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【注目】前週末17日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

大気社 <日足> 「株探」多機能チャートより

■協和キリン <4151>  1,985円 (+79円、+4.1%)

 協和発酵キリン <4151> が3日ぶりに大幅反発。同社は16日、子会社の協和キリンフロンティアが持続型赤血球造血刺激因子製剤「ダルベポエチン アルファ注シリンジ『KKF』」の国内製造販売承認を取得したと発表。これが買い手掛かりとなったようだ。持続型赤血球造血刺激因子製剤であるダルベポエチン アルファは、同社の主力製品「ネスプ」として2007年7月に発売されて以来、保存期慢性腎臓病から透析期まですべての腎性貧血に優れた臨床効果や安全性が評価され、多くの医療機関で使われている。今回、国内製造販売承認を取得した製剤は、「ネスプ」のオーソライズドジェネリック(先発医薬品の特許を持つ会社から特許実施許諾を受け製造販売される原薬・添加物・製造方法が同じ後発医薬品)となっている。

■星光PMC <4963>  1,039円 (+32円、+3.2%)

 星光PMC <4963> が大幅反発。同社は17日、セルロースナノファイバー(CNF)複合材料「STARCEL」が、アシックス <7936> のランニングシューズ「DYNAFLYTE(ダイナフライト)3」のミッドソール部材の原材料の一部として採用されたと発表。これが株価を刺激したようだ。アシックスのランニングシューズに採用されるのは、「GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)25」に続いて2例目。「STARCEL」は、京都大学生存圏研究所の矢野浩之教授が京都市産業技術研究所などと共同開発したCNF製造技術「京都プロセス」をベースに製造されているもので、同社はこれをもとにCNF複合材料の量産化を実現している。

■グンゼ <3002>  5,310円 (+150円、+2.9%)

 グンゼ <3002> が大幅反発。岩井コスモ証券が16日付で、投資判断を「B+」から「A」としたことが好材料視されている。なお、目標株価8000円を継続している。同社の第1四半期決算は、営業利益が前年同期比7.5%減の18億8200万円と減益で着地したが、同証券によるとアパレルの苦戦が足を引っ張ったと指摘。ただ、機能ソリューション事業は総じて好調に推移しており、好調が続くシュリンクフィルムは猛暑が追い風になることや、新商品投入によるアパレルのテコ入れで、19年3月期営業利益は会社予想並みの70億円(前期比12.2%増)になると見込んでいる。さらに、来期は同73億円を見込み、業績は高付加価値製品の牽引による新たな成長ステージに入ると予想。総還元性向100%を掲げている点も評価できるとしている。また、17日は、ベトナムにプラスチックフィルムの海外生産拠点を新設すると発表しており、これも好感されたようだ。

■大気社 <1979>  3,500円 (+75円、+2.2%)

 大氣社 <1979> が3日ぶり反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が16日付で、投資判断「ニュートラル」を継続し、目標株価を3500円から3740円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、国内建築市場好調によるビル空調部門のマージン予想引き上げや、製造業の投資マインド回復に伴う産業空調マージン予想の引き上げ、競争激化の厳しさによる塗装システム部門のマージン回復の遅れなどを考慮し、19年3月期営業利益予想を130億円から142億円へ、20年3月期を同136億円から148億円へ、21年3月期を同142億円から154億円へそれぞれ上方修正している。

■三菱UFJ <8306>  671円 (+12.5円、+1.9%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが高い。トルコ情勢への警戒感の後退とともにトルコリラは反発してきており、欧米の銀行株には落ち着きが見え始めている。また、米中貿易摩擦の緩和期待が出てきており、リスク回避で低下基調にあった米国の長期金利も目先底打ち期待が膨らんできたことも銀行株への追い風となっている。

■セリア <2782>  4,635円 (+80円、+1.8%)

 セリア <2782> [JQ]が4日続伸。100円ショップ大手で、POSなどの積極活用により顧客ニーズを捉え収益成長に反映させている。新規出店にも関東甲信越を中心に積極的で、18年12月期上期末時点で店舗総数は1535に達した。7月度の月次売上高で、既存店売上高が2ヵ月ぶりに前年月次実績を下回ったものの、これは酷暑や異常気象の影響によるもので一過性のものと捉えられる。同社が取り組む「持続的なシェア拡大」は中期的にも評価される公算が大きい。また今期から中間配当を実施、年間配当は前期実績比20円増配の50円を計画するなど還元姿勢も強化している。

■日本郵船 <9101>  2,059円 (+31円、+1.5%)

 日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が堅調な値動き。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が15日時点で3日続伸、1700台で強調展開を続けている。海運セクターは33業種の中でも株価の出遅れ感が際立っており、リターンリバーサル狙いの買いを引き寄せた。

■アウトソシン <2427>  2,118円 (+28円、+1.3%)

 アウトソーシング <2427> が反発。水戸証券は16日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに目標株価は従来の2600円から3000円に引き上げた。同社は、製造業、IT関連企業への人材派遣(アウトソーシング)が主力で、海外もM&Aによる拡大を続けている。第2四半期(1-6月)累計の連結営業利益は前年同期比41%増の49億800万円だった。国内、海外ともに増収基調が続いている。18年12月通期の連結営業利益は前期比22%増の138億円で据え置かれたが、同証券では154億円への増額修正を見込んでいる。

■クボタ <6326>  1,661.5円 (+21.5円、+1.3%)

 クボタ <6326> が3日ぶりに反発。17日付けの日本経済新聞朝刊で、「浄水性能を維持しつつ従来品より小型化したビル向け浄化槽を開発した」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、新開発した浄化槽は、最大で1日に1万人が出す下水の処理に対応した設計が可能という。下水道の整備が進んでいないアジアなどの新興国などの需要を見込むとしており、業績への貢献を期待した買いが入った。

■住友林 <1911>  1,762円 (+20円、+1.2%)

 住友林業 <1911> が続伸。17日、米子会社を通じて米マークスリー・プロパティーズ(サウスカロライナ州)の株式の60%を取得したと発表しており、米国事業のさらなる拡大を期待した買いが入った。マークスリー社は、米国南部サウスカロライナ州の北西部に位置するグリーンビル、スパータンバーグエリアで住宅会社向け完成宅地(戸建て、タウンホーム用)の開発・販売を行う企業。同社では、中期経営計画の一環として「グローバル市場での多様な収益源の構築」を掲げており、今回の買収はその一環として5月1日に株式を取得したという。

■メック <4971>  1,876円 (+19円、+1.0%)

 メック <4971> が6日ぶりに反発。岩井コスモ証券は16日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は2470円としている。同社は電子基板向け化学薬品メーカーで、銅表面粗化剤「CZシリーズ」が世界的な高シェアを獲得している。パソコンやスマートフォン、自動車など様々な製品の電子基板で採用されており、今後はIoTや5G、自動車の電装化などの進展によって同社の活躍する製品分野の拡大が期待されている。18年12月期の連結営業利益は23億円の見込みだが、同証券では25億円への増額修正を予想している。

※17日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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