調を強めた中村超硬<6166>や和心<9271>が週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、前週に急伸したモブキャストHD<3664>は利益確定売りに押され、アドバンスト・メディア<3773>などとともにマザーズ下落率上位となった。ジャスダック主力では日本マクドナルドHD<2702>が同0.4%安と小幅に下げたが、強気のレーティング継続が観測されたハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同12.1%高と大きく上昇した。セリア<2782>も同1.1%高と堅調だった。売買代金上位ではテリロジー<3356>、メイコー<6787>などが続伸し、KDDI<9433>との資本・業務提携を発表したアイサンテクノロジー<4667>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。反面、5G(次世代移動通信システム)関連として人気化していたブロードバンドタワー<3776>は上げ一服となり、日本テレホン<9425>がジャスダック下落率トップだった。

今週の新興市場では、マザーズ指数が7月26日に付けた戻り高値(1067.42pt)及び同水準に位置する75日線に迫り、戻り待ちの売りも出やすいだろう。相場全体としても米・カナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉や米中貿易摩擦の行方、米8月雇用統計の内容などを見極めたいとの思惑が強まりやすい。しかし、中小型株は資金回転が利き始めており、個人投資家の物色意欲の強さも窺える。

エクストリームの活況が続き、9月下旬に開催される「東京ゲームショウ2018」を前に他のゲーム関連株にも物色の矛先が向かう可能性があるだろう。また、来年度予算の概算要求の内容が伝わり、自民党総裁選も控えるとあって政策期待が高まりやすい。ALBERTやデータセクション<3905>といったAI(人工知能)関連株に引き続き注目したい。なお、今週は9月5日にアスカネット<2438>、7日にアイリッジ<3917>、日本スキー場開発<6040>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、9月6日にand factory<7035>がマザーズへ、ナルミヤ・インターナショナル<9275>が東証2部へ新規上場する。and factoryは公開規模がやや大きいものの、アプリ開発ベンチャーとして期待が高まっているようだ。ナルミヤもベビー・子供服メーカーとして知られる。なお、先週はブリッジインターナショナル<7039>(10月3日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

《HK》

 提供:フィスコ

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