【特集】日経平均5日続伸で追い風ムード、秋相場期待の“三拍子銘柄”は <株探トップ特集>
9月中間期末を意識した選別物色がスタートするタイミングだ。
―9月中間期末見据え割安・高配当・好業績株リストアップ―
週明け27日の東京株式市場で、日経平均は前週末比197円87銭高の2万2799円64銭の大幅高で5日続伸となった。前週末の米株式市場の堅調を好感して、東京市場でも買い優勢の展開となった。このところの堅調地合いを追い風に、そろそろ9月中間期末の配当取りを意識した選別物色がスタートするタイミングにあるなかで、高配当利回り、好業績、低PERの三拍子揃った銘柄に注目した。
●東洋機械、国内や海外で射出成形機が堅調
東洋機械金属 <6210> が7月27日に発表した第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高77億2900万円(前年同期比1.7%増)、経常利益5億6500万円(同34.8%増)、純利益3億5900万円(同31.5%増)と3割強の経常増益となった。国内をはじめ、欧州、北米で自動車や生活用品関連向け射出成形機の需要が堅調に推移しているほか、中国でもローカルスマートフォン向けIT・電子機器関連が順調に伸びていることが牽引した。
●朝日ネット、インターネット接続サービスの用途拡大で法人需要増加
独立系ネット接続サービス大手の朝日ネット <3834> は9日、19年3月期第1四半期(4-6月)単体決算を発表した。売上高24億円(前年同期比5.2%増)、経常利益2億5400万円(同47.7%増)、最終利益1億7900万円(同46.2%増)となった。インターネット接続サービスでは、発電・電力、POSレジ、監視カメラ、デジタルサイネージ、警備システムなどの用途拡大で法人顧客の需要が増加している。加えて「光コラボレーションモデル」を活用したサービスとして提供している「AsahiNet光」、マンション全体での一括契約を前提とした接続サービス「マンション全戸加入プラン」での入会が好調に推移している。その結果、18年6月末のASAHIネットの会員数は60万6000ID(前年同期末比2万2000ID増)となった。通期業績は売上高100億円(前期比7.1%増)、経常利益12億円(同40.9%増)を見込む。
●NTN、産業機械や建設機械向けなどが好調推移
ベアリング大手のNTN <6472> は7月31日、19年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高1891億9900万円(前年同期比5.7%増)、経常利益83億3700万円(同23.8%増)、最終利益59億300万円(同51.6%増)の大幅増益となった。国内販売は、補修市場で産業機械補修向けが増加し、産業機械市場向けは工作機械向けや建設機械向けなどで増勢となり、自動車市場向けも客先需要の拡大などが寄与した。一方、米州販売では、補修市場で産業機械補修向け、および自動車補修向けとも増加した。産業機械向けは風力発電向けなどが伸びた。また、欧州販売では、補修向けは産業機械向け、および自動車向けとも成長し、産業機械では航空機向けや風力発電向けなどが拡大した。
●伯東、データセンター向け半導体の需要が拡大
半導体や電子・電気機器の専門商社の伯東 <7433> は7月31日、19年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高337億6800万円(前年同期比8.8%減)、経常利益11億9000万円(同11.1%増)、最終利益8億3600万円(同2.1%減)となった。主力納入先のエレクトロニクス業界では、「IoT」や人工知能などの広がりにより、データセンター向け半導体の需要が拡大。自動車メーカー向けではEVラインアップ強化が奏功している。また、新興工業地域での人件費高騰や先進工業国での生産性向上への対処でロボットの活用が進んでおり、電子部品、部材、関連製造装置、および関連産業用機器への需要は高い水準を維持した。通期業績は、売上高1480億円(前期比7.6%増)、経常利益47億円(同25.7%増)を見込んでいる。
●東京エレクトロン、エッチング装置など半導体製造装置が好調
東京エレクトロン <8035> は7月26日、19年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高2955億6900万円(前年同期比25.0%増)、経常利益752億1200万円(同36.4%増)、最終利益557億4100万円(同35.1%増)と大幅増収増益だった。ビッグデータやIoTの普及で世界的にデータセンター向け半導体メモリー需要が旺盛で、エッチング装置など半導体製造装置が好調なため収益を牽引している。19年3月期の通期業績については、売上高1兆4000億円(前期比23.8%増)、経常利益3660億円(同30.4%増)、最終利益2700億円(同32.1%増)を見込んでいる。
●ケイアイスター不動産、分譲住宅の販売棟数が順調拡大
ケイアイスター不動産 <3465> は10日、19年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算を発表した。売上高169億8200万円(前年同期比39.4%増)、経常利益8億8100万円(同27.5%増)、最終利益4億9300万円(同13.6%増)だった。分譲住宅事業については、「デザインのケイアイ」を標榜し住宅ローンが家賃以下となる販売価格の設定を行い、より「高品質だけど低価格」な住宅を提供することに引き続き取り組んだ。また、土地の仕入れから販売までの期間を短縮することによる回転率を重視し、工期短縮や工程改善などによるコスト低減を推進した結果、販売棟数は前年同期と比較して138棟増加の493棟(土地販売含む)となった。通期業績は売上高858億4000万円(前期比33.9%増)、経常利益60億4000万円(同14.3%増)、最終利益40億円(同17.9%増)を見込んでいる。
◆主な高配当利回り・好業績・低PER銘柄◆
銘柄 <コード> 配当利回り 経常 株価 PER
(年間) 増益率
アダストリア <2685> 3.55 60.3 1409 15.1
富士紡HD <3104> 3.19 16.7 3135 10.5
日本管理センター <3276> 3.24 14.1 1296 12.4
フージャース <3284> 3.43 15.3 728 8.1
ケイアイスター不動産 <3465> 3.31 14.3 2541 9.0
共和レザー <3553> 3.30 16.5 970 9.7
朝日ネット <3834> 3.53 41.0 510 18.0
CAC <4725> 3.59 2.1倍 1059 17.7
デクセリアルズ <4980> 3.51 17.9 1138 16.4
三洋工業 <5958> 4.30 51.7 2093 7.6
東洋機械金属 <6210> 3.38 12.7 739 8.9
ツバキ・ナカシマ <6464> 3.45 76.9 2293 11.7
NTN <6472> 3.36 18.4 446 11.3
セイコーエプソン <6724> 3.27 18.1 1897 11.5
ヨロズ <7294> 3.63 11.5 1624 9.7
伯東 <7433> 3.19 25.7 1569 9.6
ハークスレイ <7561> 3.33 15.4 1051 9.9
VTホールディングス <7593> 3.95 14.3 506 12.4
永大産業 <7822> 3.37 18.4 504 11.4
共同印刷 <7914> 3.54 28.6 2827 13.1
東エレク <8035> 4.30 30.4 1万9145 11.6
ユアサ商事 <8074> 3.45 11.1 3765 9.1
阪和興 <8078> 4.05 17.6 3700 7.7
ニチイ学館 <9792> 3.29 2.9倍 911 9.3
杉本商事 <9932> 3.23 11.8 1859 9.7
バイテックHD <9957> 3.33 16.6 2103 15.0
※株価は27日終値、単位:%、円、倍
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