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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「始まったか?忖度相場」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は8月30日現在、8日続伸し2万3032円をつけた。日足はお盆の13日に2万1851円の安値を打って切り返し、2万2400円台に集まる移動平均線(25日線2万2492円、75日線2万2469円、200日線2万2407円)を明確に上抜け、5月21日高値2万3050円から続くもみ合いの上限に到達した。週足チャートは52週移動平均線(2万2155円)を下値に三角保ち合いを煮詰めているだけに、2万3000円の節を上抜けるかが当面の焦点であるのは言うまでもない。

◆8月29日にサイコロジカルラインが9勝3敗・75%と高値信号を灯す。昨年の8月下旬に2勝10敗・16%までジリ貧を続けたのとは対照的だが、日足テクニカルは短期RCI(9日線100%、13日線87%)も過熱信号を灯しており、目先は調整を挟むことを想定しておく。

◆ただ、週足は1月につけた2万4129円の高値から7ヵ月も調整を続けており、値固めは十分。裁定買い残が1兆4916億円(8月24日現在)まで整理を進めており、ここから1兆円ほど裁定買いが続いてもおかしくなく、そうなれば先物主導で上昇を強め、三角保ち合いを上放れて1月高値奪回を目指す可能性も出てこよう。

ナスダックが三角保ち合いを上放れて最高値を更新し、 NYダウも1月高値にあと450ドル程に迫ってきた。こちらも短期過熱に伴うスピード調整は不可欠だが、NYダウが年初来高値を更新するまで堅調な地合いが続いてもおかしくなく、出遅れ日本株を後押しする可能性もあるだろう。また、9月20日に決まった自民党総裁選を控えて安倍首相が新たに経済対策を打ち出すことも想定され、日本株は“忖度相場”が始まったと見ることもできる。

◆マーケットは「流れに従う」のが基本であり、52週移動平均線や下値抵抗線など下値ポイントのチェックは怠れないものの、上放れの兆しが出てきたここでは「買い」をベースに回転商い(押し目買い-吹き値売り)のスタンスをとるのが基本だろう。日柄面では、メジャーSQと週足変化日のある9月中旬をポイントにしておく。

(8月30日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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