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【特集】三和HD Research Memo(5):『三和グローバルビジョン2020』のもと、第二次3ヶ年計画に取り組む

三和HD <日足> 「株探」多機能チャートより

■中長期の成長戦略

1. 長期ビジョンと中期経営計画の概要
三和ホールディングス<5929>は住宅や小型店舗などを主たる需要先とする軽量シャッターの製造販売で創業し、発展を遂げてきたが、その成長はバブル崩壊とほぼ時を同じくしてピークアウトしたと考えられる。同社は他社に先駆けて海外進出や商品ラインアップの拡充を図っていたが、主力製品の衰退基調が明確になったことで、改めて中長期の成長戦略を練り直す必要に迫られた。

その結果同社が採用するに至ったのが、国内市場における“多品種化”と、海外市場での成長を目指す“グローバル化”の2つの成長戦略だ。以後現在に至るまで、同社はこの二正面作戦を経営のベースとして、様々な取り組みを行ってきている。

同社の中長期の成長戦略は、10年単位の長期ビジョンと、その実現に向けた具体的アクションプランと言える3ヶ年中期経営計画の2段構成となっている。現在は2013年度(2014年3月期)に策定した長期ビジョン『三和グローバルビジョン2020』と第二次3ヶ年計画(2016年3月期-2019年3月期)に取り組んでいる。

沿革の項で見たように、同社は2000年代に入ると欧米でM&Aを重ねて業容拡大を急いだ。当時の同社は、2001年度から2012年度までの『2010ビジョン』を策定し、グローバル経営の初期段階という位置付けのもと、グローバル化と製品の多品種化に取り組んだ。欧米での事業基盤の確立や国内の商品ラインアップ拡充において成果を上げる一方、アジア事業やサービス事業のグローバル展開、グローバルシナジーなどの面では課題が残った。

それに続く『三和グローバルビジョン2020』では、“「動く建材」のグローバル・メジャーとして、世界中のお客様に安全・安心・快適な商品とサービスを提供する”をテーマに掲げ、グローバル経営の新たな飛躍を目指している。同社は目指す姿として、“日米欧における不動のトップブランドの確立”など4項目を掲げている。

『三和グローバルビジョン2020』の実現に向けた第一次3ヶ年中期経営計画(2014年3月期-2016年3月期)では、“グローバル・メジャーとしての基礎を確立”することをテーマに掲げて取り組み、おおむね順調に計画を達成して終了した。続く第2次3ヶ年中期経営計画は“グローバル・メジャーとしての競争力強化”をテーマに、日・米・欧・アジアの4極においてそれぞれの課題解決と目標達成に取り組んでいる。

同社は3ヶ年中期経営計画において、売上高、営業利益率、ROE等の計数目標を設定している。第1次中期経営計画ではROEが若干未達だったものの、それ以外の数値目標を達成した。第2次中期経営計画では最終年度(2019年3月期)において売上高410,000百万円、営業利益370,000百万円、ROE15.0%などの目標を掲げている。2年目の2018年3月期決算は前述のとおり、売上高、利益ともに過去最高を更新したものの、計画に対しては未達となった。それを踏まえた2019年3月期予想は、売上高は407,000百万円と中期経営計画の業績目標に迫っているが、営業利益予想は31,500百万円と、中期経営計画の当初目標を約15%下回っている。

2019年3月期における中期経営計画の当初目標と最新の業績予想を比較すると、売上高では、三和シヤッター工業とODCが当初計画を下回る予想となっているが、NFと国内子会社は上振れており、最終的に407,000百万円の予想となっている。

営業利益については4つのセクターすべてが当初の業績目標を下回る業績予想となっている。特にずれが大きいのは国内事業で、三和シヤッター工業と国内子会社合計で約41億円の差となっている。全社ベースの差異55億円の約80%が、国内事業における差異で説明されることになる(各セクター別動向などの2019年3月期業績予想の詳細については後述)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《MW》

 提供:フィスコ

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