【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):博報堂DY、シーズHD、アプリックス
博報堂DY <日足> 「株探」多機能チャートより
博報堂DYホールディングス<2433>が3日続伸、前週末8日につけた上場来高値を更新し青空圏に再浮上した。11日取引終了後に19年3月期の連結業績予想の修正を発表、売上高を1兆4600億円から1兆4708億円(前期比10.2%増)へ、営業利益を551億円から656億円(同25.7%増)へ、最終利益を402億円から417億円(同39.8%増)へそれぞれ増額しており、これを材料視する買いを誘った。連結子会社のユナイテッド<2497>が、保有株式売却により売り上げおよび利益を計上しており、これが反映される見通し。
■シーズHD <4924> 5,230円 -990 円 (-15.9%) 一時ストップ安 本日終値 東証1部 下落率トップ
シーズ・ホールディングス <4924> が一時ストップ安に売られた。11日大引け後に発表した18年7月期第3四半期累計(17年8月-18年4月)の連結経常利益が前年同期比11.7%減の55.5億円に落ち込んだことが売り材料視された。11月に買収したエステサロンを運営するセドナエンタープライズの業績上積みなどで売上高は2ケタ増収を達成。一方、容器不足によるラボラボブランドの出荷調整や外部ECサイトへのリベート増加のほか、広告販促費を積極投入したことなどが利益を圧迫した。上期時点では5.6%の増益だっただけに、減益に転じたことが嫌気されたようだ。
■正栄食品工業 <8079> 3,980円 -465 円 (-10.5%) 本日終値 東証1部 下落率2位
正栄食品工業<8079>は急落している。11日取引終了後発表した18年10月期第2四半期累計(17年11月~18年4月)連結業績が、売上高565億3400万円(前年同期比2.9%増)、営業利益31億8800万円(同10.3%減)、純利益23億5500万円(同1.5%増)と2ケタ営業減益だったことが嫌気された。製菓原材料類や乾果実・缶詰類などの販売は減少したものの、食品メーカー向け海外乳製品の需要が旺盛だったことなどから乳製品・油脂類の売り上げが大幅に伸長し増収となった。ただ、生産子会社の製造ライン新設に伴う工場用消耗品の取得費用や修繕費の増加による原価率上昇と物流費などの販売費増加が利益を圧迫した。なお、通期業績予想は売上高1045億円(前期比1.1%増)、営業利益57億円(同5.2%増)、純利益38億5000万円(同4.7%増)で従来見通しを据え置いた。
■アプリックス <3727> 327円 +80 円 (+32.4%) ストップ高 本日終値
アプリックス<3727>がストップ高まで買われた。同社は11日、屋内測位/位置情報システム市場向けソリューションの開発を始めたと発表。同社はこのソリューションを「groma(グローマ)」と仮称し、その第1弾として仮想現実(AR)マーカーを使った位置情報検知ソリューション「groma AprilTagソリューション for SDM」をiOS上に試験実装。13日から開催される「Interop Tokyo 2018」のソフトウエア・デファインド・メディア(SDM)コンソーシアムブースで展示される立体音響再生システムに組み込むかたちで、このソリューションを参考出展するとしている。
■佐渡汽船 <9176> 310円 +51 円 (+19.7%) 一時ストップ高 本日終値
佐渡汽船<9176>が急伸。6月10日に投開票が行われた新潟県知事選挙で、自民・公明両党が支援した花角英世氏が当選したことを受けて、新潟県が目指す「佐渡鉱山の遺産群」の世界文化遺産登録への思惑から買いが入った。花角知事は、国土交通省総合政策局観光政策課長や観光庁の総務課長、新潟県副知事を務めた経歴を有している。そのため、佐渡金山の世界文化遺産への採択実現に知事の指導力が発揮されるとの期待が高まったようだ。
■カイオム <4583> 334円 +43 円 (+14.8%) 本日終値
カイオム・バイオサイエンス<4583>が急騰。11日の取引終了後、同社で開発を進めている抗セマフォリン3A抗体に関して、日本における特許付与の決定通知を受領したと発表しており、これを好感した買いが入った。同特許は、同社パイプラインの一つで、糖尿病黄斑浮腫などの治療薬として開発を進めているBMAAに関連する特許で、今回の日本での特許付与決定はBMAAの知財基盤を強化するものだという。なお、同特許は既に米国で成立している。また、18年12月期業績への影響はない。
■WASHハウス <6537> 1,870円 +182 円 (+10.8%) 本日終値
コインランドリーチェーンを展開するWASHハウス<6537>が急動意。同社はきょう午前10時ごろ、子会社のWASHHOUSEフィナンシャルが新規事業として、8月にも貸金業を開始すると発表。これが材料視されているようだ。この新規事業は、フランチャイズ(FC)店舗を出店するオーナーに出店費用を融資することが主な目的。同社はこの事業を通じて、収益機会を拡大させるほか、FC店舗の出店を加速させ、ストックビジネスでの事業基盤拡大を図り、企業価値の向上を目指すとしている。
■Casa <7196> 2,311円 +201 円 (+9.5%) 本日終値
Casa <7196> [東証2]が急騰。11日大引け後に発表した19年1月期第1四半期(2-4月)の経常利益(非連結)は2.8億円で着地。上期計画の3.9億円に対する進捗率は71.7%となり、業績上振れを期待する買いが向かった。家賃債務保証サービスの保有契約件数の増加を背景に保証料が堅調に推移するなか、貸倒引当金や訴訟費用などの回収コストを削減したことで売上原価が減少した。同時に、発行済み株数の1.85%にあたる10万株(2億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充も好感された。併せて、東証1部指定に向けた準備を開始することも明らかにした。
■セキュアヴェイル <3042> 1,380円 +84 円 (+6.5%) 本日終値
セキュアヴェイル<3042>が4連騰と急速な戻り足をみせたほか、テリロジー<3356>も急伸し600円台を回復。このほか、トレンドマイクロ<4704>、セグエグループ<3968>、ラック<3857>、インテリジェント ウェイブ<4847>、ソースネクスト<4344>などサイバーセキュリティー関連株が軒並み高に買われた。市場では「米朝首脳会談を横目に足もとリスクオンの流れが意識されているものの、日経平均2万3000円近辺は売り板も厚く、主力株の上値は重いとの認識がある。内需の中小型株が好まれやすく、そのなか、サイバーセキュリティー関連は個人投資家資金を中心に格好の投資対象となっている。きょうは取引時間中に、日本マイクロソフトが、日本企業がサイバー攻撃を受けた際に1社当たり37億円の経済損失を受けるとの調査結果を公表したことが伝わり、買い人気が加速した」(国内証券ストラテジスト)という。
●ストップ高銘柄
シーズメン <3083> 1,056円 +150 円 (+16.6%) ストップ高 本日終値
ビート <9399> 763円 +100 円 (+15.1%) ストップ高 本日終値
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース