【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):くら、スタートトゥ、資生堂
くら <日足> 「株探」多機能チャートより
くら <2695> が急騰。6日大引け後に発表した18年10月期上期(17年11月-18年4月)の連結経常利益が前年同期比14.3%増の42億円に伸びて着地したことが買い材料視された。国内6店舗、海外3店舗を新規出店したほか、3月に初の洋食メニュー「カルボナーラスパらッティ」を投入するなどサイドメニューを強化し、売上高、経常利益ともに上期の過去最高を更新した。第1四半期の同利益は5.9%の減益だっただけに、増益に転じたことが好感された。
■FRONTEO <2158> 1,189円 +77 円 (+6.9%) 本日終値
FRONTEO<2158>が急反発。訴訟支援事業を展開、人工知能(AI)技術を使ったデータ分析事業を強みとしており、AIエンジン「KIBIT」を活用したビジネス案件を数多く獲得している。政府が示す成長戦略の素案では、時価総額10億ドル以上である「ユニコーン」などの未上場スタートアップ企業を2023年までに20社創出することを目標に、AI社会に向けた企業育成に注力する方針にある。こうしたことを背景に同社株などAI関連株に再び光が当たり始めた。同社は5月22日に、ヘルスケア産業向けに開発した人工知能「Concept Encoder」の基礎技術について、子会社を通じ日本で特許査定を取得したことを発表、同テーマのシンボルストックとしての存在感を高めている。
■スタートトゥデイ <3092> 4,125円 +265 円 (+6.9%) 本日終値
スタートトゥデイ<3092>が大幅続伸で上場来高値更新、未踏の4000円大台乗せを果たした。衣料品通販サイト「ゾゾタウン」の会員数が増勢一途で19年3月期は前期比22%営業増益を予想。同社は6日、好みに応じカスタムが可能で、なおかつゾゾタウンに登録した自分の体形データに基づくジャストフィットしたシャツ(販売価格は3900円から)の販売開始を発表、これを材料視する買いが上げ足を助長した。
■太陽ホールディングス <4626> 4,835円 +275 円 (+6.0%) 本日終値
太陽ホールディングス<4626>は6日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は6日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」へ引き上げた。目標株価は5900円から6200円に見直した。医療・医薬品事業への参入による費用増なども警戒され、株価は軟調に推移してきたが、収益を牽引する既存の主力製品である高機能レジストやDF(ドライフィルム)は好調であり、直近の株価調整は行き過ぎとして、レーティングを引き上げている。
■資生堂 <4911> 9,177円 +490 円 (+5.6%) 本日終値
資生堂 <4911> が続急伸し、上場来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が6日付で同社の投資判断を「Neutral(中立)→Buy(買い)」に引き上げ、目標株価を7700円→1万0800円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、エクイティストーリーを「中国人の需要増加に対する、供給体制強化の取組みが成功」から「成長戦略に向けた3C(Customer、Competition、Company)改革の成果と日本化粧品需要増が中長期業績を牽引」に変更すると報告。20年東京オリンピックをきっかけに、中国人以外の来日外国人も増加し、日本の化粧品需要が拡大すると予想している。
■大平洋金属 <5541> 4,100円 +170 円 (+4.3%) 本日終値
大平洋金属<5541>が6日続伸、年初来高値を更新した。足もとでニッケル価格が上昇。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル3カ月物が6日、一時1トン当たり1万5800ドル台に上昇。ニッケル価格は年初から2割強上昇しており、同社の業績押し上げ要因になることが期待されている。
■住友金属鉱山 <5713> 4,710円 +179 円 (+4.0%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>やDOWAホールディングス<5714>、三菱マテリアル<5711>など非鉄株が軒並み高。ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は6日に前日比121ドル高の1トン=7220ドルに上昇。今年2月中旬以来、3か月半ぶりの水準に上昇した。足もとの米国や中国の経済指標は堅調なほか、世界最大の銅鉱山であるチリのエスコンディダで労使交渉始まり、ストライキに発展する可能性も指摘されるなか、銅価格は上昇基調にある。ニッケルや亜鉛価格も上昇しており、非鉄株には見直し買いが流入した。
■DACHD <6534> 2,825円 +88 円 (+3.2%) 本日終値
D.A.コンソーシアムホールディングス<6534>が続伸し上場来高値を更新。SMBC日興証券が6日付けで目標株価を3040円から3500円へと引き上げたことが好感された。なお、投資評価は「1」を継続した。同証券では、パートナービジネスにおける博報堂DYホールディングス<2433>グループ以外の顧客向け売上高の成長性が従来想定より大きいと判断したことなどから、19年3月期の営業利益予想を従来比2.2倍の232億円(会社予想100億円)へ、20年3月期を同10.1%増の129億円へ、21年3月期を同9.2%増の153億円へ、22年3月期を同18.2%増の184億円へと引き上げたほか、23年3月期は218億円と予想した。なお、19年3月期の営業利益予想にはメルカリ<4385>株売却の影響が織り込まれている。
■マクドナルド <2702> 5,590円 +170 円 (+3.1%) 本日終値
日本マクドナルドホールディングス<2702>が反発。6日の取引終了後に発表した5月度の月次動向で、既存店売上高が前年同月比9.6%増と30カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。顧客からの人気投票で次のレギュラーメニューとなるバーガーを決定するキャンペーンの実施や、「世界一のバリスタ」井崎英典氏が完全監修し「プレミアムローストアイスコーヒー」をリニューアルしたこと、さらに「マックシェイク森永ミルクキャラメル」を約2年振りに販売したことなどが奏功したという。
■ジーエヌアイグループ <2160> 465円 +11 円 (+2.4%) 本日終値
ジーエヌアイグループ<2160>が反発。6日の取引終了後、中国子会社が「アイスーリュイ」について、結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)の一種類である皮膚筋炎を適応症とした第3相臨床試験を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。CTD-ILDは、結合組織疾患(CTD)を持つ患者の肺が、炎症および線維症、またはいずれか一方の症状を引き起こす状態のこと。現在、承認された治療法がないため、アイスーリュイが治療薬として承認された場合には、市場拡大に寄与すると期待されている。さらに、アイスーリュイに関しては、CTD-ILDの別の種類である強皮症を適応症とした第3相臨床試験も計画しているという。
株探ニュース