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【市況】米国株式市場見通し:米中貿易摩擦の動向や経済指標に注目


9月3日はレイバー・デーの祝日で米国株式相場は休場となる。先週は、NAFTAの再交渉を巡り、米国とメキシコが合意したことで、カナダとの交渉にも楽観的な見方が広がっている。主要株価も最高値圏で推移しており、連休明けに出来高が回復するのに伴って、高値を維持できるかどうかが焦点となるだろう。また、米中貿易摩擦では、トランプ大統領が中国に対する2000億ドル相当の輸入品への関税引き上げを今週にも実施する意向を示しており、追加情報に注意が必要だ。

今後、徐々に中間選挙に向けた動きが本格化すると考えられる。トランプ大統領は通商交渉で米国に有利な条件を引き出すことで、中間選挙で共和党の追い風にしたいとの思惑があるようだ。特に経済指標を通じて米景気の底堅さが確認される展開となれば、中国だけでなく、欧州連合(EU)についても貿易不均衡是正に向けた標的と示唆しており、強硬姿勢を一段と強める可能性がある。

決算発表では、クラウドアプリケーションを手掛けるワークデイ(4日)、ネットワーク・セキュリティのパロアルト・ネットワークス (6日)、半導体のブロードコム(6日)、ゲーム小売のゲームストップ(6日)などが予定されている。パロアルトは、定額制でセキュリティソフトウェアを提供するクラウド型サービスに注力しており、契約者によるサブスクリプション収入が増加している。サイバーセキュリティ市場の需要拡大と定額制ビジネスへの移行に伴い、業績拡大が予想される。

経済指標では、7月建設支出(4日)、8月ISM製造業景況指数(4日)、7月貿易収支(5日)、8月ADP雇用統計(6日)、7月製造業受注(6日)、8月ISM非製造業景況指数(6日)、8月雇用統計(7日)などの発表が予定されている。7月のISM製造業景気指数は前月から低下した。ほぼ全ての産業で労働力が不足したほか、鉄鋼やアルミニウム、その他の輸入品に対する関税賦課を受けた原材料価格の上昇が響いた。今月は複数の製造業関連指標が発表されるが、いずれも軟調な内容となりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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