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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

オルトP <日足> 「株探」多機能チャートより

■テラ <2191>  289円 (+52円、+21.9%)

 テラ <2191> [JQ]、そーせいグループ <4565> [東証M]、メドレックス <4586> [東証M]、セルシード <7776> [JQG]、ナノキャリア <4571> [東証M]などバイオ関連株に物色資金が流入。市場では「業績面で厳しく、一部の黒字バイオベンチャーを除いて、腰を入れて買う投資主体が見当たらなかったが、目先は海外のヘッジファンド系資金が介入しているようだ。これに目ざとい個人投資家の投機資金が乗っている状況」(準大手証券ストラテジスト)という。上値のシコリが重く敬遠されがちな銘柄が多いものの、「長く相場がなかったことで新鮮味もある。FANG系銘柄からも乗り替える動きが出ている」(同)という。

■メドレックス <4586>  915円 (+150円、+19.6%) ストップ高

 メドレックス <4586> [東証M]がストップ高。27日の寄り前に、武田薬品工業 <4502> と技術ライセンス契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが入った。今回のライセンス契約締結は、武田薬のある重点疾患領域におけるパイプラインを対象に、メドレック独自の経皮吸収製剤技術を用いて、新たな経皮吸収製剤を創製することを目指すのが目的。同契約において、武田薬は同経皮吸収性剤について、全世界で開発および商業化する権利を有し、メドレックは臨床開発をサポートするという。また、これに伴い、メドレックは開発および商業化の進捗に応じて武田薬からマイルストン収入を得るほか、上市後は販売額に応じてロイヤルティーを受け取ることになる。

■オルトプラス <3672>  938円 (+150円、+19.0%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。オルトプラス <3672> が3日連続のストップ高。23日、同社が開発協力を行い、フォワードワークスが提供するスマートフォン向けゲーム「アークザラッドR」の配信を開始したと発表したことが引き続き材料視された。「アークザラッド」シリーズは、1995年に第1作が「プレイステーション」で発売され、これまで全世界累計実売本数が370万本以上を記録しているロールプレイングゲーム。今回サービスを開始した「アークザラッドR」は、「プレイステーション」用ソフトウェア「アークザラッド2」の10年後の世界を描いた完全新作となる。iPhone版、Android版ともに好調な滑り出しをみせており、これを好感する買いが続いた。

■WSCOPE <6619>  994円 (+115円、+13.1%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率3位。ダブル・スコープ <6619> が続急騰、一時ストップ高。株価は今月中旬に18年12月期上期(1-6月)の決算発表を受け連続ストップ安となり、2営業日で450円の下げをみせていた。しかし、目先筋の空売りも高水準に積まれており、信用取組は17日申し込み現在の信用倍率が1.2倍台と売り買い拮抗、日証金でも足もとの貸借倍率が1倍を下回り株不足の状態にある。市場では「目先、相場の流れが変わってきた。個人でも大口の著名投資家が先物で踏まされるなど、売り方の撤退が相次ぐ展開となっており、個別株にもこの流れが波及している。悪材料で売り叩かれ、大幅に空売りを乗せられた銘柄が一転して買い戻しを強要されるような地合いに変わっている」(国内ネット証券)という。もっとも、「仕掛け的な買いが入ったが、これに続く実需の買いは限定的といえる」(同)としており、空売り筋の買い戻し一巡後の動きが注目される。

■T-BASE <3415>  779円 (+89円、+12.9%)

 東証1部の上昇率4位。TOKYO BASE <3415> が大幅高で4連騰、需給相場の様相を徐々に強めてきた。日本発のブランドに特化したアパレルを展開している。セレクトショップ「STUDIOUS」と独自ブランド店「UNITED TOKYO」を主要拠点に出店戦略を進める一方、SNSを使ったコーディネート提案などネットを活用した販売戦略に特徴があり、同業他社との比較でもeコマースが売り上げに占める比率が高い。7月中旬に発表した第1四半期(3-5月)の営業利益が3億2500万円(前年同期比28.2%減)と大幅減益となったことがネガティブサプライズとなり株価を急落させた経緯があるが、その後500円台前半で底入れを確認し、8月下旬になってから一気に水準を切り上げてきた。同社の売り上げは秋冬物を販売する下期に偏る傾向があり、通期営業利益予想は20億2900万円(前期比29%増)の期初予想を変更していない。また、株式需給面では下落過程で空売りを呼び込んでおり、東証信用残は直近17日申し込み現在で信用倍率1.0倍台と拮抗しており、踏み上げ相場の素地がある。

■ビーイング <4734>  698円 (+79円、+12.8%) 一時ストップ高

 ビーイング <4734> [JQ]が続急騰。建設業界向け土木積算ソフトを手掛けており、同ソフトでは前期投入の新版が好調で収益を押し上げている。18年4-6月期は営業損益段階で2億6600万円(前年同期実績は1300万円の赤字)と大幅黒字化、対通期計画に対する進捗率も7割に及んでいる。今期配当は前期実績比5円増配の15円を計画するなど株主還元姿勢も高いほか、時価総額55億円と小型で急騰習性があることから、個人投資家を中心とした短期資金の食指を動かしている。

■GAテクノ <3491>  10,000円 (+890円、+9.8%)

 GA technologies <3491> [東証M]が続急伸。前週末24日の取引終了後、18年10月期の単独業績予想について、売上高を174億3500万円から191億9600万円(前期比2.0倍)へ上方修正したことが好感された。知名度の向上により「Renosy」の新規会員数が当初見込みより増加し、これにより販売件数の増加につながったことが要因としている。なお、営業利益は6億2600万円(同75.8%増)、純利益は3億9500万円(同53.1%増)の従来予想を据え置いている。

■ウェルビー <6556>  2,081円 (+131円、+6.7%)

 ウェルビー <6556> [東証M]が4連騰。株価は戻り売り圧力のない実質上場来高値圏を舞い上がる展開となっている。ここ機関投資家とみられる大口の買いが観測されるなか、値動きの良さに個人投資家の短期資金が追随している。障害を持つ人などの職業訓練や求職活動など就労移行支援事業を手掛けており、安倍政権が進める国策の追い風を背に新規事業所の開設などで業容拡大を続けている。18年3月期は営業利益段階で前の期比87%増益と急拡大させたが、19年3月期も前期比28%増の12億9500万円を計画、上振れ余地も意識されている。

■菱洋エレク <8068>  1,841円 (+104円、+6.0%)

 菱洋エレクトロ <8068> が5日続伸。24日大引け後、19年1月期の連結経常利益を従来予想の12億円→14億円に16.7%上方修正。増益率が2.8倍→3.2倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。ITハードウェア製品やデジタル家電向け半導体の販売が想定を下回るものの、大型案件の立ち上がりに加え、好採算ビジネスの拡大などが利益を押し上げる。同時に、上期(2-7月)の業績修正も発表。経常利益を従来予想の6億円→8.9億円に48.3%上方修正し、一転して8.0%増益見通しとなった。

■サンバイオ <4592>  3,620円 (+180円、+5.2%)

 サンバイオ <4592> [東証M]が続急伸。前週末24日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(2-7月)連結業績について、売上高が3億1700万円から4億1500万円(前年同期比66.7%増)へ、営業損益が23億500万円の赤字から16億1500万円の赤字(前年同期21億4900万円の赤字)へ、最終損益が20億5200万円の赤字から10億4100万円の赤字(同22億7600万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これを好材料視した買いが入った。大日本住友製薬 <4506> と共同で行っている米国慢性期脳梗塞の臨床試験の開発協力金が、計画より早期に計上されることが売上高押し上げの要因。また、計上予定だった研究開発および製造に関わる費用が下期の計上になったことや、カリフォルニア州再生医療機構からの補助金の一部が計画より早期に計上される見込みであること、さらに円安による為替差益の発生なども寄与したという。

■村田製作所 <6981>  19,170円 (+875円、+4.8%)

 村田製作所 <6981> が800円を超える上昇をみせ1万9000円大台を回復したほか、太陽誘電 <6976> やローム <6963> など値がさの電子部品株の上昇が際立つ。米中貿易戦争の余波で前週23日から米中両国はお互いに160億ドル分の輸入品に対し25%の追加関税を発動した。貿易戦争の様相を呈すなか、日本でも自動車や半導体、電子部品セクターなど輸出ウエートの高い業種は影響を受けやすく、実需の買いが入りにくいなかで、追加関税発動に先回りして中国・上海株下落などに連鎖したショック安に備えるヘッジ売りが電子部品株にも出ていた。「しかし米株の持続的な上昇と上海株の下げ止まりで状況はネガティブなシナリオを大きく外れた。前週来、その買い戻しが顕在化している」(国内準大手証券)と指摘されている。

■不二家 <2211>  2,468円 (+104円、+4.4%)

 不二家 <2211> が4日続伸。SMBC日興証券が24日付で、投資判断「2」を継続し、目標株価を2400円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、洋菓子事業で構造改革が奏功し、赤字拡大に下げ止まりが見られ始めたことや、成長ポテンシャルある中国製菓で反転の兆しがみられることなどに注目。中国市場では、17年12月期は既存チャネルからECへの移行が進み、現地通貨ベースで前期比10%の減収となったが、なじみの販売代理商を切り替え始め第4四半期からECへ参入、第1四半期で前年同期比17%増、第2四半期で微増となっており、徐々に底を打ち始めたとしており、18年12月期営業利益予想を21億円から26億円へ、19年12月期を同23億円から29億円へ上方修正した。また、キャンディー依存脱却のため、19年からビスケット製造を開始する予定で、次の成長の一手を打ったなか、不透明感が高い中国で成長を持続できるかが今後の焦点となるとしている。

■昭和電工 <4004>  5,330円 (+200円、+3.9%)

 昭和電工 <4004> が大幅反発。27日、次亜塩素酸ソーダの国内販売価格を引き上げることを決定し、顧客との交渉を開始すると発表しており、同事業の採算性向上を期待した買いが入った。値上げ幅は1キログラム当たり6円以上で、10月1日納入分からの適用を目指す。次亜塩素酸ソーダは、水道水・プールの殺菌消毒や紙・パルプの漂白などに使用されている工業薬品。同社によると、原料価格、エネルギー・電力コストの上昇で長期にわたり厳しい状況が続いているほか、物流面でも人件費・燃料価格上昇により収益が悪化していることから、自助努力によるコスト削減に加えて、値上げが必要と判断したとしている。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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