【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「重要変化日の7月後半」
株式評論家 富田隆弥
◆ポーランドに負けはしたが、かろうじて決勝トーナメント進出を果たしたサッカーW杯西野ジャパン。見栄えは良くなくとも、結果良ければすべてヨシ。決勝トーナメント初戦のキックオフは7月3日の早朝3時(日本時間)。それまでマスコミを中心にワールドカップ一色となるだろうし、国民の寝不足もきっと続くに違いない。そういえば的中率100%というタコがいて、予選第三戦もポーランド勝利(日本の敗戦)を予想していたという。楽観ムードに包まれていたマスコミと違い、冷静に勝敗を見極めるツボがきっとあるに違いない。
◆さて、相場は7月入り。株主総会を終えて配当金が株式市場に向かうことから「7月相場は上がる」との観測が聞こえてくる。だが、日経平均株価(28日終値2万2270円)は1月高値2万4129円を残したままで、昨年のような元気さは見られない。日足は75日移動平均線(2万2175円)や200日移動平均線(2万2077円)を維持するが、直近2万3000円処でダブル・トップを形成するなど上値には節もある。
◆TOPIX(28日、1727ポイント)に目をやれば1750ポイント近辺にある75日移動平均線、200日移動平均線をすでに割り込み、チャートは陰転を示唆する。26日に新安値銘柄が373を数えるなど個別株の雰囲気も厳しく、こうなると3兆3400億円と高水準にある信用買い残は回転が効かず、高値期日の7月23日にかけて一層厳しさを増す可能性ある。
◆日経平均の週足では、5月21日高値から9週、5月30日安値から9週、3月26日安値から17週などの変化日が7月後半に集中する。そうなると「期日安値」を模索することも否定できない。配当金の再投資で上昇する可能性はあるものの、日足が好転の兆しを見せるにはダブル・トップの2万3000円処を明確に突破する必要がある。
◆NYダウ(27日2万4117ドル)も1月高値(2万6616ドル)を残したままで、直近200日移動平均線(2万4302ドル)を割り込む。ナスダックは6月20日に最高値7806ポイントをつけるが、その後は急調整で25日移動平均線(7604ポイント)を割り込むなど、米国株もジワジワと調整ムードを高めつつある。7月4日が独立記念日で休場となるが、バカンスシーズン本番を迎えて高値圏の株には利益確定売りも出やすい。
◆日本の証券界はボーナス資金獲得のために強気のアドバルーンを掲げるだろうが、個人投資家はムードに流されず、もうしばらく慌てることなく体力温存に努めてはどうだろうか。相場のツボは需給、チャートにあり。
(6月28日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース